瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

寺田寅彦の文庫本(1)

ちくま日本文学全集035
一九九二年七月二〇日第一刷発行 定価971円

ちくま日本文学全集 (35) 寺田寅彦

ちくま日本文学全集 (35) 寺田寅彦

・ちくま日本文学034
二〇〇九年四月十日第一刷発行 定価880円
寺田寅彦 (ちくま日本文学 34)

寺田寅彦 (ちくま日本文学 34)

 仮に前者を①、後者を②とする。
 カバー表紙折返しの縦組み明朝体7行の紹介文は一致するが、①は1行の字数が全て25字であるのに対し、②は何故か2行めのみ24字で、以下改行位置が1字ずつズレている。
 カバー裏表紙に2段組で細目を示すのは同じだが、①は上段15点下段13点(うち1点2行)、②は最後に3行取りで「解説 藤森照信」と入れているため上段16点下段12点(うち1点2行)となっている。
 このシリーズのカバーについては、2012年5月16日付「中島敦の文庫本(21)」に述べて置いた。
 本体472頁、3頁(頁付なし)の「目次」の扉から472頁まで一致。
 1頁白紙があってその裏、奥付の前の頁にある「*この本の表記・テクストについて」は、「一、」として3項目、まず1つめは「文字表記」についてで、ここの冒頭、シリーズ名が差替えられている。2項めは「不当・不適切」な「語句や表現」について。3項めから後を②から引用してみる。

一、なお、本書に収録したテクストは「寺田寅彦全集」(全十八巻 岩波書店)を使用し/ ました。
 (ただし「映画と連句」は「現代日本文学全集44」筑摩書房刊、を使用しました。)
 *本書は小社より一九九二年七月、「ちくま日本文学全集 35」として刊行された。


 ①にはもちろん最後の1行はない。いや、先に確認した②のシリーズの『中島敦』と『夏目漱石』にはなかった。他にも①は『寺田寅彦全集』が「全18巻」となっていて1字少なく、よって文末の改行位置は「しま/ した。」となっている。なお「映画と連句」を『寺田寅彦全集』に拠らなかった理由は未考。
 奥付の裏に目録があるのは同じだが①は「ちくま日本文学全集 全50巻」で、「既刊」は36点、「☆次回配本」は大仏次郎武田泰淳。後に10巻追加されて全60巻になっている。②は「ちくま日本文学  全40巻」、これらについては2012年6月7日付「夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(11)」で触れた。(以下続稿)