瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柳田國男『遠野物語』の文庫本(25)

・角川文庫1295(改版二十一版)(2)
 改版二十一版の本体について、適宜改版四十六版と比較しつつ記述してみる。本体は全て組み直されていて、同版を用いているのは後述する間取り図と「遠野郷本書関係略図」のみである。
 1頁(頁付なし)は双郭9.8×6.3cmの扉、横組みで上部に標題、その下に著者名、下部中央に右向きで脚を揃えて翼を広げた鳳凰、その下に「角川文庫/1295」とある。改版四十六版には扉に丸ゴシック体で「――付・遠野物語拾遺――」、奥付には明朝体で「――付・遠野物語拾遺――」、カバー表紙には版画で、背表紙にはゴシック体で「付・遠野物語拾遺」という副題があるが、改版二十一版には副題はない。
 2頁(頁付なし)は左下に、縦書きで末尾に(編集部)とある編集に関する注記(5.9×1.0cm)がある。改版四十六版は同文で字配りも同じだが一回り大きな活字で、ゆったりと組まれている(6.8×1.2cm)。
 頁付は3頁の「目次」から始まる。「 初版序文    五/ 再版覚え書き   九//遠野物語    一三」までは一致、頁数は下部に半角漢数字で入っている。1行空けて「遠野物語拾遺    六九」ここの下部が改版四十六版では「編輯・鈴木棠三 七一」となっている。さらに1行空けて「 初版解説    折 口 信 夫 一九一/ 解 説     大 藤 時 彦 一九六/ 年 譜    二一四/ 索 引    二二七」とある。組み方は同じこの辺りの頁数は改版四十六版では「一九五/二〇〇/二一八/二三一」となっている。
 本文は1頁18行・1行43字、改版四十六版は1行42字になっている。
 5〜7頁「初版序文」、9〜11頁「再版覚え書き」の最後、11頁14行めの上部に「昭和十年六月」付と下部に「柳 田 国 男」と1行に入っているが、改版四十六版では11頁15〜16行めに2行に分けて、それぞれ半行分を空けて入れている。
 13頁(頁付なし)中扉で縦組みで標題「遠野物語」のみ、14〜16頁「題目」は改版四十六版は1頁18行だが改版二十一版は17行で、古い版の方がゆったり組まれている。
 一一九題の話は17〜68頁に収まる。改版四十六版は69頁までと1頁増えている。話の番号はゴシック体の半角漢数字で、1桁の数字は上下に1字分の空白、2桁は上に半角、下に全角の空白、3桁は上には空白なく下に1字分の空白で、これは改版四十六版も同じ。
 69頁(頁付なし)は「遠野物語拾遺」の中扉、70〜73頁「題目」は下部の頁数が2行になっているものがあるため、71頁は16行、72頁は17行で組まれている。これを改版四十六版はうまく18行に収めて、72〜74頁の3頁に詰めている。
 74〜190頁に二九九題、改版四十六版は75〜194頁で3頁増えている。(以下続稿)