瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

與謝野晶子『ミだれ髪』(1)

 「ミだれ髪」としたけれどもこの「ミ」は片仮名のつもりではないので、普通は「みだれ髪」としている。けれども、それでは何となく雰囲気が出ないような気がして、藤島武二の装画に似せて「ミだれ髪」としてみた。深い意味や主張はない。初版本1頁の内題は「みだれ髪」である。

・角川文庫1231『みだれ髪 附みだれ髪拾遺
【改版三十版】昭和三十一年十二月十日初版発行・昭和四十四年五月十日二十四版発行・平成元年八月十日改版三十版発行・定価262円・144頁
【改版四十二版】昭和三十一年十二月十日初版発行・昭和四十四年五月十日二十四版発行・平成十一年五月二十日改版四十二版発行・定価340円・144頁
 カバー表紙は同じ、初版本の装画が飾り枠内の左側に使用されている。なお、改版四十二版は飾り枠の右辺のみ桃色に見えるが褪色か。
 カバー背表紙、改版三十版は淡い朱色地で上部に「|1-4 みだれ髪附みだれ髪拾遺」とあり中央やや下に「與謝野晶子 20-10」表題と著者名は秀英初号明朝、下部に「角川文庫 270」。改版四十二版はごく淡い肌色地(褪色か)で上部に「QRコード||1-4| Y340|與謝野晶子 みだれ髪附みだれ髪拾遺」表題のみ明朝体、下部に「角川文庫 |■」。
 カバー裏表紙は白地で、改版三十版は上部に1行「ISBN4-04-102010-7 C0192 P270E 定価270円」定価のすぐ下に「(本体262円)」。改版四十二版は左上にバーコード2つ、1つめの数字「9784041020104」2つめの下4桁「3407」、右上にISBNコード10桁で改版三十版に同じ、2行めCコードに「\340E」、3行め「定価:本体340円(税別)」、中央にゴシック体縦組み10行(1行14字)の紹介文、

深窓の恥らい多き乙女から、妻/子ある鉄幹のもとに走った晶子/の、ひたすらにその恋愛を完う/した姿が、美しく誇らかに情熱/と気品をもって歌われている。/忍従的であった明治浪漫主義開/花前の薄明の青春を、白日のも/との青春とした革命的な歌集。/明治の青年男女の熱狂的な共感/を得た永遠の青春讃歌である。


 これと同文は改版三十版ではカバー表紙折返し上部に横組みで入っていた。表題はゴシック体、以下の説明文は明朝体9行(1行16字)。

みだれ髪 附みだれ髪拾遺
深窓の恥らい多き乙女から、妻子/ある鉄幹のもとに走った晶子の、ひ/たすらにその恋愛を完うした姿が、/美しく誇らかに情熱と気品をもって/歌われている。忍従的であった明治/浪漫主義開花前の薄明の青春を、白/日のもとの青春とした革命的な歌集。/明治の青年男女の熱狂的な共感を得/た永遠の青春讃歌である。


 ルビは改版三十版と改版四十二版で同じ「しんそう・おとめ・まつと・ろうまん」但し改版四十二版では「まっと」である。
 下部には5.2cmの太い横線に挟まれて(幅3.7cm)「俳句短歌/俳句研究富士見書房/刊)」の広告。下の横線の上に太い明朝体で2行「第2の俵万智が生まれるかも知れない専門誌。/俳句、短歌25日、俳句研究14日が発売日です。」とあり、最下部やや右寄りに1行「カバー写真提供日本近代文学館」とあるのは改版四十二版と一致。改版四十二版のカバー表紙折返し上部には縦組みで「与謝野晶子(よさの あきこ)」と題して以下明朝体7行(1行25字)の紹介文、写真はない。
 カバー裏表紙折返し、左下に「カバー 旭印刷」右下のKBマークは一致。改版三十版は上部に横組みで「角川文庫與謝野晶子作品集」とあって「全訳 源氏物語(上)/全訳 源氏物語(中)/全訳 源氏物語(下)/みだれ髪 附みだれ髪拾遺」とあったが改版四十二版は縦組みで「角川文庫●與謝野晶子の本 ――――――――――――」とあって(角川文庫は一回り小さい太字の明朝体、●は○で囲われている)、「全訳 源氏物語 上巻全訳 源氏物語 中巻全訳 源氏物語 下巻/みだれ髪」とある。
 本体は1頁め(頁付なし)扉の鳳凰が違う他は144頁まで一致(していると思う)。詳細はこれより前の改版と比較しつつ述べることにする。
 奥付はやはり鳳凰が違う他、改版三十版は発行者が兄で、電話番号の市外局番の次が「八一七―」だったのが、改版四十二版では弟で「三二三八―」である。郵便番号も3桁、振替と1行だったのが郵便番号が7桁、振替番号も12桁になっている。印刷所―暁印刷 製本所―本間製本」の1行と次の装幀者は一致。「落丁・乱丁本はお取替えいたします。/定価はカバーに明記してあります。」1行分空けて「Printed in Japan」、匡郭下辺の下、横組みで左寄せ「よ 1-4」、右寄せでカバー裏表紙に同じISBNコードとCコード。改版四十二版は「無断複写・複製・転載を禁じ」る旨の1行と「落丁・乱丁本」の取替えについての2行、宛先は「小社営業部サービスセンターに」半行開けて1字下げで「定価はカバーに明記してあります。」匡郭下辺の上、右寄せに横組み「©Printed in Japan」下辺の下は改版三十版に同じ。
 奥付の裏は「角川文庫発刊に際して」、それから目録で改版三十版は1頁6点、明朝体の標題、ゴシック体の著者名、3行(1行11字)の紹介文。これらは縦線(11.4cm)で仕切られ、頁の上部は飾りのついたテーマ、1頁め「受賞作」2〜7頁め「名作」8〜9頁め「女流作家コーナー」10〜14頁め「角川文庫最新刊」。改版四十二版は「作品案内/あなたは角川文庫クラシックスを何冊読みましたか?」が14頁、1頁めは扉、2頁めから1頁7点で有島武郎から與謝野晶子までの日本人(China古典の翻訳や編集を含む)32名86点91冊に、アンデルセン1点ヴェルヌ3点ウェブスター1点の合計35名91点96冊。(以下続稿)