瑣事加減

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芥川龍之介『羅生門』の文庫本(12)

新潮文庫1804『羅生門・鼻』(1)
①昭和四十三年七月二十日発行
・昭和五十四年六月三十日二十六刷(198頁)定価180円*1
・昭和五十九年五月三十日三十六刷 定価200円*2
②昭和六十年六月五日三十八刷改版(234頁)*3
・昭和六十一年四月三十日三十九刷 定価240円*4
・平成六年五月十五日五十三刷 定価311円
・平成六年五月十五日五十三刷 定価350円*5

羅生門・鼻 (新潮文庫)

羅生門・鼻 (新潮文庫)

・平成十二年五月二十日六十二刷 定価324円
・平成十六年四月二十日六十六刷 定価324円*6
・平成十六年六月五日六十七刷 定価324円
③平成十七年十月十五日六十九刷改版(301頁)定価362円
・平成十八年六月十日七十三刷 定価362円
・平成十八年八月二十五日七十四刷 定価362円
・平成二十年五月二十五日七十七刷 定価362円
・平成二十一年五月二十五日七十八刷 定価362円*7
・平成二十二年六月十五日七十九刷 定価362円
・平成二十四年四月五日八十一刷 定価370円*8
・平成二十四年六月五日八十二刷 定価370円*9
・平成二十六年六月十日八十三刷 定価370円*10
 ①は未見。
 カバー表紙、②五十三刷は鉛筆で引いた直線や曲線で区切られたうち、中央部は肌色に、端に掛かっているところは大体紺色に塗り潰して、肌色のところの上部に明朝体縦組みで赤で標題、その左にやや小さく著者名、下部に横組みで「新潮文庫」。書影を貼った現行の表紙は、もちろん「鼻」の禅智内供である。
 ③七十九刷はまた別のカバーだが、これは別に紹介する。
 カバー表紙折返し、②五十三刷は新潮カセットブックの「芥川龍之介のカセット」の広告で、「●芋粥羅生門」「●好色/藪の中」「●杜子春蜘蛛の糸」「●或阿呆の一生」の4点。右下に「カバー 高松次郎」。新潮カセットブックの広告については、まとめて記事にする予定。現行のものは右下に「カバー装幀 南 伸坊」とある。②六十二刷・六十七刷は一致*11。紹介文は新潮文庫1805『地獄変・偸盗』八十二刷に同じ。③六十九刷改版・七十三刷・七十四刷・七十七刷一致。紹介文は新潮文庫1805『地獄変・偸盗』九十六刷・九十七刷に同じ*12
 カバー背表紙、②五十三刷は淡い灰色地、上部に標題、中央やや下に著者名が明朝体で、下部にゴシック体で「[あ 1 1]新潮文庫 320」税込定価に下線。南伸坊のカバーは淡い黄土色地で標題と著者名は一回り大きくなっている。下部は同じで異同は最下部の数字のみ、②六十二刷・六十七刷「\324」であったが③六十九刷改版・七十三刷・七十四刷・七十七刷「\362」に下線*13
 カバー裏表紙、レイアウトは同じ。②五十三刷、左上のバーコードの1つめは以下(六十二刷・六十七刷・六十九刷改版・七十三刷・七十四刷・七十七刷)同じ。2つめ下4桁は「3209」、これが定価324円のものは「3246」に、定価362円のものは「3628」になっている。中央の横線の上、左に「定価320円(本体311円)」、②六十二刷・六十七刷「定価:本体324円(税別)」、③六十九刷改版・七十三刷・七十四刷・七十七刷「定価:本体362円(税別)」。横線の下、右に葡萄マーク。左寄せでISBNコード、2行め「C0193 P320E」。ISBNコードは以下②六十二刷・六十七刷・③六十九刷改版・七十三刷・七十四刷は10桁で一致。Cコードは一致、その次が。②六十二刷・六十七刷「\324E」、③六十九刷改版・七十三刷・七十四刷・七十七刷「\362E」。③七十七刷はISBNコードが13桁になり、下1桁が従来の「-0」から「-8」に変わって、1つめのバーコードと同じ数字になっており、Cコードなども一回り小さくなっている*14
 右上の紹介文は、高松氏のカバーと南氏のカバーとで大きく異なる。②五十三刷は、

野生の美しい生々しさに充ち満ちて/いる「今昔物語」の価値を発見した/のは、国文学者ではなく、実に芥川/その人であった。本編は、陰影に乏/しい古典の中の人間心理に近代的解/釈を試みることによって、自らの主/題を生かした“王朝もの”の第一集。/善にも悪にも徹しきれない人間の姿/を描いた『羅生門』、自然なユーモア/と、整った文章によって漱石に絶讃/された『鼻』など、8編を収める。

とあって約物は『羅生門』の二重鍵括弧のみ半角。南氏のカバーでは、

京の都が、天災や飢饉でさびれすさ/んでいた頃。荒れはてた羅生門に運/びこまれた死人の髪の毛を、一本一/本とひき抜いている老婆を目撃した/男が、生きのびる道を見つける『羅/生門』。あごの下までぶらさがる、見/苦しいほど立派な鼻をもつ僧侶が、/何とか短くしようと悪戦苦闘する姿/をユーモラスに描いて夏目漱石に絶/賛された『鼻』。ほかに『芋粥』『好色』/など“王朝物”全8編を収録する。

となっていて、二重鍵括弧は『羅生門』の括弧開きのみ全角で他は半角。『今昔物語集』の近代的解釈という全体的な説明はなくなって、表題作の説明を増やしている。
 カバー裏表紙折返し、②五十三刷は上部に横組みで「―――新潮文庫―――/芥川龍之介の本|羅生門・鼻/地獄変・偸盗/蜘蛛の糸杜子春奉教人の死戯作三昧・一塊の土/河童・或阿呆の人生/侏儒の言葉西方の人」の7点、続いて右寄せで小さいゴシック体で「*の巻には、『新潮カセットブック』/収録の作品が入っています。」二重鍵括弧は半角。1点め2点め3点め6点め右下に小さく「*」が附される。最下部左に明朝体で小さく「カバー印刷 錦明印刷」。②六十二刷は新潮文庫1805『地獄変・偸盗』八十二刷に同じ*15。②六十七刷*16・③六十九刷改版・七十三刷・七十四刷・七十七刷は新潮文庫1805『地獄変・偸盗』九十六刷・九十七刷に同じ*17。(以下続稿)

*1:2015年4月8日追加。

*2:2015年5月8日追加。

*3:2017年3月24日追記】頁数は五十三刷のところ(2箇所)に入っていたが、三十九刷を確認したのを機にここに移した。

*4:2017年3月24日追加。

*5:2014年3月17日追加。このカバーについては2014年3月17日付(14)に述べた。

*6:10月19日追加。

*7:2016年4月16日追加。

*8:9月2日追加。

*9:2014年4月2日追加。

*10:2015年6月23日追加。

*11:10月19日追記②六十六刷のカバーは②六十七刷に一致。2014年3月8日追記】私の見た②六十七刷にはカバーが2種あった。②六十二刷・六十六刷に一致するものと、裏表紙折返しのみ③に同じに改められているものとである。

*12:9月25日追記】八十一刷も一致。【2014年4月29日追記】八十二刷も同じ。

*13:9月25日追記】八十一刷の最下部は「370」とある。【2014年4月29日追記】私の見た八十二刷は(八十一刷と同じだと思うが)分類票貼付のため不明。

*14:9月25日追記】八十一刷はバーコード2つめ下4桁「3703」、その下「定価:本体370円(税別)」、Cコードの次は「\370E」。【2014年4月29日追記】八十二刷も八十一刷に同じ。また、中央の横線の下が③七十七刷と同じになっているカバーの掛かった七十三刷を見たが、他の部分には異同はない(ようだ)。

*15:2014年3月5日追記新潮文庫1805『地獄変・偸盗』については順序が前後して2013年8月23日付「芥川龍之介『地獄變』の文庫本(1)」として上げた。

*16:2014年3月8日追記】②六十七刷で、②六十二刷と同じカバーの掛かったものも見た。すなわち裏表紙折返しが異なっている。私の見た②六十六刷も、②六十二刷と同じカバーが掛かっている。

*17:9月25日追記】八十一刷も一致。【2014年4月29日追記】八十二刷も同じ。