瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川龍之介『羅生門』の文庫本(4)

・角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』(1)
 12月2日付(2)にて、角川文庫14718の【改版初版】及び【改版再版】のカバーについて、背表紙に「新装版」とあるが実はおかしい、と云ったようなことを書いた。それは、改版前の角川文庫7499と、表紙絵が全く同じだからである。それなのに何故「新装版」と称しているのか、よく分からない。
 今のところ、角川文庫7499は3種のカバーを見ている。
【再版】平成元年四月十日初版発行・平成元年六月十日再版発行・定価262円・213頁
【十二版】平成元年四月十日初版発行・平成五年六月二十日十二版発行・定価262円・213頁*1
【十七版】平成元年四月十日初版発行・平成七年五月三十日十七版発行・定価301円・213頁
 このうち【十二版】と【十七版】が角川文庫14718【改版初版】【改版再版】と同じ、毒々しい色彩の天野氏のカバーである。文字は縦組みで、右上に行書体白抜きで著者名、右下にやや小さいゴシック体白抜きで「角川文庫」、中央に大きく標題がやはり行書体で「羅生門・鼻・芋粥」とあり、「・鼻・芋粥」は著者名と同じ大きさ。但し【改版】前と後の異同であるが、白で縁取りされた標題が【改版】前は金文字だったのが、【改版】後は明るい橙色に変わっていることで、確かに【改版】後の橙色の方が目立つ。
 なお、角川書店HPで文庫「羅生門」で検索すると発売日「1989年 03月 20日」のものが「品切れ重版未定」となっているが、示されている書影は標題が橙色なので平成19年(2007)の【改版】後のものなのではないか。但し私は平成7年(1995)十七版から後の【改版】前のものを見ていないから、或いはその間に標題が橙色に変わっていたのかも知れないが。しかしそうすると、いよいよ【改版】に際して「新装版」と名乗っているのが分からなくなる。ちなみに発売日「2007年 06月 23日」のものは、現在手拭い柄の書影が示されているが、「立ち読みはこちら>>」をクリックすると、やはり橙色の標題の天野氏のカバーが示される。裏表紙を見るに角川文庫14718【改版初版】のものである。(以下続稿)

*1:【2013年2月25日追記】定価301円のカバーを見た。