瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

北杜夫『楡家の人びと』(1)

新潮文庫(2冊)(1)
 北杜夫『楡家の人びと』は2013年10月26日付「赤いマント(5)」にて取り上げた。当時私の参照したのは新潮文庫の上下2冊本で、書影も貼って置いたが、これは1つ前の版で、現在は第一部・第二部・第三部の3冊本になっているのである。そこで、図書館通いのついでに気を付けて、2冊本と3冊本を見て置くようにした。
 まず、2冊本について、私の見た諸刷間の異同のメモを上げて置く。(上)四十七刷改版(下)四十四刷改版以前の刷を見ることが出来たら、その時により細かいところまで確認しようと思っている。
新潮文庫1966『楡家の人びと(上)』(1)
①昭和四十六年五月二十五日発行(442頁)
・昭和五十一年四月一日発行 高校図書館用*1
・昭和六十三年十二月二十五日三十九刷・定価505円*2
②平成六年二月二十五日四十七刷改版(461頁)
・平成九年三月五日五十刷・定価583円*3
・平成十三年一月二十五日五十三刷・定価629円*4
・平成十六年十月三十日五十六刷・定価629円
・平成十八年二月十五日五十七刷・定価629円
・平成十八年十二月三十日五十八刷・定価629円
 カバーにはISBNコードが10桁のものと、13桁のものを見ている。10桁の方は五十六刷と五十七刷と五十八刷に掛かっている。五十六刷と五十七刷のカバーは一致。五十八刷はカバー表紙・表紙折返し・背表紙・裏表紙は一致するが、裏表紙折返しは異なる*5
 私が見たISBNコードが13桁のカバーは、五十六刷に掛かっていた。カバー表紙・背表紙・表紙折返しは10桁のものに一致する。裏表紙は横線の上のバーコード・定価・紹介文は一致。ISBNコードは「ISBN4-10-113106-6」から「ISBN978-4-10-113106-1」に変わっており、これはバーコード1つめの数字に一致。
 カバー裏表紙折返し、上部に著者紹介*6、その下の他の著者に比して縮小されている「――――――新潮文庫――――――/北杜夫の本|」があって、破線で左右2列に分けられ、10桁の五十六刷と五十七刷は左に7点8冊、右に6点6冊。五十八刷及び13桁の五十六刷は左に7点8冊、右に7点7冊、左の7点8冊は一致、五十七刷11点め『消えさりゆく物語』が五十八刷ではなくなり13点め『マンボウ 阪神狂時代』14点め『酔生夢死か、起死回生か。』が追加されており、これは下巻五十二刷の13桁のカバー、裏表紙折返し上部にあるものに一致*7。最下部「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」は一致。
 本体、461頁と奥付の間の見開き2頁が目録で、1頁め、五十六刷とでは五十七刷の1頁め1・2番めと2頁めの1・2番めは一致*8。五十六刷1頁め3番め『孫ニモ負ケズ』と2頁め4〜6番め『さびしい乞食』『さびしい姫君』『消え去りゆく物語』の4点は五十七刷にはない。五十六刷1頁め4番め「木 (こだま) 精/―或る青年期と追想の物語―」は五十七刷1頁め3番めに、五十六刷1頁め5番め『どくとるマンボウ青春記』は五十七刷2頁め3番めに、五十六刷1頁め6番め「母の影」は五十七刷1頁め4番めに移されており、五十七刷では新たに4点、1頁め5番め『船乗りクプクプの冒険』2頁め4番め『マンボウ遺言状』5番め『マンボウ恐妻記』、そして6番めは遠藤周作『狐狸庵閑話』となっている。五十八刷では『狐狸庵閑話』が『マンボウ 阪神狂時代』に差し替えられている。
 カバーにあって五十七刷の目録にないのは「楡家の人びと(上・下)」と「消え去りゆく物語」の2点3冊。五十八刷の目録にないのは「楡家の人びと(上・下)」と「酔生夢死か、起死回生か。」の2点3冊。
 奥付はそれぞれの発行日が違うのみ*9。(以下続稿)

*1:9月5日追加。①の頁数も追加。

*2:2016年4月16日追加。

*3:2016年6月20日追加。

*4:12月3日追加。

*5:2015年1月4日追記】②五十三刷のカバーも裏表紙折返し以外は一致。

*6:2015年1月4日追記】②五十三刷は紹介文の最後、8〜10行め「‥‥等/の小説を発表する一方、ユーモアあ/ふれるエッセイの執筆も多い。」となっていたが五十六刷は8〜11行め「な/どの小説を発表する一方、ユーモア/あふれるエッセイでも活躍している。/Photo © Shinchosha」との書き換えと追加がある。

*7:2015年1月4日追記】②五十三刷は左10点11冊「夜と霧の隅で/幽 霊/―或る幼年と青春の物語―/どくとるマンボウ航海記/どくとるマンボウ昆虫記/船乗りクプクプの冒険/楡家の人びと(上・下)/遙かな国 遠い国/天井裏の子供たち/黄いろい船/木 (こだま) 精/―或る青年期と追想の物語―」、右11点11冊「マンボウ周遊券/白きたおやかな峰/さびしい王様/酔いどれ船/さびしい乞食/さびしい姫君/怪盗ジバコ/マンボウ氏の暴言とたわごと/神々の消えた土地/母の影/孫ニモ負ケズ」。

*8:2015年1月4日追記】②五十三刷を五十六刷と比較するに、1頁め6点め『白きたおやかな峰』が『母の影』に、2頁6点め『怪盗ジバコ』が『消えさりゆく物語』に、差し替えられている。

*9:2015年1月4日追記】②五十三刷では五十六刷のHPアドレスのあるところが空白になっている。