昨日の続き。
扉（1頁）は上部やや右寄りに径2.4cmの円があってその中にゴシック体横組みで「作品案内」その下に、右が綴込みになっている0.1cm間隔の2本の横線、1本めは上部の円の右にある一本杉のイラストのところで1.3cm途切れておりその左が3.8cm、右が1.4cm。2本めは9.0cm余で左まで繋がっている。その下、円と杉の下辺りに灰色（■）の角切四角形（6.6×6.2cm）があって上辺から3.0cmのところに横組みで「Kadokawa Bunko Classics ◆◆◆◆◆◆◆◆」とある。その右に縦組みで「あなたは／角川文庫クラシックスを／何冊読みましたか？」とあってシリーズ名が明朝体の太字で大きく、他はゴシック体である。
2頁以降のレイアウトだが、まず12.2cmの縦線があってその左に上詰めで楷書体の作者名、少し空けて●があってその下に明朝体で大きく書名、書名の左に書名と同じ高さから小さいゴシック体で紹介文、最大で「●新釈雨月物語」37字、但しこれは文末が「！」になっているからで、大半は文末が半角の句点で、最大36字＋半角句点である。同一作者の場合、書名と書名の間に下詰めで9.5cmの縦線があり、その高さは書名の上の●に同じ。上の余白が3冊分ある場合（3冊で幅3.4cm）、横長の楕円形（2.0×2.2cm）の顔写真が挿入されており【写真】として置いた。上部に横組みで「◆◆◆Kadokawa Bunko Classics ◆◆◆」とある。
以下、頁ごとに細目を示す。12.2cmの縦線は「｜」で、9.5cmの縦線は「／」で示した。煩多になるので紹介文は示さない。勿論頁付があるわけではなく、前回示したようにこの順に収録していないものも少なくない。
・2頁
｜有島武郎【写真】 ●或る女／●生まれ出づる悩み／●一房の葡萄｜芥川龍之介【写真】 ●舞踏会･蜜柑／●杜子春･南京の基督／●藪の中･将軍／●トロッコ･一塊の土／
・3頁
／●或阿呆の一生･侏儒の言葉／●羅生門･鼻･芋粥／●蜘蛛の糸･地獄変｜有吉佐和子 ●非色／●紀ノ川｜泉 鏡花 ●高野聖｜伊藤左千夫 ●野菊の墓･隣の嫁／
・4頁
｜井伏鱒二 ●ジョン万次郎漂流記 本日休診／●屋根の上のサワン｜井上 靖 ●真田軍記／●ある落日／●化石／●星と祭｜石川 淳 ●新釈雨月物語／
井上靖には十分な余白があるが、顔写真は入っていない。
・5頁
｜大岡昇平 ●野火｜川端康成 ●伊豆の踊子･禽獣／●雪国｜梶井基次郎 ●檸檬･城のある町にて｜小林秀雄 ●常識について｜佐藤春夫 ●小説 智恵子抄｜坂口安吾 ●白痴･二流の人／
・6頁
／●堕落論／●不連続殺人事件｜志賀直哉【写真】 ●和解／●城の崎にて･小僧の神様／●暗夜行路｜太宰 治【写真】 ●晩年／●女生徒／
この頁に太宰治の写真のあるものとないものとがある。顔写真は2点の上の余白に収めるには窮屈であって、ノドの部分の余白にまで割り込んでいるのだが、太宰の写真がないのは寂しいということで、無理に収めたようである。この写真がない分は前回挙げたように、太宰治の本ばかりである。カバー表紙折返しに入っているからこの目録の分は削除したのであろう。尤も芥川龍之介の本では、写真の削除はしていない。やはり太宰の写真ということで無理をして収めたように、思われるのである。【3月15日追記】太宰治の本でも平成8年（1996）の角川文庫クラシックス発足当初のものには写真があった。私が見ている写真のない3点はいずれも平成10年（1998）6月初版もしくは改訂初版。
・7頁
／●走れメロス／●斜陽／●人間失格･桜桃｜壺井 栄 ●二十四の瞳｜寺山修司【写真】 ●家出のすすめ／●書を捨てよ､町へ出よう／●ポケットに名言を／
・8頁
／●不思議図書館／●幸福論 ――裏町人生論――／●誰か故郷を想はざる／●さかさま世界史 怪物伝／●さかさま世界史 英雄伝／●寺山修司青春歌集／●馬敗れて草原あり／
・9頁
／●競馬への望郷／●寺山修司少女詩集／●さかさま恋愛講座 青女論／●戯曲 毛皮のマリー｜夏目漱石【写真】 ●吾輩は猫である／●坊っちゃん／●草枕･二百十日／
・10頁
・11頁
／●道草／●明暗／●文鳥･夢十夜･永日小品／●硝子戸の中｜中 勘助 ●銀の匙｜中島 敦 ●李陵･山月記･弟子･名人伝｜河上徹太郎編 ●中原中也詩集／
・12頁
｜永井荷風 ●濹東綺譚｜樋口一葉 ●たけくらべ･にごりえ｜堀 辰雄 ●風立ちぬ･美しい村｜北条民雄 ●いのちの初夜｜宮沢賢治【写真】 ●注文の多い料理店／●セロ弾きのゴーシュ／●銀河鉄道の夜／
【2016年3月7日追記】宮沢賢治の写真の入っているものを見た。ここは注意していなかったので、実はこれまで見たもののうちで写真が入っていたものもあったかも知れない*1。【2016年7月27日追記】角川文庫7381『風の又三郎』改訂新版の目録には写真が入っている。当初、見落としていた可能性が高いと判断して【写真】を追加した。
・13頁
／中村 稔編 ●新編 宮沢賢治詩集｜●風の又三郎｜武者小路実篤●友情･愛と死／●人生論｜村上知行訳 ●完訳 三国志 一〜五｜森 鴎外 ●舞姫･うたかたの記／●山椒大夫･高瀬舟･阿部一族／
・14頁
｜與謝野晶子 ●全訳 源氏物語 上･中･下／●みだれ髪 附みだれ髪拾遺｜アンデルセン ●絵のない絵本｜ヴェルヌ【写真】 ●十五少年漂流記／●八十日間世界一周／●海底二万海里｜ウェブスター ●あしながおじさん／
・15頁
｜オーウェル ●動物農場｜キャロル ●不思議の国のアリス／●鏡の国のアリス｜キプリング ●ジャングル･ブック｜シェイクスピア ●ハムレット｜シェリー ●フランケンシュタイン｜スティーヴンソン ●ジーキル博士とハイド氏／
・16頁
｜スタインベック●真珠｜チョーサー ●カンタベリー物語｜Ａ･デュマ ●三銃士 上･下｜ドストエフスキー●白夜｜トランボ ●ジョニーは戦場へ行った｜ハーン ●怪談･奇談｜Ｊ･Ｍ･バリ ●ピーター･パンの冒険／
・17頁
｜Ｅ･ブロンテ ●嵐が丘｜フィツジェラルド ●華麗なるギャツビー／●雨の朝パリに死す｜ヘッセ ●車輪の下に｜Ｏ･ヘンリー ●最後の一葉｜ヘミングウェイ ●キリマンジャロの雪｜ポーター ●少女パレアナ／
3月2日付（１）で見たように、1段22点の目録にはフィツジェラルドとヘッセの間に「ジェーン･エア Ｃ･ブロンテ」があるのだけれども、1頁7点の目録にはこの1点だけがないではこの1点は何故か最後（23頁3点め）に添えられている*2。
・18頁
／●パレアナの青春／●スウ姉さん｜ボーモン夫人 ●美女と野獣｜ホーソン ●緋文字｜モーム ●手紙｜モンゴメリ ●赤毛のアン／●アンの青春／
・19頁
｜ルナール ●にんじん｜魯迅 ●阿Ｑ正伝｜Ｌ･Ｉ･ワイルダー 大きな森の小さな家／●大草原の小さな家｜北原白秋訳 ●まざあ･ぐうす｜新美南吉 ●牛をつないだ椿の木｜庄野英二 ●星の牧場／
『大きな森の小さな家』は上にある著者名が長過ぎて●を打っていない。
・20頁
｜松谷みよ子 ●貝になった子ども｜長田 弘 ●ねこに未来はない｜山中 恒 ●ぼくがぼくであること｜斎藤隆介 ●ベロ出しチョンマ｜寺村輝夫 ●魔法使いのチョモチョモ｜カフカ ●城／●審判／
・21頁
／●アメリカ／●変身／●ある流刑地の話｜コクトー ●怖るべき子供たち／●山師トマ／●阿片 ある解毒治療の日記｜バタイユ ●マダム･エドワルダ／
・22頁
｜ロートレアモン ●マルドロールの歌｜ボードレール ●人工楽園｜ランボオ ●ランボオの手紙｜オルコット ●若草物語 上／●若草物語 下／●続 若草物語 上／●続 若草物語 下／
・23頁
【8月25日追記】投稿時には20頁までしか確認出来ていなかったため、21頁と22頁は3月2日付（１）の2頁の目録から推測して記した。21頁は推測通りであったが22頁は誤っており、実は23頁まで存在していた。2頁の目録の順序通りであれば17頁にあるべき1点は最後に添えられていた。当初の・22頁は「｜ロートレアモン ●マルドロールの歌｜ボードレール ●人工楽園｜ランボオ ●ランボオの手紙｜オルコット ●若草物語 上･下／●続 若草物語 上･下／●第三若草物語／●第四若草物語／ 」で、最後に「21頁と22頁は未見。確認したらその旨追記する。（以下続稿）」と添えていた。
