瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川龍之介『地獄變』の文庫本(2)

・角川文庫7500『蜘蛛の糸地獄変』(1)
【三版】平成元年四月 十 日 初版発行・平成元年七月三十日 三版発行・定価262円・213頁*1
【十一版】平成元年四月十日初版発行・平成五年六月二十日十一版発行・定価301円・213頁
【二十二版】平成元年四月十日初版発行・平成十五年五月二十五日二十二版発行・定価300円・213頁*2
【二十七版】平成元年四月十日初版発行・平成二十二年五月五日二十七版発行・定価324円・215頁*3

【三十二版】平成元年四月十日初版発行・平成二十四年六月二十五日三十二版発行・定価324円・215頁
 頁数が違うが、これは三十二版の最後(214〜215頁)に目録「芥川龍之介/角川文庫収録作品一覧」が追加されている*4ためで、3頁から213頁までは一致している。
 十一版は天野喜孝のカバーで、表紙の右上に行書体白抜きで著者名、やや左寄りに白く縁取りされた金文字で「蜘蛛の糸地獄変」と表題、右下にゴシック体白抜きで「角川文庫」*5
 カバー表紙折返しは2012年12月6日付「芥川龍之介『羅生門』の文庫本(5)」で見た、角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』十二版・十六版・十七版に一致*6
 カバー裏表紙折返しも2012年12月6日付「芥川龍之介羅生門』の文庫本(5)」で見た、角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』十六版・十七版に一致*7
 カバー背表紙、「CLあ|2-7」その下に楷書体で標題、中央やや下にゴシック体で著者名、そのすぐ下に小さく「あ|2-7 310」下すぐに橙色の帯状になって白抜きゴシック体で「角川文庫クラシックス*8
 カバー裏表紙も白地で、左上にバーコード2つ、下4桁「3142/3100」、右上「ISBN4-01-103314-4/C0193 P310E 定価310円」定価のすぐ下にやや小さく「(本体301円)」*9、中央にゴシック体縦組み10行(1行14字)で、

大正七年、芥川はすでに文壇に/確たる地歩を築き、花形作家と/しての輝かしい道を進んでいた。/愛娘を犠牲にして芸術の完成を/図る老絵師の苦悩と恍惚を描く/王朝物の傑作「地獄変」、香り高/い童話「蜘蛛の糸」ほか、明治物/「奉教人の死」、江戸期物「枯野抄」/など溢れる創作意欲の下に作品/の趣向は変化を極めている。

との紹介文がある。
 三十二版は和柄カバーで、緑がかった灰色地で柄はごく淡く地色が染みた白。上部にカバー裏表紙折返しから裏表紙・背表紙・背表紙の右上まで、長方形の白紙を載せたようになっていて、その右端、裏表紙折返しの右上には明朝体縦組みで「角川文庫※芥川龍之介の本」※のところには丸い葉が3つ付いた梢のマーク、1行分空けて「舞踏会・蜜柑/杜子春南京の基督/藪の中・将軍/トロッコ・一塊の土/或阿呆の一生侏儒の言葉羅生門・鼻・芋粥蜘蛛の糸地獄変/河童・戯作三昧」の8点、さらに1行空けて「角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックス 近代文学芥川龍之介の「羅生門」「河童」ほか6編」。裏表紙の右上、明朝体縦組み8行(1行24字)の紹介文があるが、これは十一版のカバーの裏表紙中央にあったゴシック体縦組み10行(1行14字)の紹介文とは全く書き換えられている。左上にバーコード2つ、その下に13桁のISBNコードは1つめのバーコードと同じ数字/Cコードに「\324E」/「定価:本体324円(税別)」。
 表紙の右上、白の長方形の左端に当たる部分、右上に著者名、右下に小さく「角川文庫」、その左に大きく標題「蜘蛛の糸地獄変」と、やはり明朝体で入る。
 背表紙は「あ 2-7 芥川龍之介  蜘蛛の糸地獄変」とやはり明朝体。背表紙の下部、手拭い柄の上に明朝体で小さく「角川文庫」とあるが柄と紛れて読みにくい。
 裏表紙折返しの下部、1.2×5.5cmの長方形に白くして「装画 てぬぐい 蜘蛛の巣(株式会社かまわぬ)/   ©KAMAWANU CO.,LTD.All Right Reserved/装丁 大武尚貴+鈴木久美(角川書店装丁室)」とある。
 表紙折返し、上部の7.9×5.9cmの白の四角に2012年11月28日付「芥川龍之介『羅生門』の文庫本(1)」で見た、角川文庫14718『羅生門・鼻・芋粥』改版七版の和柄カバーにあるのと同じ、写真と明朝体横組み10行(1行18字)の紹介文がある。

見渡す限り真っ暗な地獄の底。その中でもがき苦しむ/犍陀多*10の上に美しく輝く蜘蛛の糸が垂れてきた。遠い天/上から伸びるこのひとすじの光をたどれば極楽にいけ/る――? 犍陀多は糸をのぼり始めるが……(蜘蛛の/糸)。見る者を惹きつける地獄変の屏風。そこに描かれた/灼熱の炎にもだえる女房の姿。愛娘を犠牲にして芸術/の完成を追求した絵師の末路とは……(地獄変)。表題/作二作をはじめ、さまざまな題材を描いた計八篇を収録。


 十一版の紹介文は「地獄変」の方がメインだが、この和柄は標題の順序(カバーでは天野氏のカバー表紙からして「蜘蛛の糸」の方が大きかった)に従い「蜘蛛の糸」の紹介を先にして充実させている。(以下続稿)

*1:2022年9月4日追加。「カバー 黒田征太郞K₂」。

*2:2016年10月31日追加。

*3:2016年5月21日追加。

*4:2016年5月21日追記】二十七版も芥川龍之介/角川文庫収録作品一覧」が追加されており215頁である。

*5:2016年5月21日追記】二十七版は標題が橙色になっている。【2016年10月31日追記】二十二版の標題は十一版と同じ金文字である。

*6:2016年10月31日追記】二十二版も十一版に同じ。二十七版は写真は縮小され、紹介文はゴシック体横組みで分量も増えている。

*7:2016年10月31日追記】二十二版は2013年2月14日付「芥川龍之介『羅生門』の文庫本(11)」で見た、角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』二十二版に同じ。

*8:2016年10月31日追記】二十二版は2013年2月14日付「芥川龍之介羅生門』の文庫本(11)」で見た、角川文庫7499『羅生門・鼻・芋粥』二十二版に同じレイアウトで最上部の文字は「||2-7|Y300|」である。

*9:2016年10月31日追記】二十二版はバーコード2つめの下4桁「3000」、右上の1行めは一致、2〜3行めは「C0193 \300E定価:本体300円(税別)」とある。紹介文は同じ。

*10:ルビ「かんだた」。