瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

國木田獨歩『武藏野』の文庫本(1)

新潮文庫60
①昭和二十四年五月二十日発行
②昭和四十二年十月十五日三十六刷改版(226頁)
・昭和五十一年四月一日発行 高校図書館用
・昭和五十五年四月二十五日五十九刷 定価200円
・昭和六十一年三月二十日七十一刷 定価240円*1
・平成三年六月五日八十刷 定価388円*2
③平成五年三月十日八十二刷改版(309頁)
・平成六年四月十五日八十三刷 定価427円*3
・平成九年五月三十日八十五刷 定価438円*4
・平成十四年七月十五日八十八刷 定価438円
・平成十五年八月二十日八十九刷 定価438円*5
・平成十七年十一月十五日九十一刷 定価438円*6
・平成二十年四月二十五日九十二刷 定価438円

武蔵野 (新潮文庫)

武蔵野 (新潮文庫)

④平成二十四年五月二十五日九十四刷改版(344頁)定価520円
 ④は改装されているが、今のところ②③の書影が示されている*7。①は未見。
 Amazonの書影がいつ切り替わるか分からないので、②③のカバー表紙について記述して置くと、下半分に水彩で、淡い緑と茶色の混じった秋草の原が広がり、左に葉の落ちた木立、そして遠景にこんもりした森とそれに寄りそうような4軒ばかりの藁葺き農家。上半分の空は無地で、横組み明朝体で最上部左寄りに大きく「武 蔵 野」、その下にやや右寄りで「国木田独歩」、最下部に紛れるように「新潮文庫」とある。
 カバー背表紙は白地で上部に標題、中央やや下に著者名があるのは②③④共通、下部が違っていて、私が今までに見た②は「新潮文庫〔草〕三五A」とある。〔草〕は横並びで明朝体。五十九刷には最下部に「200」と定価が入る。
 ③と④は角切の長方形の枠に[く 1 1]新潮文庫」とあって最下部、今まで私の見た③には「\438」、④には「520」とある。
 裏表紙、右上に横組み明朝体11行(1行16字)の紹介文がある。1〜2行め、②には

浪漫主義と抒情に出発した初期の名/作17編を収録した独歩の第一短編集。/

とある*8。この「17編」が③④では「18編」になっている他は同文。
 ここで②の高校図書館用に触れて置く。これは高等学校の図書室にあったハードカバーの文庫本、非売品で新潮社が寄贈したものである。この辺りの事情*9はネットで検索してもヒットしない。社史などを見れば出ているであろうか。昭和末の私の高校にもあって、もし売り物だったら欲しいと思ったものである。今や本文の用紙はかなり茶色くなっており、高校の図書室にそのまま保存されていても、綺麗な本に慣れている今時の若者が手にするかどうか。選択されている書目にも古さは否めないだろう。と云って、本書以外にどんな本があったのか確認し切れていないが。或いは、少子化による高等学校の統合などもあって、廃棄処分なども進んでいるのではあるまいか。出来れば同窓会の折にでも抽選もしくは希望を募っての記念品として放出して、私どもの青春時代の思い出を偲ぶよすがともさせて欲しい。尤も、私は高校時代には図書室には入り浸っていたけれども、このブログの最初の記事の2011年1月1日付「森鴎外『雁』の年齢など」の冒頭にも書いたように、近現代文学の名作は読まないと決めていたので、こういうものがあることはもちろん知っていたが、借りて帰って読んだりしたことはなかった。(以下続稿)

*1:2017年3月2日追加。

*2:2018年5月8日追加。

*3:5月11日追加。

*4:2014年4月26日追加。

*5:5月24日追加。

*6:4月14日追加。

*7:10月14日追記】今日久し振りに見るに、④の書影に変わっていた。それを見越してこの位置に書影を貼ったのであったが。しかし②③の書影も別に示してもらえないだろうか。画像検索するといくつかヒットする。

*8:2017年3月15日追記】②七十一刷により、「を」と「と」と誤入力していたのを訂正した。

*9:希望の高校に寄贈したのか、それとも例えば県単位で一括して寄贈したのか、等。