・角川文庫1398『怪談・奇談』(4)
田代三千稔訳『怪談・奇談』の、天野氏の表紙は2012年8月23日付(1)に貼付し、まず七十八版について、2012年12月8日付(3)に九十版について記述し、なか見!検索で閲覧出来る一〇三版と比較してみた。その後、九十三版について2012年12月8日付(3)の2013年1月23日追記に記述して置いた*1。
【百七版】昭和三十一年十一月十日初版発行・平成二十一年九月五日百七版発行・定価514円・287頁
今、手許に七十八版と並べている。なか見!検索の一〇三版も参照しつつ、メモして置く。
カバー、一〇三版とは表紙のみ一致、白地の表紙折返し・裏表紙・裏表紙折返しは違っている*2。
カバー表紙、七十八版は全体にくすんだような色で、青みがかっている。百七版はこの青みを抜いて、明るくしているように見える。女性(たぶん雪女)の顔も純白になっている。
カバー表紙折返し、ゴシック体横組みで上部に「ラフカディオ・ハーン/Lafcadio Hearn|」と題して、
1850年、アイルランド人の父とギリシ/ア人の母の間に、ギリシアのレフカダ/島で生まれる。父母の離婚にともない/世界を転々とし、90年、日本にたどり/着く。小泉八雲を名乗り、大学で英文/学を講じるいっぽう、日本的情緒を随/筆等に描きつづけた。1904年逝去。
とある。これは九十版・九十三版・一〇三版のカバー裏表紙折返しの上部にあったものの「イオニア諸島」を「レフカダ島」に、「点々とし、1890年」を「転々とし、90年」に変え、最後に没年を追加したものである。下部左寄りに「カバー/天野喜孝」とある。写真はない。
カバー裏表紙折返し、上部にゴシック体横組みで「角川文庫●海外|ラフカディオ・ハーンの作品 || 怪談・奇談」とあって、右下にKBマーク。
カバー裏表紙、左上にバーコード2つ、1つめは九十版・九十三版・一〇三版に同じ、2つめ下4桁「5147」、その下にISBNコード13桁、バーコード1つめと同じ数字、次の行「C0197 \514E」、3行め「定価:本体514円(税別)」、右上にゴシック体横組み11行(1行14字)の紹介文。百七刷の改行位置を「/」で、七十八刷のカバー表紙折返し上部にあるものの改行位置を「|」で示した。七十八刷は冒頭1字下げ、振仮名は一致。
その魂の底に清らかな情熱をた/た|えた庶民詩人は、日本の珍書/奇籍を|あさって、久しく塵*3にま/みれていた|陰惨な幽霊物語に新/しい生命を注入|した。壇の浦の/合戦というロマンテ|ィックな歴/史的悲劇を背景に、盲目|の一琵/琶*4法師のいたましいエピソード/|を浮き彫り*5にした絶品「耳なし/芳一の|はなし」等芸術味豊かな/42編。
これは九十版・九十三版・一〇三版の背表紙中央に縦組み10行(1行14字)で入っていたものとほぼ同じ、異同は9〜10行め、九十版・九十三版・一〇三版は
/を浮彫りにした絶品「耳なし芳一/のはなし」等芸術味豊かな42編。
となっていて、鍵括弧を半角にすることで10行に収めている*6。2012年8月24日付(2)で見た六十八版にはこのような文章がない。
カバー背表紙、紺色地に白抜きで、上部にゴシック体で「ハ1-1」1字分空けて明朝体で標題「怪談・奇談」、中央やや下に横長の明朝体で「ラフカディオ・ハーン」、下部にゴシック体で「角川文庫」但し分類票貼付のため私の見た本は「庫」しか確認出来ない。
この紺色の背表紙は「角川文庫●海外」に共通のものである。
本体、1頁(頁付なし)扉は七十八版は羽を銜え翼と脚を広げた鳳凰だったのが百七版は脚を揃え翼を広げた鳳凰になっている。頁付のある3〜287頁は一致。1頁白紙があって、奥付、一〇三版と同じレイアウトで、異同はそれぞれの発行日、「製本所―」が一〇三版「BBC」から「本間製本」に、匡郭の下、右寄せでISBNコードとCコードがあるが、ISBNコードが一〇三版は10桁で七十八版以来カバー裏表紙にあるものに同じで下1桁「-6」、百七版は13桁でカバー裏表紙にあるものに同じ、数字は九十版・九十三版・一〇三版のカバー背表紙左上のバーコード1つめと同じ。
裏は「角川文庫発刊に際して」。
最後に目録が14頁、全て明朝体で、2本の横線(8.0cm)に挟まれた間(12.1cm)に7点ずつ、標題 著者/訳者 3行(1行22字)の紹介文。上の横線の上に横組みで「角川文庫海外作品」とある。