瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

田山花袋『東京震災記』(1)

 22日の帰りに図書館に立ち寄ったら夕立で出られなくなった。職場を出るときに北方と東方に積乱雲を目撃していたのだが、油断して置き傘を持たずに出てしまった。それですぐに出て来れば良かったものを、例によってぐずぐずしているうちに、出られなくなってしまった。強行突破すれば濡れ鼠になり、先刻借りた本に染みが出来てしまうことだろう。幸い夜間も開館している館だったのでしばらく待つことにして、30分程待って気付くと雨音がしなくなっていたのでまだ止んでいなかったが駅まで走った。
 今日は降られずに済んだが、職場を出るのに手間取って、別の図書館なのだけれども、閉館時間に間に合わなかった。あそこで余計な××をしなければ、1本前の電車に乗れていたら、エレベーターに間に合っていたら借りられないまでも窓口に返せたはずだとか、いろいろ悔いが残って、結句、汗にまみれただけだった。仕方がないので今日が返却起源の本を返却ポストに投げ込んで、手ぶらで(もないのだけれども)帰った*1

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・現代教養文庫1396(1991年8月30日初版第1刷発行・定価583円・社会思想社・288頁)
 社会思想社の廃業に伴って現代教養文庫も絶版となったが、復刻版が、紙と電子書籍の2種出ている。

東京震災記 (教養ワイドコレクション (071))

東京震災記 (教養ワイドコレクション (071))

 未見。それから、3年前の震災を承けて河出文庫に収録された。
河出文庫(二〇一一年八月一〇日初版印刷・二〇一一年八月二〇日初版発行・定価570円・河出書房新社・253頁)
東京震災記 (河出文庫)

東京震災記 (河出文庫)

 253頁の裏、奥付の向いの頁(頁付なし)に、中央やや下に明朝体縦組みで小さく、

本書は底本として、『東京震災記』(社会思想社・現代教養文庫・一九九一年)を使用した。/振り仮名について、新たに付記を行った。本書の初刊は『東京震災記』(博文館・一九二/四年)、一部不適当な表現が用いられているが、原文を尊重し、そのままとした。明らか/な誤植と思われるものは正した。

とある。現代教養文庫版の方は288頁の次は白紙で、その裏、やはり奥付と向い合う頁(頁付なし)に、下部に縦組みで、

 <付記>
●本書の底本には、田山花袋著/『東京震災記』(博文館、一九二/四年四月刊)を使用した。
●表記を原則として新字体・現/代仮名づかいに改めた。
●一部の漢字を平仮名に改めた。
●意義の通じる限り字句の原形/を保存した。
●本書中に不適切な語句がつか/われている箇所があるが、原文/を尊重してそのままとした。
          編集部

とあった。二重鍵括弧は半角。
 現代教養文庫版の校訂方針は、現代教養文庫版を見ないと分からない。確かに河出文庫版の編集者がこれらの処理をした訳ではないから、それを示さないというのも分かるのだけれども、方針を踏襲していることになるのだから、やはり現代教養文庫版の処理方法も、河出文庫版の方に、何らかの形で示して欲しいと思うのである。(以下続稿)

*1:「××」には特に意味はありません。1つではなくて複数しなくとも良かったことを出る間際に何だか気になってしてしまったので、それらのいづれかを特定せずに「××」とした次第です。一々列挙するのも馬鹿馬鹿しいし、もう一部忘れているので。