瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

常光徹『学校の怪談』(002)

講談社文庫『学校の怪談』(1)
 常光徹学校の怪談』は、講談社KK文庫のシリーズが出ていた頃は、反撥もあったし、何よりも爆発的な人気で図書館の棚ではまず目にしなかったので、リアルタイムでは読んでいない。それで、平成22年(2010)の年末から23年(2011)の年初に、まず講談社文庫に入ったものを通読した。この講談社文庫版については、2011年2月4日付「蓋にくっついた話(1)」で触れたが、当時は書影を示さなかったので、今補って置きたい。

学校の怪談 K峠のうわさ (講談社文庫)

学校の怪談 K峠のうわさ (講談社文庫)

学校の怪談 百円のビデオ (講談社文庫)

学校の怪談 百円のビデオ (講談社文庫)

 さて、私はブームになって映画が連作されていた頃から、いづれ反論したいと思っていたのだが、今ならブログ等いくらも方法はあるけれども、当時はそのような発言をする場もなかったので何となくそのままにしているうち、あれよあれよと言う間に時は流れ、それでも随分経ってしまったが次の本が刊行されたので、もう私が反論することもなくなった、と思ったものだった。
一柳廣孝 編著『「学校の怪談」はささやく』2005年9月14日第1刷・定価1600円・青弓社・249+資料xix頁・四六判並製本 
「学校の怪談」はささやく

「学校の怪談」はささやく

 民俗学を少し囓った程度の私も「これは……」と疑問に思ったのだから、当然、民俗学者の間でも早くに批判はあったのだろう。私が民俗学者に縁がなかったので知らなかっただけのことで。いや、入ろうと思えば私だって民俗学関係の会には入れたろうが、入りたいと思わなかったので。
 それから、2月21日付「七人坊主(38)」で、『学校の怪談』と対比して取り上げた小池壮彦だが、小池氏が実証的な調査を行った理由が常光氏の『学校の怪談』への反撥にあることが、次の雑誌に見えていた。
・「幻想文学」第60号(2001年3月10日発行・定価1500円・アトリエOCTA・207頁)
幻想文学 (60)

幻想文学 (60)

 詳細は次回触れることにするが、かつての私が常光氏の仕事に感じていた不満を解消するものが小池氏にあるように感じたのも、無理からぬことであった。別冊宝島415「現代怪奇解体新書」に確か、小池氏が「怪談史研究会」を主宰、と書いてあって、そんな会があるなら入りたい、と思ったものである。それで、ネットで検索してみたのだがそんな会の情報は全くヒットしなかった。今の小池氏のオカルトぶりと陰謀論にはとても付いていけないのだけれども。(以下続稿)