・集英社文庫(1)
・1991年2月25日第1刷(361頁)
・1993年7月18日第5刷 定価343円*1
・1994年6月5日第6刷 定価343円
・1996年6月16日第7刷 定価343円*2
・1998年6月10日第8刷 定価343円*3
・2009年4月13日第10刷 定価343円
・2012年3月6日第11刷 定価343円
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1991/02/20
- メディア: 文庫
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私の見た第6刷と第10刷にはほぼ同じカバーが掛かっている。違いは背表紙の地色が第6刷が淡い黄土色(■)、第10刷は淡い紅色(■)というのみ。第11刷の背表紙も淡い紅だが、第10刷より濃くなっている*4。
第10刷と第11刷のカバーの異同は、カバー表紙折返し下部が第10刷はゴシック体で2行「カバーデザイン/菊池信義」「イラストレーション/吉野朔実」とあったのが、第11刷では若干小さく「装画/吉野朔実」「AD/菊池信義」「口絵レイアウト/野崎麻理」と3行になっていることと*5、カバー裏表紙折返し「集英社文庫 ザ・スタンダード」で、37点38冊であるのは同じだが、第11刷は3番めに「生れ出づる悩み 有島武郎」が挿入され、第10刷14番め「走れメロス・おしゃれ童子 太宰治」が第11刷15番め「走れメロス 太宰治」に、第10刷16番め「これが私の優しさです 谷川俊太郎詩集」が第11刷にはない*6。
もちろん、平成6年(1994)当時、ISBNコードは13桁ではなかったはずで、私の見た第6刷のカバーはごく最近に掛け替えられたものであろう。
口絵は同じ。
1頁(頁付なし)扉は違っていて、第6刷は角切の匡郭(10.8×7.5cm)内、横組みで上部に「集英社文庫/三 四 郎/夏 目 漱 石」、下部に「S」を変形させた(黒い台形の間を太い三重線で繋ぐ)マークがあってその下に「集 英 社 版」とある*7。
第10刷・第11刷は三重線の匡郭(12.1×7.9cm)内の上部に横組みで、明朝体でやや大きく標題、ゴシック体で著者名、下部に将棋の駒のような形と「S」を組み合わせたマークと「集英社文庫」。
以下は361頁まで一致。3頁(頁付なし)「目次」、5頁(頁付なし)中扉で標題、6頁から本文、312頁まで。1頁17行、1行40字。313〜324頁「語 注」1頁20行、全部で167項。325〜344頁、小森陽一「解説 ――光のゆくえ」。345〜351頁、三田誠広「鑑賞 ――十五歳の春」。352〜361頁「夏目漱石 年譜」。
頁付があるのは361頁まででその裏、下部に第6刷は「資料写真提供」5行*8、第10刷・第11刷はその前に1行空けてゴシック体で「口絵レイアウト/野崎麻理」と1行。
次に「集英社文庫 目録(日本文学)」が5頁、第6刷は1頁めは中上健次から楢山芙二夫まで、2頁めは南条範夫から萩原朔太郎まで、3頁めは萩原良彦から半村良まで、4頁めは半村良から福本和也まで、5頁めは福本和也から堀晃まで。第10刷は1頁めは中島らもから西澤保彦まで、2頁めは西澤保彦からはた万次郎まで、3頁めははた万次郎から林田慎之助まで。4頁めは原宏一から東野圭吾まで、5頁めは東野圭吾から藤本ひとみまで。第11刷は1頁めは夏樹静子から野口健まで、2頁めは野口健から帚木蓬生まで、3頁めは浜辺祐一から原田宗典まで。4頁めは原田宗典から樋口一葉まで、5頁めは備瀬哲弘から藤田宜永まで。かなり出入りがある。第6刷は1頁め下段11〜14点めに「夏目漱石 坊っちゃん/夏目漱石 三四郎/夏目漱石 こころ/夏目漱石 夢十夜・草枕」が並ぶ。第10刷は1頁め下段6〜10点めで「夏目漱石 吾輩は猫である(上)(下)」が追加されている。第11刷は1頁め上段2〜6点め*9。
奥付の文字は全て横組み、第6刷については今手許にある『こころ』第22刷(2002年6月8日)と比較してみる*10。
中央やや上と下部に太い横線(7.5cm)があって、その間に第6刷は6.8cm、『こころ』第22刷は7.3cm、上の太線の上、左寄せで、1行め扉にあったSのマークとゴシック体で「集英社文庫」、2行めに標題、本書には振仮名「さんしろう」。下の太線の下、右寄せで1行め「Printed in Japan」、2行めは太字で「ISBN4-08-752008-0 C0193」、『こころ』第22刷は「ISBN4-08-752009-9 C0193」。
太線の間、まず左寄せ太字で第1刷とそれぞれの刷の年月日、右寄せで小さく「定価はカバーに表/示してあります。」少し空けて「著者」振仮名「なつめそうせき」、「発行者」別人、「発行所」社名の下に住所、その下に第6刷「〒101-50」、『こころ』第22刷は「〒101-8050」、電話は最初1行で第6刷「電話 東京 」とあったが『こころ』第22刷は「電話 03 」となってる。その右に下8桁が(編集)(販売)(制作)の3行に分かれているのは同じ、但し1行めの下4桁「6100(編集)」が『こころ』第22刷では「6095(編集)」に変わっている。
「印刷」は同じ会社、細い横線があって、その上に2行「複写複製」についての断り書は同文、横線の下、第6刷は2行「|落丁・乱丁の本が万一ございましたら、小社制作部宛にお送りください。/送料小社負担でお取り替えいたします。|」だったのが、『こころ』第22刷は「|造本には十分注意しておりますが、乱丁・落丁(本のページ順序の間違い/や抜け落ち)の場合はお取り替え致します。購入された書店名を明記して/小社制作部宛にお送りください。送料は小社負担でお取り替え致します。 /但し、古書店で購入したものについてはお取り替え出来ません。|」に変わっている。これらの異同は1月15日付「夏目漱石『こゝろ』の文庫本(8)」の第6刷と第21刷の異同に一致するようだ。
第10刷と第11刷はそれぞれの発行日が違う他、下部に上下の細い横線に挟まれて第10刷は2行と半行分空けて3行、第11刷は3行と3行の但し書がある。前半の1行め、第10刷は最後3字分空白にして2行め「著作権の侵害となります。」までだったのが、第11刷はこれを空白を詰めて「著作権/の侵害となります。また、業者など、読者本人以外による本書のデジタル化は、いかなる場合で/も一切認められませんのでご注意下さい。」としている。後半は第10刷「造本には十分注意しておりますが、乱丁・落丁(本のページ順序の間違いや抜け落ち)の場合は/お取り替え致します。購入された書店名を明記して小社読者係宛にお送り下さい。送料は /小社負担でお取り替え致します。但し、古書店で購入したものについてはお取り替え出来ません。」とあったが、第11刷は2行めの最後、第10刷が2字分空白にしていたところに「小社」を詰めて、3行めの句読点が第10刷では半角になっていたのを全て全角にしている。
【附記】これは昨年の8月中旬に草稿を作成し、今年1月中旬に改訂したが「赤いマント」連載中であったので上げずに置いたのであったが、一昨日、集英社文庫『地獄変』の改装について触れてこの記事を作ってあったことを思い出し、こちらを先に上げて置くべきだったと思ったのである。――たまに、作りかけて詰め切れずに放置してある記事があるのを忘れて、一から書いたようなことがある。
*1:2018年12月2日追加。
*2:2015年11月26日追加。
*3:2019年4月16日追加。
*4:【2015年12月22日追記】私の見た第7刷は背表紙が白いが褪色したのかも知れない。
*5:【2015年12月22日追記】私の見た第7刷は明朝体で3行、第11刷のカバーと一致する(ようである)。すなわち第10刷よりも後に掛け替えられたものということになろう。
*6:【2015年12月22日追記】私の見た第7刷は第10刷に一致する(ようだ)。
*7:【2015年12月22日追記】第7刷も同じ。
*8:【2015年12月22日追記】第7刷も同じ。
*9:【2015年12月22日追記】第7刷は1頁めは中島らもから南条範夫まで、2頁めは南条範夫からねじめ正一まで、3頁めは野坂昭如から林望まで、4頁めは林真理子から平岩弓枝まで、5頁めは平岩弓枝から藤本義一まで。夏目漱石は1頁め下段5〜9点めに第10刷と同じ5点6冊。すなわち「夏目漱石 吾輩は猫である(上)(下)」の追加は第7刷に際してなされたものであった。
*10:【2015年12月22日追記】第6刷と第7刷の奥付の異同は、それぞれの発行日のみ(のようだ)。