瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柳田國男『日本の昔話』の文庫本(08)

・角川文庫553(6)
 収録話数は106話(22〜186頁)。昭和五年版に基づく新潮文庫版の108話とはかなり出入りがある。比較した文献も既に存在していると思うが、ネット上には見当たらないようなので、一通り確認して置きたい。なお、比較に当たっては、角川文庫版には漢数字で通し番号が附されているのでこれをそのまま利用し、新潮文庫版には通し番号がないので仮に算用数字で附した。それぞれ番号の次に、話の末に示される( )の注記を添えて置いた。新潮文庫版の方には、これがないものも少なくない。
 21頁「日本の昔話分布図」により、この改訂版に「旧版のものを残した分」と「増補分」とが判明する。但し文献から採った話や伝承地の示されていない話があるから、この図だけでは十分ではない。
 そこでまず図にないものを拾ってみると、これは15話あって、全て昭和五年版以来のものである。
・「海月骨なし」 2 → 二(「沙石集」五)
・「瘤二つ」 67 → 七〇(「醒睡笑」)
・「無言くらべ」 94 → 八八
・「清蔵の兎」 96 → 九三
・「杖つき虫」 98 → 九五
・「首筋に蒲団」 99 → 「首筋にふとん」九六
・「知ったかぶり」 100 → 九八
・「やせ我慢」 101 → 九九
・「慾ふか」 102 → 「欲ふか」一〇〇
・「物おしみ」 103 → 一〇一
・「盗み心」 104 → 一〇二
・「聟の世間話」 105 → 一〇三
・「下の国の屋根」 106 → 一〇四
・「博奕の天登り」 107 → 「博奕うちの天登り」一〇五
・「空の旅」 108 → 一〇六
 題が少し違っているが、本文の表記も若干違っている。(以下続稿)