瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柳田國男『遠野物語』の文庫本(24)

・角川文庫1295(改版二十一版)(1)
 現行の新版(角川文庫13359)以前に行われていた改版(角川文庫1295)だが、2011月6月2日付(17)に、新版改版の奥付に「昭和四十四年八月十八日 改版初版発行」とあることを示した。そして改版四十六版について2011年6月6日付(20)に新版と比較しつつ記述して置いたが、改版のこれより前の版を見た。
【改版二十一版】昭和三十年十月五日初版発行/昭和四十三年七月三十日十版発行/昭和五十四年五月三十日改版二十一版発行・¥260・235頁
 書影はAmazon詳細ページに、色合いの違う2つが示されている。
 角川文庫は昭和40年代前半に「改版」が行われ、これが平成に至るまで継続して増刷されているように、奥付の限りでは判断されるのだが、12月17日付「柳田國男『日本の昔話』の文庫本(6)」に触れた角川文庫553『日本の昔話』や、角川文庫26『斜陽』・角川文庫863『女生徒』などでこれまで度々注意して置いたように、実は昭和50年代に奥付の版次の履歴には示されていないが、写真植字による改版が行われている。
 カバー表紙の緑色は黄緑色に近い。背表紙は水色地に上部に標題、中央やや下に著者名が明朝体で入り、下部にゴシック体で「角川文庫 白」とあって、その下、最下部は分類票が貼付されており不明。カバー裏表紙は白地に下部左寄りに「[¥260]  0139-308305-946(3)」とある。カバー裏表紙折返しは12月17日付に示した角川文庫553『日本の昔話』改版三十五版に同じ。
 カバー表紙折返し、上部に「遠野物語」と題して、明朝体横組み9行(1行17字)の紹介文がある。これは改版四十六版の裏表紙中央やや下にゴシック体縦組み10行(1行14字)で入っているものと同文で、読点が「,」から「、」に変わっているのみ。下部に「野性時代」の広告、最下部右寄りに「カバー 林 勉」。(以下続稿)