瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

新潮文庫『小泉八雲集』(8)

 今手許に二十一刷・二十四刷・二十五刷がある。本体は奥付のそれぞれの発行日と、奥付の前に8頁ある目録のうち「新潮文庫最新刊」3頁が違うのみ。そこでカバーの違いについてメモして置く。2012年2月16日付(1)に二十一刷のカバー表紙、背表紙、裏表紙折返しについて、2012年11月26日付(7)に二十五刷のカバーについて、四十六刷と五十六刷改版と比較しつつ記述して置いた。二十四刷のカバーは裏表紙折返しの他はこの二十五刷のカバーに同じ。二十四刷の裏表紙折返しは3月26日付「「新潮社の辞典!」の広告(2)」に、二十五刷の裏表紙折返しは4月27日付「「新潮社の辞典!」の広告(5)」に記述した。二十一刷の表紙折返しは2012年2月17日付(2)にメモしたが不完全であった。横組みで、上部に長さ4.5cm幅0.2cmの赤線があり、その下に「青春アニメ全集原作シリーズ」とゴシック体であるのだが、一際大きい「」と「」に挟まれて「春アニメ全集原作シリーズ」とある。その下に11.1×4.5cmの赤い単郭があってその中に明朝体太字で16題と著者名が並ぶ。最後にゴシック体で「以下続刊」とある。「以下続刊」の行も含め、もう5題入る。そして右下に縦組みゴシック体で1行「日本アニメーション/NTV」とある。
 カバー背表紙、二十一刷は「怪 談 <小泉八雲集>改題」とある(「改題」はさらに一回り小さい)が二十四刷・二十五刷は「小泉八雲集」である。中央やや下、二十一刷は「上田和夫訳」、二十四刷・二十五刷は「小泉八雲」であるが「上田和夫訳」のままで良かったのではないか。下部、2.0×0.5cmの角切長方形の枠に[こ 1 1]とあるのは一致、その下に二十四刷・二十五刷はゴシック体で「新潮文庫 440」とある。二十一刷は横長長方形の小さい枠に横組みゴシック体で小さく「新潮/文庫」とあり、その下に2桁の数字、その下に「―1 ―」そして最下部にゴシック体で「440」とある。2桁の数字の下1桁は「4」だが上1桁の上部が曲線であるのは分かる(従って2・3・8・9が候補となる)が、下部が上に貼付された図書館の分類票に太ペンで書かれた文字と重なっているために読み得ない。
 カバー裏表紙のレイアウトは同じで、右上に明朝体横組み11行の紹介文があり、その上下に9.4cmの横線があり、下(中央)の横線の下にある1行「ISBN4-10-109401-2 C0193 \440E 定価440円」とその下の葡萄マークは一致。紹介文が二十一刷と二十四刷・二十五刷と違っている。二十一刷は「琵琶の名手であった貧しい盲目の若/者芳一が、壇ノ浦で滅び去った平家/一門の霊に招かれてその物語を弾き/がたる「耳なし芳一のはなし」で有/名な『怪談』や『影』『霊の日本にて』/など。……」と始まるが、二十四刷・二十五刷にはこのような紹介はなく「日常の生活、風俗習慣から、民話、/伝説にいたるまで、近代国家への途/上にある日本の忘れられた側面を掘/り起して、古い、美しい、霊的なも/のを求めつづけた小泉八雲(ラフカ/ディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰/化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力/と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広/く世界に紹介した。本書には、「影」/「骨董」「怪談」などの作品集より、/代表作を新編集、新訳で収録した。」となっている。二十一刷の後半は「……。新聞記者として来日し、日本/に帰化して、その鋭い洞察力で日本/人には忘れられてしまった、古い、/美しい、霊的なものを掘り起し、広/く世界に紹介した小泉八雲(ラフカ/ディオ・ハーン)の代表作を収める。」となっていた。二十四刷・二十五刷が「新編集、新訳で」と強調しているのは、少々解せない。いや、以下五十六刷改版に至るまで同文なのである。昭和のうちならともかく、平成に入って後のでも改めず、いや、2012年2月23日付(6)までに指摘したように、平成6年(1994)6月に改版されたでは訳文に手を入れているので、良いとしても、この改版から18年、「新編集」の昭和50年(1975)3月の初刊からは37年を経た平成24年(2012)3月の五十六刷改版までこれをそのままにしているのは、そろそろ読者を欺くことになるのではないか。