瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

赤いマント(88)

小沢信男「わたしの赤マント」校異(5)
 川端氏の電話で小学校当時のことはかなり明瞭になったのでしたが、そこでも解決されなかった最後の疑問について、主人公の牧野氏は三度「週刊アダルト自身」編集部へ「お尋ね」を寄稿します。まずはその前半について点検して見ましょう。なお、【75】【76】そして【78】については、既にすずしろ氏の2013年11月19日付(29)へのコメントによって指摘済みです。
【75】167上21〜22「昭和十五年当時の一つの小さな新聞記/事についてのお願いです。」→24頁8「昭和十四、五年当時の一つの小さな新聞記事についての|お願いです。」543頁2〜3
【76】167下1〜3「じつは先日、広尾の都立中央図書館にゆき、同年度の朝/日新聞縮刷版一年分を、半日かけて調べました。赤マント/の記事は一つも見当りませんでした。」→24頁9〜10「じつは先日来、広尾の都立中央図書館へ通い、昭和十三年秋以降の朝日新聞縮刷版二年分を調|べまし/た。赤マントの記事は一つも見あたりませんでした。」543頁4〜5
・【77】167下7〜8「それさえ/無いのならば、無い記事を」→24頁13「それさえないのならば、ない記事を」543頁8
【78】167下10〜12「当時私の家でとっ/ていたのは朝日新聞でなかったのかもしれず。または翌十/六年の記事だったのかもしれず。とすると」→24頁15〜16「当時私の家でとっていたのはフクちゃんの漫画におぼえがあるから朝日新|聞だったはずだけれ/ども、読売か日経もとっていたのかもしれず。とすると」543頁10〜11
・【79】167下18〜19「紙面の下方に四角く収っている様子さえ、漠と覚えている/感覚があります。」→24頁19〜20「紙面の下方に四|角く収まってい/る様子さえ、漠とおぼえている感覚があります。」543頁14〜15
・【80】168上1「スポットが当ったようにハッキリ覚えすぎて」→25頁3「スポットがあたったようにハッキリおぼえすぎて」544頁2
・【81】168上3「話の記憶のファイル」→25頁4「私の記憶のファイル」544頁3
・【82】168上5「探し当てて、」→25頁5「探しあてて、」544頁4
 まだ続くのですが、大幅な加筆がありますので明日に回します。最後の寄稿全体についての検討も、明日に回すこととします。(以下続稿)