瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

鳥山喜一『黄河の水』の文庫本(3)

・角川文庫155(3)
 その後、改版二十二版と、Amazon詳細ページの書影と同じカバーの掛かった改版三十二版を見た。
【改版二十二版】昭和四十七年十月十日改版初版発行・昭和六十一年四月十日改版二十二版発行・定価300円・198+索引12頁
【改版三十二版】昭和四十七年十月十日改版初版発行・平成三年六月十日改版三十二版発行・定価417円・203+索引12頁
【改版三十七版】昭和四十七年十月十日改版初版発行・平成二十年十月二十日改版三十七版発行・定価438円・203+索引12頁*1
 改版二十二版は改版八版と同じ頁数、改版三十二版は頁数が違っている。すなわち、この間に改版があったのだが、既に指摘したように、この、角川文庫の昭和末年〜平成初年頃に行われた活版から写真植字への改版は、何故か奥付に記録されていないのである。改版三十二版の本文は1頁16行、1行42字で、行数は改版八版(及び改版二十二版)に同じだが、印字面が11.9×7.6cmだったのが12.1×8.0cmに拡がって、随分ゆったり組まれているように見える。
 改版二十二版のカバーについて、改版八版との異同は3月22日付(1)に追記として記述して置いた。
 改版三十二版のカバー表紙は3月22日付(1)に示した書影で、背表紙は藤色地で上部に「|6-1 中国小史黄河の水」標題は秀英初号明朝、「と」はゴシック体、中央やや下に秀英初号明朝で著者名、下部にゴシック体で「角川文庫●430」●に白抜きで「P」。
 改版三十二版のカバー裏表紙、左上にバーコード2つ、右上の1行めISBNコード(10桁)は改版二十二版に同じ、2行めは「C0122 P430E 定価430円」定価のすぐ下に「(本体417円)」とある。中央にゴシック体縦組み11行(1行14字)の紹介文は、改版八版(及び改版二十二版)の表紙折返し上部に横組み明朝体9行(1行17字)で入っていたものを改訂したものである。改版八版は冒頭1字下げで「 本書は古い伝説時代から最近の中華/人民共和国の成立に……」となっていたのが改版三十二版は1字下げをせず「この作品は、古い伝説時代から/中華人民共和国の成立に……」と改められている。以下異同を指摘して置くと6行め「/じて少年層から……」が7行め「/じて若年層から……」、末尾の7〜9行め「……、その記述をきわめて平/易な表現にしたのも一つの特色で、索/引を付した懇切な書である。」が、8〜11行め「……、その記述/をきわめて平易な表現にしたの/も一つの特色。巻末に懇切な索引を付した。」となっており新たに振仮名「へいい」と「こんせつ」が附されている。
 改版三十二版のカバー表紙折返しは上部に縦組みで「●鳥山喜一(とりやま きいち)」と題して明朝体で5行(1行25字)の紹介文。下部右寄りにゴシック体横組みで「カバー 鈴木一誌」。カバー裏表紙折返しは改版八版(及び改版二十二版)に同じ。
 本体の異同としては、1頁(頁付なし)扉が改訂十二版と改版八版が四周双辺(10.0×6.4cm)だったのが、改版二十二版は四周単辺(11.6×7.5cm)で上部に子持枠(4.5×4.8cm)、改版三十二版は四周単辺(11.6×7.6cm)で上部に子持枠(4.5×4.9cm)となっている。文字は横組みで、改訂十二版は上部に「改訂版/〈支那/小史〉黄河の水/鳥山喜一」とあり、下部に翼を広げた右向きの鳳凰があって「角川文庫/155」と全て明朝体。改版八版は3月24日付(2)で述べたように角書が〈中国/小史〉となっている他は同じ。改版二十二版と改版三十二版では子持枠に丸ゴシック体で小さく「改訂版」、次に明朝体で「中国小史黄河の水」その下に小さく「鳥山喜一」、下部に左を向いて翼と脚を広げ羽を銜えた鳳凰、すぐ下に「角川文庫 155」漢字は丸ゴシック体。(以下続稿)

*1:2017年1月16日追加。