瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『草枕』の文庫本(4)

・角川文庫722『草枕二百十日』(4)
 本体について、280頁の改版三十版と、270頁の改版三十八版を比較してみる。
 1頁(頁付なし)扉は同じ。
 2頁(頁付なし)改版三十版は左下に「本書は著者ならびに著作権継承者の了解を得て、現代表/記法により、原文を新字・新かなづかいにしたほか、漢/字の一部をひらかなに改めた。      (編集部)」とある。2012年3月25日付「太宰治『人間失格』の文庫本(01)」及び2012年10月17日付「太宰治『人間失格』の文庫本(14)」で見た角川文庫28『人間失格・桜桃』改版三十二版・改版五十四版、2012年9月4日付「太宰治『晩年』の文庫本(1)」で見た角川文庫706『晩年』改版二十八版・改版三十三版、2012年10月3日付「夏目鏡子『漱石の思ひ出』(3)]」の11月15日付追記で見た角川文庫740『漱石の思い出』改版二十一版、2012年10月15日付「太宰治『女生徒』の文庫本(4)」で見た角川文庫863『女生徒』改版二十六版の同じ位置の断り書と比較するに、本書にのみ「著者ならびに」とあるのだが、本書でも「著者……の了解」は得ようがないだろう。改版三十八版には何も印刷されていない。
 3頁「目次」、組み直されており内容が違う。収録作の次に少し離して1字下げで4行め「注釈」があるのは同じだが、次いで改版三十版は「解説」としてさらに1字下げにして荒正人夏目漱石―人と作品」と唐木順三「作品解説」そして夏目漱石「「草枕」「二百十日」について」が並ぶが、改版三十八版は漱石の文がなくなっている。改版三十版には「解説」の次に9行め「主要参考文献」と10行め「年譜」があるが、改版三十八版は8行め「年譜」のみである。
 5頁(頁付なし)「草枕」の中扉。6頁から本文。章番号はゴシック体半角漢数字、7字下げ2行取り、「」の前のみ1行空白。1頁18行、改版三十版は1行43字、150頁(12行め)まで。改版三十八版は1行42字、154頁(3行め)まで。
 「二百十日」の中扉(頁付なし)は改版三十版151頁、改版三十八版155頁、その裏から本文。改版三十版は221頁(18行め)まで、改版三十八版は226頁(13行め)まで。(以下続稿)