瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

樋口一葉『たけくらべ』の文庫本(2)

岩波文庫31-025-1(2)
 現行の版は1頁14行、1行39字。7〜45頁「にごりえ」、49〜105頁「たけくらべ」、章番号は明朝体で2行取り7字下げ。冒頭「一」の前のみそれぞれ2行空白。
 107〜122頁「注」の担当者は「目次」に「解説」とともに(菅聡子)と入っている。1頁17行、1行41.5字。作品ごとに2行取り3.5字下げの章番号ごとに、上部に半角ゴシック体漢数字で「頁」が示され、ついで語句――説明、というパターンで一番短いものを挙げると「 二一 水菓子屋――果物屋。」の如くである。
 123〜140頁「解説」は最後に「一九九九年二月/菅 聡子」とある。1頁15行、1行39字。137頁は「吉原遊郭概略図/『吉原細見記』(明治27年,編集・発行:廣瀬源之助,三盛堂)より作成.」。底本については140頁5〜8行め、最後の段落に次のようにある。

 本書に収録された『にごりえ』『たけくらべ』の本文は、それぞれ「文芸倶楽部」第/一巻第九編(明28・9)「文芸倶楽部」第二巻第五編(明29・4)掲載本文を底本とし、明/らかに誤りと思われるものについては、他本ならびに真筆版『たけくらべ(樋口邦子編、博文館、大7)を参照して適宜あらためた。


 真筆版は創刊時の底本であるが「他本」とは何なのか。
 本文については続く141頁に〔編集付記〕として、

 本書は新字体を採用したが、仮名づかいは底本どおりとした。底本はいわゆる総ルビであるが、取/捨選択を加えて整理を行ない、現代仮名づかいにあらためた。/(岩波文庫編集部)

とある。頁付があるのはここまでで、その裏は白紙(すなわち2・4・6・46・48・106・142頁が白紙)。奥付、「読書子に寄す」があって目録類はない。
 カバー背表紙「にごりえたけくらべ 樋口一葉」下部緑帯のところに「緑二五-一   岩波文庫」その下に定価が数字で入っているようだが分類票貼付のため読めない*1
 カバー表紙折返し、上部に縦組みで「にごりえたけくらべ」と題して明朝体6行(1行20字)の紹介文、右下に小さく「カバー=中野達彦/カバー画=鏑木清方たけくらべの美登利)/(『苦楽』表紙、一九四八)」とあるが、2行めの括弧は不統一、3行めは下寄せで漢数字は半角。
 ちなみに標題であるが、創刊時には「・」はなかった。1頁(頁付なし)扉には「岩波文庫/30-025-1/にごりえたけくらべ樋口一葉作」岩波の壺印「岩波書店」分類番号と版元名には下線がある。
 カバー裏表紙折返し、「図書」の広告で「年間購読料800円」*2
 カバー裏表紙、左上にバーコード2つ、右上にISBNコード/Cコードに「\360E定価(本体360円+税)」、中央に「岩波」の壺印*3

*1:8月30日追記】今日見た第12刷も同様で分からなかった。【12月24日追記】第17刷を見るに数字はない。【2015年2月11日追記】私の見た第3刷も分類票貼付のため分からなかった。

*2:8月30日追記】第12刷は「年間購読料=1000円(税・送料込)」。「図書」の広告も3種は確認しているので、まとめてメモして置くつもり。【12月24日追記】第17刷も「年間購読料=1000円(税・送料込)」。【2015年2月11日追記】第3刷も「年間購読料=1000円(税・送料込)」。

*3:8月30日追記】第12刷は「360」が「400」に変わっているのみ。【12月24日追記】第17刷も「400」。【2015年2月11日追記】第3刷は第1刷改版に同じ。