8月12日付(3)に、文庫版「●参考資料④年表」の増補は「『呪いの心霊ビデオ』に取り組んだ成果であろう」と述べた。ここで6月20日付「小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』(6)」に書影を貼った『呪いの心霊ビデオ』を見るに、大体はこの見当で合っているようだが、文庫版「●参考資料①ビデオリスト」に1点だけ増補された『妖女伝説'88』は、『呪いの心霊ビデオ』には紹介されていない(らしい)。
・田中登監督『妖女伝説'88』昭和63年(1988)9月23日公開(ロッポニカ)
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この映画については8月11日付(2)で見たように、文庫版の「●参考資料④年表」の昭和63年(1988)条にごく簡単なコメントがあるのみだったが、次の本に収録されている小池氏の論考に具体的な言及があった。
・一柳廣孝編著『心霊写真は語る[写真叢書]』2004年8月20日第1刷・定価2000円・青弓社・253頁・四六判上製本
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幽霊が明瞭に写る写真が増えた今日の状況は、戦前への回帰といえなくもない。とすれば、また/それが飽きられるときもくるのだろうが、とにかく今日の幽霊はレタッチソフトの大衆化によって/延命させられている。そして心霊写真は紙の媒体よりも、ビデオやパソコンの画面で見る機会が増/えた。そうなると心霊写真ははたして“写真”である必要があるのかという疑問も出てくる。実際、/将来的に幽霊は写真に写るというプロセスをはしょって、パソコンの画面に直接あらわれるのでは/ないか(そういう発想が突出するのではないか)という予測は一九八〇年代からあった。例えば『妖/女伝説'88』(田中登監督、にっかつ製作)という映画にその発想が生かされていた。この作品はタイ/トルのとおり一九八八年に公開された。内容は一口にいえば、現代版の『牡丹燈籠』である。幽霊/がパソコン通信で接触してくる点が斬新で、いま思えば十年ほど時代を先取りしていた作品といえ/る。
ちなみに240〜244頁「1 UFO写真vs心霊――“眉唾写真”の王座をめぐって」、245〜250頁「2 幽霊へのまなざし――“鏡”から“写真”へ」で、うち250頁右上「写真6 記念写真におぼろげな顔が…… (出典:「大/阪毎日新聞」1921年7月6日付)」は文庫版91頁、251頁上「写真7 背景の樹木に顔が……。今日的心霊写真の草分けである (出典:「報知新/聞」1936年12月19日付)」は文庫版110頁と同じもので、写真6の方は文字もはっきり読める。
最後、253頁13〜15行め「[参考文献]」に続いて16〜17行めに以下のような附記がある。
付記:本稿は「木野評論」第三十五号(青幻舎、二〇〇四年)に「『眉唾写真』の魅力――霊と宇宙人」/として発表した現行に加筆修正したものである。
「木野評論」は8月11日付(2)で見たように、文庫版の「●参考資料③文献リスト」に追加されていた。「木野評論」HPにて第35号の細目を見ることが出来る。(以下続稿)