瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『吾輩は猫である』の文庫本(05)

・角川文庫109(4)
・昭和五十六年四月二十日改版四十五版発行
 520頁。これまで紹介した改版六十二版以降の578頁のものとは版が異なる。
 カバー背表紙、地色は淡い鶯色(褪色)、明朝体で上部に標題、中央やや下に著者名、下部にゴシック体で「角川文庫」その下は分類票貼付で見えず、最下部に「380」。
 カバー裏表紙、白地で左下にゴシック体横組みで「定価380円  0193-100101-0946(2)」。
 カバー裏表紙折返し、2012年8月20日付「夏目漱石『それから』の文庫本(4)」で見た角川文庫321『それから』改版二十三版(昭和五十六年十一月十日発行)に同じ。
 カバー表紙折返し、横組みで上部に「吾輩は猫である」と題して明朝体9行(1行17字)の紹介文、2012年4月9日付(03)で見た、改版六十二版の明朝体横組み9行(1行16字)の紹介文との異同だが、2行目、「奔放」に改版六十二版には振仮名「ほんぽう」が附され、また、句点と中黒点が全角から半角に変わっている。4〜5行め「高か/らしめた」→5行め「たかめた」、5行め「苦沙弥」に改版六十二版に振仮名「くしゃみ」、8行め「爽快」に改版六十二版に振仮名「そうかい」、下部に「野性時代」の広告で改版六十二版のものとは異なる。これもきちんと整理して置くべきか。最下部右寄りに「カバー 栃折久美子」。
 1頁(頁付なし)扉、3頁「目次」には2012年4月9日付(03)で注意した改版六十二版と同じく「年譜」がないが、これは本当にないのである。すなわち、改版六十二版の方は「年譜」を増補したのに以前の版の「目次」をそのまま踏襲して、折角増補した「年譜」を示し忘れているのである。5〜8頁(頁付なし)の挿図は寸法が違うがキャプションは改版六十二版・改版百十版などと同じ。9頁(頁付なし)は中扉で標題、10〜472頁本文、1頁19行、1行44字。473〜493頁「注釈」、上部に半角漢数字で頁を示し、改版六十二版は「 一一*一樹の影 「一樹の下に……」と語句を示すが、改版四十五版では「 一一  1 「一樹の下に……」となっていて、注番号を示す(最大で4まで)が説明のみで語句を示さない。1頁21行、改版四十五版は1行50字分、改版六十二版は1行49字分。ともに273項目である(細かい比較はしていない)。494〜501頁「解説」末尾に「山本健吉」とあるのも改版六十二版・改版八十五版・改版百十版に同じ。502〜519頁「『吾輩は猫である』文献抄」の内容も改版六十二版・改版八十五版・改版百十版に同じ。520頁が最後の頁で「夏目漱石」と題して略伝11行(1行50字)、内容は改版六十二版・改版百十版の578頁にあるもの行数字数とも同じだが、改版四十五版は本字歴史的仮名遣いである。但し促音は「っ」となっている。仮名遣いや漢字の新旧以外の異同は、3行め「第一高等學校」→「第一高等中学校」、3〜4行め「二十六年帝國大學英文科を卒業、松/山中學校、第五高等學校に奉職し、」→「二十六年帝国大学英文科を卒業、/東京高師、松山中学校、第五高等学校に奉職し、」、11行め「「心」」→「「こゝろ」」。
 奥付には匡郭外に文字なし、「電話東京二六五―七一一一(大代表)」改版六十二版は編集部と営業部の番号が示され9桁。「〒一〇二 振替東京③一九五二〇八」改版六十二版は空白が全角、「印刷所――」改版四十五版「都印刷」改版六十二版・改版八十五版・改版百十版「旭印刷」、「製本所――」改版四十五版「本間製本」改版六十二版「大谷製本」改版八十五版「千曲堂」改版百十版「BBC」、最後の行、改版六十二版は「Printed in Japan」のみだが改版四十五版には続けて「 0193-100101-00946(2)」とある。改版六十二版は匡郭下辺の下、左に「な 1-1」、右に「ISBN4-04-100101-3 C0193」とある。裏は「角川文庫発刊に際して」。
 「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1980年9月」の(2)〜(6)頁、3段組、1段に21点、(2)頁上段の15点はカバー裏表紙折返しの15点に同じ、その次に「漱石の思い出」、最後の頁は「角川文庫 最新刊」で9点、それぞれ2行(1行26字)の紹介文、最下部に定価。(以下続稿)