瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中勘助『銀の匙』の文庫本(07)

岩波文庫31-051-1(2)
 2012年2月24日付(1)の続き。
 ②第76刷の帯について記述するつもりだったが、そのままになっていた。これはまた後日補うことにして、その前にカバーの異なる②第107刷を見たので、カバー及び本体の奥付より後を、②第76刷と比較して置く。
 ②第107刷は、岩波文庫の通常のカバーではない*1。画像検索してみるといくつかヒットする。淡い緑の柄の上部に4.7×6.5cmのクリーム色の長方形に、3.5×5.2cmの子持枠があって横組み明朝体太字で上部に「銀の匙」下部に「中 勘助作」その間に赤い植物か何かを象った紋がある*2。右側は幅1.0cm橙色地で上部にゴシック体で「岩波文庫 緑五一-一」漢数字は半角。
 カバー背表紙は上部に「銀 の 匙 中 勘助作」下部の緑帯にゴシック体で第76刷は「緑五一-一   岩波文庫  350」第107刷は定価の数字がなくなっている(ようだ*3)。
 カバー表紙折返しに縦組みで紹介文がある。ゴシック体で「銀 の 匙」と題して、以下明朝体で6行、1行20字。

古い玩具に混って大切にとっておかれた銀の/匙。少年時代の思い出を自伝風に綴ったこの/作品には、大人が追想した子どもの世界では/なく、子ども自身の感情世界が、子どもが感/じ、体験したままに素直に描き出されている。/漱石が未曾有の秀作として絶讃した名作。


 ②第76刷の表紙にあったものを書き換えたものである。右下に明朝体縦組みで小さく「カバー=矢崎芳則」とある。
 カバー裏表紙折返しは雑誌「図書」年刊購読料800円。カバー裏表紙、左上にバーコード2つ、上は「9784003105115」下は「1920193004007」、右上は1行め「ISBN4-00-310511-7」これは②第76刷に同じ、2行めCコードに「\400E」、3行め「定価(本体400円+税)」、中央に「岩波」の壺印。
 奥付は下部に太い線が2本、上の線の上、左寄せに②第76刷は小さく「銀 の 匙」、第107刷は大きく「銀 の 匙*4」、太線の下に第1刷と第37刷改版とそれぞれの刷の発行日、第76刷は左寄せで「第37刷改版発行」に「©」が附されているが、第107刷は中央にあって「第1刷発行」に「©」が附されている。次に第76刷は右寄せで「定価350円」とあるが第107刷には、定価はない。ついで「作 者 中 勘助*5」以下、第76刷は右寄せ、第107刷は左寄せ。発行者は「緑川 亨」から「安江良介」、は第76刷は「発行所 〈株式/会社〉岩波書店」の上に「〒101」に住所、下に「電話 03-264-4111/振替 東京6-26240」。第107刷は「発行所 株式会社 岩波書店」の下に「〒101-02」に住所。「電話」は「作者」などと同じ扱いで「案内」と「営業部」、「案内」の下に「文庫編集部」の10桁の番号、第76刷の番号は市外局番の次に「5」が入って営業部の番号に示されている。下の太線の上、第76刷(右寄せ、中黒点半角)と第107刷(左寄せ、中黒点全角)と同じ。太線の下、第76刷は「落丁本・乱丁本はお取替いたします  Printed in Japan」、その下に右寄せでISBNコード*6。第107刷は発行日や文庫編集部と同じ位置からISBNコード、その右(右寄せ)に「Printed in Japan」。
 奥付の裏の「読書子に寄す」は同版か*7
 ついで目録、3段の表形式で第76刷は1段に17点、「'87,7現在在庫 B-1(〜3、A-1〜3、G-1〜2、D-1〜2)」、BGDには小口側に、Aはノド側の下寄せに「★印の書目には、文庫版のほかに活字の大きい特装版〔四六判、上製・カバー〕もあります」括弧は半角。第107刷は1段に16点、「'97,1.現在在庫 B-1(〜4、A-1〜3、C-1〜2、G-1)」、B-2・4・A・Gの小口、C-1〜2のノドに「☆印の書目には、文庫版のほかに活字の大きいワイド版〔B6判、並製・カバー〕もあります」括弧は半角。最後に第107刷「岩波文庫の最新刊」の「1997.3.」、第76刷は1頁に5点ずつ「岩波文庫創刊60年記念新刊10点」2頁で「1987.7.」*8。(以下続稿)

*1:2015年2月25日追記】同じ表紙のカバーについては、その後②第103刷について2013年8月1日付(08)に記述した。さらに②第98刷について追記している。

*2:2015年2月25日追記】この題簽風の長方形は、右下隅が長辺2.0cm短辺1.4cmの二等辺三角形にめくれて裏の白地が出ているデザインになっていることをメモし忘れていた。

*3:分類票貼付のためはっきり見えない。

*4:ルビ「ぎん さじ」。

*5:ルビ「なか かんすけ」。

*6:9月5日追記】第68刷の奥付は第76刷の奥付にほぼ同じで、異同はそれぞれの発行日と、右下のISBNコードのないこと。

*7:9月5日追記】第68刷と第76刷・第103刷・第107刷は同版。

*8:9月5日追記】第68刷は3段の表形式・1段に17点の「'86,5 現在在庫 B-1(〜3、A-1〜2、G-1〜2、C-1〜3)」BGCの小口側、Aのノド側の下寄せに「★印の書目には、文庫版のほかに活字の大きい特装版〔四六判、上製・カバー〕もあります」括弧は半角。最後は「岩波文庫の最新刊」の「1986.9.」。