今年見たドラマのDVD。原作本その他と比較出来れば面白かろうが、その余裕もないし、見たことも忘れてしまいそうなので、大して書くこともないのだが、ここにメモして置く。
昭和53年(1978)放映のNHK大河ドラマ「黄金の日日」。原作は城山三郎(1927.8.18〜2007.3.22)ということになっているが、Wikipedia「黄金の日日」や、日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアムのデジタル脚本アーカイブズ「市川森一の世界*1」の関係者インタビュー「近藤晋氏インタビュー*2」によると「大河ドラマ初! 原作小説を使わない『黄金の日日』」ということで、同じ設定で城山氏と脚本家の市川森一(1941.4.17〜2011.12.10)がそれぞれ執筆したものだから、所謂「原作」というものではなく、かなり市川色が打ち出されているようだ。
流石に放映時には見ていない。大河ドラマで私が記憶しているのは昭和55年(1980)放映の「獅子の時代」からである。但し全くの断片で、多分まだ見せてもらえなかったので、寝る前に少し見た場面をかろうじて記憶しただけらしい。だからどんな話なのだか、未だに知らない。今ならすぐに調べられるのだけれども。明瞭な記憶があるのは昭和56年(1981)放映の「おんな太閤記」からだが、最近物忘れがひどくなって思い出せなくなってきた。
それはともかく、図書館に全巻あったので少しずつ借りてきて全話を見た。キリスト教に対する美しい幻想、尤もらしいナレーション、丹波哲郎。昭和50年代を反映したドラマだと思った。
そして、徳川家康に服従することを良しとしない堺の町衆がルソンに集団移住して、というラストには驚愕した。ルソンに行きゃ何でも解決するのか*3。
主人公の助左には苛々した。重要な事件に主人公が都合良く立ち会ってしまうという展開は、慣れて来ると「またか」と笑う余裕も出来たけれども。以前にも書いたけれども私はどうも松本幸四郎(当時は市川染五郎)が苦手で、しかも青臭い正論を振り回すので主人公には全く感情移入出来なかったが脇役が良かった。石田三成・小西行長・高山右近、そして織田信長に豊臣秀吉・千利休は嵌っていたと思う。それから甚兵衛・吉川経家・安国寺恵瓊・石田正澄等も、もう見終えてから2ヶ月以上経っている今も、印象に残っている。
なお、日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアムのデジタル脚本アーカイブズ「市川森一の世界」では、市川氏の脚本の一部が1周忌の12月10日から来年3月31日まで限定公開されており、全話を読むことの出来る作品もある中に「黄金の日日」は第一話*4のみだが、自筆原稿(0081)と印刷されたもの(0010)とを閲覧することが出来る。
【2020年3月16日追記】題に「大河ドラマ」を追加した。
*1:【2014年6月15日追記】リンク切れになっていたので移転先のアドレスに貼り直した。なお、当初のアドレスは現在「脱毛の体験記−女性がきれいを目指す」というページのアドレスになっている。
*2:【2014年6月15日追記】リンク切れになっていたので移転先のアドレスに貼り直した。旧アドレスは「http://」の次が「nkac-ichikawa.jp/」となっていた。
*3:【2016年7月17日追記】今日放送のNHK大河ドラマ「真田丸」でも、何故か真田信繁(幸村)が豊臣秀次の娘を助左衛門に託してルソンに逃がしていた。
*4:【2014年6月15日追記】現在ページはなくなっている。「日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム」の「ニュース」及び「市川森一の世界」に、「☆「市川森一の世界」が帰ってきました!☆」とあって、この期間限定コーナーが再upされたことが告知されているが、後者にはその次に「デジタル脚本アーカイブズ 市川森一の世界が国立国会図書館で再び!」とあって、「市川森一の世界」のうちの脚本については「◇デジタル脚本アーカイブズ「市川森一の世界」/国立国会図書館のインターネット資料収集保存事業(WARP)に保存され」て、国立国会図書「館内にてデジタル化された脚本すべてを閲覧可能。/画面上だけでなく、館内で複写も可能にな」ったとのことである。国立国会図書館に行けば閲覧出来るがネットからはアクセス出来ない。ネットからは標題や出演者などが検索可能である。