それでは新聞記事に戻って、11月15日付(25)に見た、昭和14年(1939)2月23日(木曜日)「報知新聞」夕刊の続きで、2月24日(金曜日)の「報知新聞」夕刊を見て置きましょう。
昭和十四年二月二十五日(土曜日)付、第二萬二千三百三十六號の「刊夕*1」、すなわち(一)面の題字の下に「行發日四十二」とあって24日の午後の新聞、その(二)面*2、記事は9段、その下5段分が広告、その記事の8段めに「黒マント剽盗/遂に捕はる」との記事があります。本文は9段めまで。年齢の漢数字は小さく、2桁めが右寄せ、1桁めが左寄せ。また最後の1字下げの箇所はルビがありません。
赤マント恐怖時代これは黒マント/の剽盗が捕つた――瀧野川署では/最近管内に頻發する黒マントの剽/盗事件に廿三日宵から管内一帶を/密行警戒中二十四日午前零時半頃/同區田端新町二の一〇先を通行中/の黒マント學生姿の青年を擧動不/審で本署に連行取調中右剽盗事件/*3【8段め】の犯人と判明した*4
この青年は同區同町一の五七大/ 谷一さん次男市内某小學校給仕/
小石川區某工業學校二年生大谷/ 夫佐二(二〇)(假名)で去る十七日/
午後十一時頃自宅附近を通行中/ の同町一の七〇、八百屋茂木と/
みさん(二六)にをどりかゝり脅迫/ して一圓を強奪した外前後五回/
情痴的剽盗を働いてゐたもの
この事件については、他紙の赤マントに言及しない記事を次回見た上で、簡単にコメントを附して置くこととします。(以下続稿)