瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

森鴎外『ヰタ・セクスアリス』の文庫本(2)

新潮文庫83(2)
 これまで私が見たもののうちでは早い時期の、五十刷と六十刷と六十四刷を並べて見た。
 カバー表紙は同じ。
 カバー表紙折返し、右下に縦組みで「カバー 川田 幹」とあるのは2012年2月29日付(1)に既述だが、五十刷と六十刷は残りは余白だが、六十四刷は「新潮日本文学アルバム〈全36巻/別巻4〉」の『森 鴎外』の広告。
 カバー背表紙、五十刷は黄緑色、六十刷は青みがかり、六十四刷はくすんでいる。上部の標題、中央やや下の著者名は同じ、下部は分類票貼付のため一部確認出来ないが五十刷は「新潮」とあって最下部に「140」、六十刷は同じ高さに「新潮文庫」とあってその下に明朝体で「〔草〕」とあるが以下が見えない。六十四刷は形式が変わって白く抜いて[も 1 3新潮文庫 200*1とある。
 カバー表紙折返し、六十刷は切除されているが、五十刷と六十四刷は完全で、一致している。すなわち上部にゴシック体横組みで「〜〜〜新潮文庫〜〜〜/森 鴎外の作品」とあって半行分空けて「雁/青       年/ヰタ・セクスアリス阿部一族舞姫山椒大夫高瀬舟」とあり、最下部左寄りに明朝体で小さく「カバー印刷 錦明印刷」とある。
 カバー裏表紙、五十刷は中央に葡萄のマーク、現行のものより一回り大きく、実は10粒で黒くそれぞれ左上に小さく光沢。最下部左寄りにゴシック体で小さく「0193-102003-3162」、右寄りに「¥ 140」とある。紹介文の類はない。六十刷と六十四刷は右上に横組み明朝体11行(1行16字)の紹介文、その上下(間隔6.6cm)に9.3cmの横線がある。六十刷はその下中央に葡萄のマーク、現行のものとほぼ同じ大きさで実は13粒で白く光る、最下部にISBNコードとCコードに「\160E 定価160円」が1行、六十四刷は中央の横線のすぐ下にISBNコードとCコードに「\200E 定価200円」が1行に入り、そのすぐ下・中央に葡萄マーク。
 本体は同じ。「文字づかいについて」の裏が奥付、目録類なし。
 奥付、五十刷は古い形式で2011年3月15日付「田中英光『オリムポスの果實』(04)」で見た新潮文庫239『オリンポスの果実』三十九刷(昭和五十三年五月三十日)と同じレイアウト、上部に「工」字型があってその左のスペースに「新潮」印、右のスペースに横組みで上部に標題、下部に「定 価140円」、この型の下すぐに横組みで「新潮文庫 草20C」とある。その下は縦組みで、右に初版の「発行」日と「二十七刷改版」の発行日に「五十刷」の発行日、次いで「著 者」*2、「発行者」、「発行所」郵便番号3桁、「電話〈業務部(〇三)(二六六)五一一一/編集部(〇三)(二六六)五四二一〉」、「振替東京四―八〇八番」、2行分空けて「乱丁・落丁本は、ご面倒ですが小社通信係宛ご送付/ください。送料小社負担にてお取替えいたします。」とある。これらの下に太い横線があり、その下は横組み中央寄せで「○ 印刷・東洋印刷株式会社 製本・有限会社加藤新栄社/© Shinchôsha 1949  Printed in Japan」○の中は「東」。
 六十刷と六十四刷は現行の形式で、上部に2本の横線に挟まれて標題、その下、左寄りに「新潮文庫」右寄りに六十刷「草20=3」六十四刷「も−1−3」中央に葡萄マーク、以上横組み、縦組みの部分、電話番号は五十刷に同じだが「(〇三)二六六―五一一一」の如くになっている。振替番号と乱丁・落丁本送付についての断り書は一致するが、その間に「定価はカバーに表示してあります。」の1行があって前後に1行分の空白。下部、2本の横線に挟まれた間に2行、1行めは印刷と製本で六十四刷は○に「東」がなくなっている。2行めは六十四刷は「Printed in Japan」のみになっている。六十刷は五十刷に一致。その下にISBNコードとCコード、これはカバー裏表紙にあるものと一致。(以下続稿)

*1:「3」は見えず、他からの類推。

*2:ルビ「もり おう がい」。