9月17日付(1)で見たカドカワノベルズと、9月18日付(2)で見た角川文庫6072の本体を比較して見る。
カドカワノベルスの見返しは灰色と白の縞模様で、表紙の裏(裏の遊紙)は右上から左下へ、遊紙の表(裏表紙の裏)は左上から右下へ。遊紙の裏は白紙。本文及び頁付は11頁から始まる。7頁「翳った旋舞 目次*1」の扉、8頁は第五章まで、9頁に|第六章|第七章|、算用数字で頁。10頁は白紙。5頁は扉で左側のやや上に「KADOKAWA NOVELS|翳った旋舞/松本清張」と3行に、カバー表紙にあったのと同じ字体*2が縦組みで入る。6頁は下部中央に明朝体縦組みで1行に「カバー絵/伊藤憲治」とある。その前が遊紙なので、1頁に当たるのは本体の表紙ということになる。本の痛みによる脱落もなさそうだ*3。本文は2段組で1段に18行、1行23字。章題は一回り大きな活字で3行取り、2行分空白があって、節の番号は算用数字で5字下げ3行取り。
角川文庫は1頁(頁付なし)扉で羽を銜え翼と脚を広げた鳳凰、標題にルビ「かげ・せんぶ」。3頁「目次」頁は半角漢数字。カドカワノベルズとの異同は章の間に縦線がないのと、最後に1字下げで「解説」が追加されていることである。本文は5頁から。第一章のみ初めに1行分空白。1字下げ3行取りで章題、1行分空白、7字下げ2行取りで節番号の算用数字。1頁17行、1行42字*4。
章 | |カドカワノベルズ | |角川文庫6072 |
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第一章 失 策 | |11上〜37下3 | |5〜41-12 |
第二章 波 紋 | |38上〜73上16 | |42〜91-15 |
第三章 辞 去 | |73下〜106上15 | |92〜138-3 |
第四章 策 謀 | |106下〜132下9 | |139〜177-3 |
第五章 「怪物」 | |133上〜156下16 | |178〜213-1 |
第六章 決 意 | |157上〜191下16 | |214〜263-17 |
第七章 逃避行 | |192上〜225下10 | |264〜312-10 |
カドカワノベルズは225頁まで。その裏の下部中央に縦組みで、
本作品は、「女性セブン」昭和三八年五月五日号より同/年一〇月二三日号までの誌上に掲載された同名長篇小/説に加筆、訂正をしたものである。
とある。次いで奥付、その裏が「一九八一年十一月」付の角川春樹「発刊の言葉」、最後に「KADOKAWA/NOVELS|カドカワ ノベルズ| 長編オリジナル・シリーズ」の目録が8頁、1頁に5点。
角川文庫には313〜321頁に宗肖之介「解説」が追加されている。連載後刊行まで20年掛かっているのであるが、宗氏の解説から関係箇所を引いて置く。まず320頁14〜17行め*5、
このミステリアスな翳をひく順子の人物造型には、旧い日本の女性から、今日の“翔*6んでい/る”女性へ移行していく「過渡期」の日本女性像として興味ぶかいものがあり、その皮肉な運/命への疾走は、『翳った旋舞』という松本清張氏独特の象徴的な表題に集約的に暗示されてい/るように見えるのである。
と、連載当時の時代背景について軽く触れ、最後321頁1〜2行めに、
なお、この作品は「女性セブン」昭和三十八年五月五日号から同年十月二十三日号に掲載さ/れ、昭和五十八年十一月カドカワノベルズとして刊行されたものである。
と来歴を示し、1行分空けて下詰めで「宗 肖 之 介」とある。
奥付、子持枠の内、ルビ「かげ・せんぶ/まつもとせいちよう」、他に異同の多いところのみをメモして置く。「電話〈編集部/営業部〉」で市外局番(〇三)の次は「二三八―」で下4桁は「八四五一/八五二一」。「〒一〇二 振替東京③一九五二〇八」。「印刷所――旭印刷 製本所――多摩文庫」「落丁・乱丁本はお取替えいたします。/定価はカバーに明記してあります。」1行分空けて右が上で横転して「Printed in Japan」。匡郭の下辺の下右寄せでカバー裏表紙と同じISBNコードとCコード。
奥付の裏は「角川文庫発刊に際して」、目録は「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1984年7月」の(5)(6)頁、3段組で1段21点、(5)頁上段3つめから中段10点め計29点はカバー裏表紙折返しの「北の詩人」までと一致*7、と「角川文庫 最新刊」の(49)(50)頁、1頁に10点。