瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

NHK特集『夏服の少女たち』(1)

 廣島縣立第一高等女學校一年六組の森脇瑤子の日記をもとに、内館牧子脚本のアニメで当時の少女たちの日々を再現し、高齢になった遺族の談話を織り込んでまとめたドキュメンタリー*1
 「NHK平和アーカイブス」の「番組ライブラリー」に

NHK特集 夏服の少女たち
ヒロシマ・昭和20年8月6日〜

初回放送日:1988年8月7日 放送時間:50分

とあるのだが、同じ番組の英語版には、

Girls in Summer Dresses
Hiroshima, August 6, 1945

Broadcast on August 7, 1988/30 minutes

とあって、放送時間が50分と30分で食い違う。

夏服の少女たち [DVD]

夏服の少女たち [DVD]

 2005年に発売されたNHKDVD『夏服の少女たち ヒロシマ・昭和20年8月6日 』(上映用¥7,600*2NHKエンタープライズ)はこれまた違っていて、34分である。
 磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.] にはVHSビデオ版の記事がある。2006年06月16日付「NHKビデオ 夏服の少女たち ヒロシマ・昭和20年8月6日」に、

NHKビデオ 夏服の少女たち
   ヒロシマ・昭和20年8月6日』
     協力=NHK 発行=NHKサービスセンター 1989年

カラー30分


とあって、放映直後に30分の短縮版が製作・販売されていたようである。
 その後放送ライブラリーでの公開に際し、日本語版はオリジナルの50分に戻した(?)が、英語版は30分の短縮版でしか製作していなかったため、このような時間のズレが生じたのであろう。

 なお、AmazonにあるVHSビデオ版(1990/07/21発売・ポニーキャニオン)は「NHK特集名作100選」というシリーズの1本で、磯野氏の挙げる平成元年(1989)版とはパッケージが全く異なる*3
 Amazonには画像も表示されないがLaser Disc版(1992/07/17発売・ポニーキャニオン)もある。これは「黒い雨/夏服の少女たち」と題されているように「黒い雨」との抱合せで、この「黒い雨」は井伏鱒二ではなくて、やはりNHK特集である。 これももちろん「NHK平和アーカイブス」の「番組ライブラリー」に次のように挙がっている

NHK特集
黒い雨 〜広島・長崎原爆の謎〜

初回放送日:1986年1月17日 放送時間:45分
地方の時代映像特別賞(平和賞)・ギャラクシー奨励賞受賞


 Laser Discの収録時間は90分だが「夏服の少女たち」のみで何分であるのかは不明、但し「黒い雨」は45分である。
 私はDVDのみ視聴した。3人の女学生が取り上げられ、その遺族も出演する。森脇瑤子の父・森脇中(79・あたる)、兄・細川浩史。奥津ヒトミの母・奥津トシ(93)。大下ノブコの母・大下増枝(80)、父・大下定雄(84)。ヒトミとノブコはテロップが出ないのでDVDを見る限りではどう書くのか分からない。他に気になったところとしては、22:13〜19に映る夏服に縫い付けた名札「身元票」に紺の横書きで「 廣  島第一縣女」とあったことで、当時の横書きはやはり右からなのではないか。
 さて、パッケージにあるように、このDVDは再編集版である。

〔おことわり〕本作品は、1988年に放送された「NHK特集 夏服の少女たち ヒロシマ・昭和20年8月6日」を再編集しており、放送当時のテロップを/そのまま使用している箇所があります。また、可能な限りの補正を行いましたが、マスターの状態により一部お見苦しい部分がございます。予めご了承ください。


 16分ほど省略していることには触れていない。これだけを見る分には特に不足も感じないが、Amazonレビューではこの再編集への疑問が複数表明されている。
 思うに、50分では小中学校の1コマの授業時間に収まらない。教員の説明時間などの余裕を見て、市販品は30分もしくは34分にまとめたのではあるまいか。
 なお、巨大動画サイトには「En Un Día Trágico De Verano / Girls In Summer Clothes (Dresses) – Hiroshima」と題するスペイン語吹替版が挙がっているが26分01秒しかない。うち40秒弱は重複。投稿者が省略していないとすれば、さらに短縮されていることになる*4
 ナレーションはもちろん少女たちもスペイン語で喋っているので何と言っているのか分からない。「夏は来ぬ」の合唱は日本語のままでスペイン語字幕。DVD版と比較するに、アニメの、防空壕の中での会話の後半部分、2年生が勤労動員されて1年生だけ残された不安を語り合う場面が省かれている。遺族の映像では、森脇瑤子の父はピアノを弾きながら独唱する場面のみ、森脇瑤子の兄は登場しない。大下ノブコの両親が当日着用の夏服を広島平和記念資料館に寄贈する場面もない。
8月12日追記】オリジナルの全編を見た。短縮版はアニメーションを主として遺族たちの現在を必要最低限に減らしてしまっている。

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 出勤途中に228円しか持っていないことに気付いた。差当たり昼をどうしようかと思ったのだが、職場の机に買溜めして置いたカロリーメイトが10箱あるのを思い出して、うち2箱で済ませた。それから夕方、JRで5駅離れた場所まで行く用事があったのだが、休日手数料を払うのも馬鹿馬鹿しいので、片道だけ150円の切符を買うかどうか、迷ったが、喉飴を買って往復歩いた。先週末から風邪を引いて咳や喉の痛みで明け方に目が覚めてしまい、睡眠不足でなかなか治らない。喉飴も夕方には2粒しか残っていなかった。片道でも3km半はあるから歩いたら乾燥してしまう。ならば喉飴を確保して往復歩いた方が良い。馬鹿みたいだと思われるかも知れないが。今日の疲れで熟睡出来れば良いのだけれども。

*1:2016年7月31日追記】「折り込んで」と誤変換していたのを「織り込んで」に訂正した。

*2:私の見たのは図書館所蔵資料なので「上映用」で割高である。市販品はもっと安い。

*3:2015年8月23日追記】パッケージの画像をネット検索して拡大して見たところ、背の下部に「45分」とあることが確認出来た。すなわち、①オリジナル(1988)50分、②ビデオ(1989)30分=英語版、③ビデオ(1990)45分=レーザーディスク(1992)、④海外向け25分版、⑤DVD(2005)34分、と5種類の版が存在していることになる。

*4:2014年11月7日追記】2014年8月6日に「"NATSUFUKU NO SHOUJO-TACHI" (En un Día Trágico de Verano... Hiroshima) - 1988 (LATINO) (Completo)」と題して同じ吹替版(25分22秒)が分割せずに投稿された。1990年(NHK)もしくは1993年(NHK INTERNATIONAL)にさらに短縮されたもののようだ。