瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

杉浦日向子『江戸アルキ帖』(2)

 昨日の続き。
新潮文庫4272(2)
 奥付は組み直されていますがレイアウトは同じ。既に記した発行日の2行の他、発行者が父から子へ、「郵便番号」が3桁から7桁へ、「電話〈業務部/編集部〉」の順で市外局番(〇三)の次「二六六―」だったのが「電話〈編集部/読者係〉」と入れ替わり、市外局番の次に「三」が入っていること、次の行「振 替 東 京 四 ― 八 〇 八 番」がHPアドレスに、「価格はカバーに表示してあります。」の1行の前後に1行分ずつ空白。縦組みの最後に2行「乱丁・落丁本」について、初刷「小社通信係宛ご送付/」が二十四刷「小社読者係宛ご送付/」になっている他は一致。下部の横組み、横線に挟まれた2行のうち1行め一致、2行め後半は一致、前半「© Hinako Sugiura 1989」が「© Michiko Suzuki 1989」に、最下部のISBNコード(10桁)とCコードは一致。初刷のカバー裏表紙にあるものとも一致するが、二十四刷のカバー裏表紙にあるものとは異なる。
 カバー表紙は一致。カバー背表紙、初刷は地色が白*1、二十四刷は赤みを帯びた肌色、文字は字配りなども同じで異同は最下部、初刷は「640」に太い下線、二十四刷は「\781」。
 カバー裏表紙、右上にある紹介文は一致。

日曜日の昼下がり、タイムマシンに/乗って、のんびり江戸の町を散歩し/てみませんか。日本橋を振り出しに、/神田、浅草、芝、本所、小石川……。/足の向くまま気の向くまま、猪牙に/乗って隅田川を下り、須田町の銭湯/で汗を流し、疲れたら神楽坂の掛茶/屋で一服――現代の浮世絵師・杉浦/日向子が案内する、前代未聞の江戸/ガイドブック決定版。カラー・イラ/スト127点収録、文庫オリジナル。

 初刷はこの紹介文の上下に横線があり、下の横線の下に「ISBN4-10-114911-9 C0195 P640E  定価640円」定価のすぐ下に「(本体621円)」、この1行の下、中央に葡萄マーク。
 二十四刷は横線は中央のみで、左上にバーコード2つ、下4桁「9110」と「7815」、横線の上左に「定価:本体781円(税別)」、下左に「ISBN978-4-10-114911-0C0195 \781E」、下右に葡萄マーク。
 カバー表紙折返し、右下に縦組み明朝体で「カバー 杉浦日向子」とあるのは一致。
 初刷は太さ0.1cmの灰色の匡郭(12.9×4.3cm)内、上部に丸ゴシック体横組みで「新潮社のハードカバー」とあって、「百物語〔壱〕■新潮コミック杉浦日向子」の広告。

百物語 (1) (新潮コミック)

百物語 (1) (新潮コミック)

 私の高校時代に出ていて、ちょっとした評判になっていたと思います。確か、高校図書室にも入っていたような。ですが、漫画に入り込めない時期だったのか、杉浦氏の絵に馴染めなかったのか、読んでいません。けれどもこの表紙は良く覚えているのです。
 二十四刷は杉浦氏の顔写真と略伝。
 カバー裏表紙折返し、初刷は2013年4月27日付「「新潮社の辞典!」の広告(5)」とほぼ同じ広告がある。異同は匡郭が若干狭い(11.9×5.9cm)ことと、定価が入っていないことで他は(並べて比較した訳ではないが)一致する。そこで小異として別に立てずに以後、同版も同じ日付のところに整理することにする。既に挙げていた定価入りの新潮文庫2202『小泉八雲集』二十五刷(昭和六十三年五月十五日)から定価を抜いたのは、消費税導入時期に当たったためである。下左に小さく「カバー印刷 錦明印刷」。
 二十四刷は上部の「――――新潮文庫――――/杉浦日向子の本|」とあって「江戸アルキ帖/風流江戸雀/百物語/大江戸美味草*2紙/一日江戸人/ごくらくちんみ/4時のオヤツ/お江戸でござる(杉浦日向子・監修)/隠居の日向ぼっこ*3」1行分空けて「|杉浦日向子ソ連・編著の本|もっとソバ屋で憩う―きっと満足123店―」著者名の行は明朝体太字、監修(右寄せ)や副題(中央揃え)は2行め。下部に小さく「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」。
追記】この記事は1月末に初刷と二十四刷を比較しつつ纏めたもので、その後見た二十五刷について初刷・二十四刷と比較せずに加筆すると混乱する恐れもあるかと思い、別記することにした。
 奥付は二十四刷とそれぞれの発行日が違う他、ISBNコードが13桁(カバー裏表紙に同じ)。念のためその上の1行を控えて置く。「印刷・大日本印刷株式会社 製本・加藤製本株式会社」。
 私の見た二十五刷のカバーは私の見た二十四刷のカバーに一致するようだ。そうすると、カバー裏表紙折返しに平成18年(2006)6月刊の杉浦日向子 監修『お江戸でござる』があるのは良いとして、その次に平成20年(2008)3月刊『隠居の日向ぼっこ』が入っているのは平成18年(2006)7月刊の二十四刷、平成19年(2007)5月刊の二十五刷よりも後に、掛け替えられたことになる。
 今、手許に新潮文庫版『隠居の日向ぼっこ』があるので書影を貼って置く。
・単行本
隠居の日向ぼっこ

隠居の日向ぼっこ

新潮文庫8391(平成二十年三月一日発行・定価362円・179頁)
隠居の日向ぼっこ (新潮文庫)

隠居の日向ぼっこ (新潮文庫)

 単行本(未見)は杉浦日向子(1958.11.30〜2005.7.22)没後間もなくの刊行である。
 『江戸アルキ帖』二十五刷と比較するに、カバー表紙折返しの顔写真・略伝は一致、右下の縦組み「カバー 杉浦日向子」が『隠居の日向ぼっこ』では最下部に横組みで「カバー装画 杉浦日向子」とある。「装画」を増やしたところ縦組みでは収まらなくなったため。カバー裏表紙折返しは一致。目録(11頁)の初めが杉浦氏の著書・共編著書・監修で、最後の『お江戸でござる』は『江戸アルキ帖』二十五刷では2頁め2点めであったが『隠居の日向ぼっこ』は2頁めの3点め、これは1頁め1点めに『江戸アルキ帖』があるからで、紹介文には次のようにある。

日曜の昼下がり、のんびり江戸の町を歩いて/みませんか――カラー・イラスト一二七点と/エッセイで案内する決定版江戸ガイドブック。


 「サンデー毎日」の発行日は日曜日だから、昭和の末年、まさに「日曜の」日付で書き継がれていた訳である。
 さて、『隠居の日向ぼっこ』の目録は、「杉浦日向子ソ連編著」が1頁め5点めに挿入される他はカバー裏表紙折返しと同じ順序、『隠居の日向ぼっこ』は9〜11頁め「新潮文庫最新刊」の10頁め3点めに挙がる。
 ところで、『江戸アルキ帖』は文庫オリジナルだから単行本はない。なお、初刷・二十四刷について再確認したいところもあるが、後日、追記の形で補足したい。

*1:褪色の可能性あるか。

*2:ルビ「むまそう」。

*3:7月30日追記】二十四刷で「隠居の日向ぼっこ」のないカバーを見た。増刷当時のものと思われる。異同はこの1点のみ。