瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宮尾登美子『一絃の琴』(1)

 昨日の続きで今年見たドラマのDVD。
 平成12年(2000)放映のNHK時代劇ロマン「一絃の琴」は実家で見ていた。妹役の岡本綾が死ぬ場面は覚えていたが、通して見て、本当に断片的にしか覚えていなかったことが分かった。

一絃の琴 第1巻 [DVD]

一絃の琴 第1巻 [DVD]

一絃の琴 第2巻 [DVD]

一絃の琴 第2巻 [DVD]

一絃の琴 第3巻 [DVD]

一絃の琴 第3巻 [DVD]

一絃の琴 第4巻 [DVD]

一絃の琴 第4巻 [DVD]

一絃の琴 第5巻 [DVD]

一絃の琴 第5巻 [DVD]

一絃の琴 DVD-BOX

一絃の琴 DVD-BOX

 夫役の生瀬勝久榎木孝明も若い。
 原作は宮尾登美子直木賞受賞作だが読んでいない。ドラマは名作だと思った。
 江戸時代やヨーロッパ近代を理想化する見方がある。当時の、ごく一部の中流階層に自分が入っていることを前提としないとそんなことは言っていられないはずなのだ。現在の総理大臣が以前総理大臣だった頃、当時は「日本を、取り戻す」とは言っていなかったと思うが、国文学界には追い風なんじゃないか、などと楽天的なことを言う人がちらほらいた。民主党政権でなくなって、総理になる人が「本来の日本の姿」を「取り戻す」と言っているので、また同じようなことを言う人が、私の周囲にも、いる。けれども当時、先輩が「彼らの“美しい国・日本”は一部を極端に美化し理想化した幻想に過ぎないのだから、我々に実態を実証的に研究されると彼らは困るのだ。だから追い風などにはならない」と言っていたことを思い出した。私も江戸時代の俗文藝なぞを専攻したものだから、昔の日本人が立派だったとかそんなことは思っていないので、「立派な人も、いた。」ということでしかないのに「日本人」全体がそうであって他国の人間とは違うなどという議論には全く同調出来なかったが、そうでなくてもまともな就職など思いも寄らなかったので、当時某機関の助手で現在は大学の准教授のその先輩は、いろいろと風を感じる立場にあったのでこういう発言になったのだろうけれども、私はというとそもそも「追い風」も「逆風」も全く感じることなく、今も過ごしているのである。しかしこういう幻想を本気で信じ込んで、Youtubeなどに英語で書込みをして果ては罵り合いまでしている努力家もいる(ちょっとした国際紛争?)し、KoreaやChinaの愛国教育に比して日本はそういう教育が足りない、と慨嘆している人がいるが、あっちの愛国教育の真似をする必要はないので、あっちに嘘や誇張・隠蔽があるなら、そこのところを止めさせれば良いのだ。……私は、別にどちらも止めようと行動しようとは思わないのだけれども。
 第五巻には特典映像(09:23)として、「オフショット 一絃の琴」として海岸での撮影風景と、高知城での主役田中美里と母親役竹下景子のコメントその他の間に、平成12年(2000)5月1日放送「スタジオパークからこんにちは」の一部(01:27〜07:35)が挟まる。