瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

川端康成『伊豆の踊子』(3)

新潮文庫115(2)
 昨日の続きで③と④の本体について。
 ③と④とも7頁まで頁付なし、1頁は扉、3頁「目次」、5頁は「伊豆の踊子」の中扉、7頁は「伊豆の踊子」の扉で、ここまでは組み直されているがレイアウトは同じ。
 8頁から本文、章番号は一回り大きな明朝体の漢数字で2行取り5字下げ、最初の「一」の前はさらに1行分空白。③は1頁17行、1行41字。④は1頁16行、1行38字。
伊豆の踊子」③7〜41頁4行め、④7〜45頁14行め
「温泉宿」③43〜94頁9行め、④47〜104頁5行め
「抒情歌*1」③95〜126頁14行め、④105〜141頁2行め
「禽獣*2」③127〜154頁16行め、④143〜174頁8行め
 「注解」③155〜157頁13行め、1頁21行。④175〜178頁14行め、1頁18行。担当者の名前は入っていない。③と④で注の数は同じで、③は156頁18行め「(二二)輪廻 インド思想・仏教の根本概念の一。‥‥」の如く番号で示すが④は177頁13行め「一二〇 *輪廻 インド思想・仏教の根本概念*3の一。‥‥」と頁で示し、また若干ルビを増やしている。これは本文中の同じ。それから④は作品名をゴシック体で示して区切っており、これを③と合わせるに「伊豆の踊子」が(一)から(四)、「温泉宿」が(五)から(九)、「抒情歌」が(一〇)から(三一)、「禽獣」が(三二)のみの32項目。
 竹西寛子川端康成 人と作品」③158〜165頁10行め、④179〜187頁8行め。末尾に小さく下詰めで、③165頁10行め「(昭和四十八年六月) 」④187頁8行め「(昭和四十八年六月、作家)  」とある。
三島由紀夫「『伊豆の踊子』について」③166〜171頁17行め、④188〜194頁13行め。末尾に小さく下詰めで③171頁17行め「(昭和二十五年八月) 」④194頁13行め「(昭和二十五年八月。作家)  」とある。③172頁に2字下げの注記があって、④では194頁の最後に詰めてある。改行箇所は③を「/」で、④を「|」で示した。④で追加されている部分を太字の灰色で示した。

この稿の冒頭の『川端康成全集』は旧版(全十六巻・昭和23〜29年刊)です。新しい『川端康成全集』/(全|三十五巻・昭和55〜59年刊)では、『伊豆の踊子』は第二巻に、『温泉宿』『抒情歌』は第三巻に、『禽獣』|は第五巻に収/録されています。


 「年譜」③173〜178頁、④195〜201頁。2段組で1段21行、③は1行24字、④は1行23字。
 「文字づかいについて」③は「四」項目、④にはない。
 目録、③百二十二刷は12頁で最後の3頁が「新潮文庫最新刊」、3頁めの2点めまでが「川端康成著」でカバー裏表紙折返しの15点から本書を除いた14点が同じ順序で並ぶ。3頁めの残り4点は堀辰雄著、4頁めの1点めは梶井基次郎著「檸(れもん)檬」、2点めは石坂洋次郎著「青い山脈」、残り4点は井伏鱒二著で5頁め4点めまで。5頁めの残り2点は石川達三著。6頁めは三島由紀夫著、7頁めは井上靖著、8頁め星新一著、9頁めの3点めまでは「カラー版作曲家の生涯」で残り3点は小沢征爾著と武満徹との共著と広中平祐との共著*4
 ④百三十二刷・百三十三刷・百三十五刷・百四十五刷・百四十七刷は201頁までと目録も一致。目録6頁の前半3頁、うち1〜2頁めはカバー裏表紙折返しにある13点のうち本書を除く12点がそのままの順序で並ぶ。③百二十二刷の目録と共通するものは殆ど一致しているが、新たに『眠れる美女』の標題の左脇下詰めで「毎日出版文化賞受賞」が附加されている。なお目録の紹介文は③百二十二刷よりも一回り大きな字になっている。3頁めは1点めが「檸(れもん)檬」2点めは菊池寛著「藤十郎の恋・/恩讐の彼方に」3点め中島敦著「李陵・山月記」4点め中河与一著「天の夕顔」5点めは③百二十二刷の5頁め2点めにあった井伏鱒二著「山椒魚*5」6点め伊藤左千夫著「野菊の墓」。後半3頁は「新潮文庫最新刊」。
 最後に奥付、④の諸刷の異同はそれぞれの発行日、それから百四十五刷と百四十七刷はISBNコードがカバー裏表紙と同じ13桁になっていること、百三十二刷のみ下部の上下を横線で挟まれた2行の1行めの右が「製本・憲専堂製本株式会社」であるが、他は③百二十二刷も含め私の見たものは全て「製本・株式会社植木製本所」である*6。③百二十二刷についてさらに④百三十二刷と比較して見るに、異同は発行日の行の2〜3行め、電話の次が「振  替  〇〇一四〇―五―八〇八」だったのが④百三十二刷ではHPアドレスに、下部の上下を横線で挟まれた2行の2行めの左が「© Hideko Kawabata 1950」であったのが④百三十二刷では「© Masako Kawabata 1950」に変わっている*7。(以下続稿)

*1:ルビ「じよじようか」。

*2:ルビ「きんじゆう」。

*3:ルビ「がいねん」。

*4:8月30日追記】③百二十三刷もこのメモの限りでは③百二十二刷に同じ。

*5:ルビ「さんしよううお」。

*6:3月19日追記】④百四十三刷を百四十五刷と比較するに、異同は奥付のそれぞれの発行日のみ。

*7:8月30日追記】③百二十三刷と④百三十三刷を比較するに、それぞれ③百二十二刷と④百三十二刷に一致するようである。