・新潮文庫（3冊）（１）
従来の2冊本は第二部を半分に分けていたが、1部ごとに分冊にした3冊本に改編された。
カバー背表紙が紺地で明朝体白抜きで入っている標題は若干太くなっているが同じ大きさ。その下に半角分空けて2冊本は横並びで「(上)」とあったが「第一部」などとなっている。中央やや下の著者名は2冊本の方が太く見える。下部に角切長方形に白く抜いて［き ４ ×］とあって「×」のところ2冊本は「６／７」、3冊本は「57／58／59」すぐ下に白抜きゴシック体で「新潮文庫」、最下部は黒地の横長長方形になっており、白抜きゴシック体で「\629／\667／\552／\590／\552」と定価が入っている。
・新潮文庫9250 第一部
- 作者:北 杜夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/07/05
- メディア: 文庫
・平成二十三年十一月十五日三刷・定価552円
・平成二十三年十一月三十日四刷・定価552円*1
・平成二十四年一月五日五刷・定価552円
・平成二十五年四月五日六刷・定価552円*2
・平成二十八年十二月二十日七刷・定価590円*3
本体の異同は、奥付に、三刷と五刷はそれぞれの発行日が追加されているのみ。なお、発行日が同じ第二部・第三部の奥付との異同は、(第×部)の数字と整理番号「き−４−57（58・59）」、下部のISBNコード「ISBN978-4-10-113157-3（58-0・59-7）」のみ。それから第二部の四刷（平成二十三年十一月三十日）までは「© Morio Kita 1964」とあったが五刷（平成二十四年一月五日）から「© Kimiko Saitô 1964」に変わっている。
カバーは三刷と五刷は一致。初刷とは折返しが異なる。
カバー表紙折返し、右下に「カバー装幀 平 野 甲 賀」とあるのは第二部・第三部も同じ。上部に著者の顔写真と略伝があるのは第一部のみ。上部に、2本の横線に挟まれて、右側に白黒の顔写真、左上に初刷では「北杜夫／Kita Morio」とのみだったが三刷では「(1927―2011)」が追加されている。この間、平成23年（2011）10月24日に死去している。従って、この下の紹介文も書き換えられており、三刷は1行め「東京青山生れ。旧制‥‥」から始まっているが、初刷では1〜2行め「1927(昭和2）年、東京青山生れ。旧／制‥‥」であった。初刷の3行め「‥‥／を卒業。'60年、半年間の‥‥」が三刷2〜3行め「‥‥を卒業。1960(昭和／35)年、半年間の‥‥」と生年を削った分、ここを増やしている。初刷は10行め「‥‥／あふれるエッセイでも活躍している｡」と目一杯記載していたが、三刷9〜10行めは「‥‥あふ／れるエッセイでも活躍した。」と書き換えて、最後に3字分余裕がある。11行め「Photo © Shinchosha」は同じ。
カバー裏表紙折返し「―――新潮文庫―――／北杜夫の本｜」は1列で、初刷は12点で新潮文庫1967『楡家の人びと(下)』五十二刷にあった12点に同じで6番め「楡家の人びと(上･下)」が「楡家の人びと(第一部〜第三部)」に変わっており、発行日の同じ第二部・第三部の初刷も一致。三刷では13点になっており、11点めまでは初刷の12点から本書を抜いた11点で、「楡家の人びと(第一部〜第三部)」は12番めに移されている。13番め「マンボウ 最後の大バクチ」が新たな追加、平成二十三年九月一日発行。下部の「カバー印刷 錦明印刷 デザイン 新潮社装幀室」は第二部・第三部とも共通。
なお、カバー裏表紙右上の明朝体横組み11行（1行16字）は2冊本の(下)と第二部・第三部とは殆ど一致しないが、本冊は2冊本の(上)にあったものを下敷きにしている。異同を挙げると1行め「包容力」→「人当たりの良さ」、1〜2行め「からも／一族からも信頼される、」→2行め「の信頼を集める」、3〜5行め「な着想と明治生／れの絶大な精力で築いた、七つの塔／と円柱の並び立つ」→3〜5行め「的な着想と明治生まれ／の破天荒な行動力をもって、一代で／築いた」、7行め「／は純朴に、ある者は漠と」→6〜7行め「は純朴に、／ある者は夢見がちに、ある者は漠と／」、8〜11行め「ながら、歴史の流れの中に／夢み、抗い、そして消えて行く。人／間の俗人性、凡庸性を温かい心と冷／徹な眼でとらえた名作。」→8〜11行め「ながら、それぞ／れの生を紡いでゆく。東京青山の大／病院と、そこに集う個性豊かな一族／の、にぎやかな年代記の幕が上がる｡」。（以下続稿）
