瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

講談社版「遠藤周作の本」の目録(1)

 1頁めの1行、右に太線があって、上詰めで「遠藤周作の本■」下詰めで「講談社版」とある。この頁は以下6点で、2頁めから7点ずつ。
 今回、オイルショック(昭和48年10月)前後の例を1つずつ示すことが出来た。今後、同じものを見たらここに追加して行くこととする。異なる版を見ることが出来たら、別記することにする*1
①『ぐうたら交友録』第5刷(昭和48年2月28日)
 228頁の次が奥付で、その裏は白紙。目録は4頁でさらに裏見返しの遊紙の他に、1枚白紙が挟まる。
 上部に明朝体太字で標題、下部に1行26字で明朝体3行の紹介文、3行めに下詰めで、ゴシック体で定価等が入る。以下、標題を列挙し、これに3行めの定価その他の情報を添えた。2行めに始まるものは、改行位置を「\」で示した。
・1頁め「|ぐうたら人間学 二九〇円|ぐうたら交友録 二九〇円|狐狸庵閑話 五九〇円|ただいま浪人 六二〇円|〈遠藤/周作〉ユーモア小説集 五二〇円 ロマンブックス版/三八〇円遠藤周作怪奇小説集 五四〇円 ロマンブックス版/三九〇円
・2頁め男児・怪男児 四九〇円 ロマンブックス版/三六〇円|どっこいショ 五五〇円 ロマンブックス版/三九〇円楽天大将 四九〇円 ロマンブックス版/三四〇円|わたしが・棄てた・女 三五〇円ロマンブックス版/三二〇円 講談社文庫版/一八〇円|おバカさん 四六〇円 ロマンブックス版/二六〇円|結婚 三四〇円|闇のよぶ声 五八〇円
・3頁め哀歌 五八〇円 講談社文庫版/二〇〇円|青い小さな葡萄 五二〇円|海と毒薬 代文学秀作シリーズ/四五〇円 講談社文庫版/一二〇円|白い人・黄色い人ほか二編 講談社文庫版/一四〇円|聖書のなかの女たち A5変型版/五八〇円 講談社文庫版/一六〇円遠藤周作シナリオ集 七四〇円■現代の文学20遠藤周作 六八〇円
・4頁め一・二・三! ロマンブックス版/三八〇円|協奏曲 ロマンブックス版/三二〇円|灯のうるむ頃 ロマンブックス版/三六〇円|ぐうたら愛情論|ぐうたら好奇学|うちの女房、うちの息子|ぼくたちの洋行
 最後の4点は紹介文なく、その位置の上部に(仮題)とあって、そこから縦線を引き、下部に「48年刊行予定/   編集中」とある。
②『ぐうたら交友録』第17刷(昭和48年7月20日*2
③『遠藤周作怪奇小説集』第一四刷(昭和四九年二月四日)
 掲載されているのは順序の前後はあれ、殆ど『ぐうたら交友録』第5刷に同じ。
 紹介文も同じだが、3行め下詰めに定価が入っていない。これは、オイルショック後の狂乱物価のために定価を示せなくなってしまったためである。すなわち、
2頁め1・2・7点め「ロマンブックス版 講談社文庫版もあります
2頁め3〜6点め・4頁6点め「ロマンブックス版もあります
3頁め1・3〜5点め「講談社文庫版もあります
4頁め1〜3点め「ロマンブックス版のみ
となっていて、定価のみが入っていたところは空白になっている。
・1頁め「|ぐうたら人間学|ぐうたら交友録|ぐうたら愛情学|ぐうたら好奇学|狐狸庵閑話|ただいま浪人
・2頁め〈遠藤/周作〉ユーモア小説集|〈遠藤/周作〉第二ユーモア小説集|遠藤周作怪奇小説集|快男児・怪男児|どっこいショ|楽天大将|わたしが・棄てた・女
・3頁めは同じ。
・4頁め一・二・三!|協奏曲|灯のうるむ頃|おバカさん|闇のよぶ声|結婚|ぼくたちの洋行
 最後に「(仮題)―――〈48年刊行予定/   編集中〉」になっていた4点のうち、『ぐうたら愛情学』『ぐうたら好奇学』の2点が1頁めに収まっている。前者は仮題から改題されている。『うちの女房、うちの息子』がなくなっているが、その分は『〈遠藤/周作〉第二ユーモア小説集』の追加で埋められている。『ぐうたら好奇学』『うちの女房、うちの息子』は昭和49年(1974)刊で後者は2月には未刊。「編集中」のままとなっているのは最後の『ぼくたちの洋行』のみで「49年刊行予定」に変わっている。結局、刊行されたのは昭和50年(1975)であった。(以下続稿)

*1:9月28日追記】早いものから番号を附すこととして「・」を丸数字に変えてそれぞれ「①『ぐうたら交友録』第5刷」「③『遠藤周作怪奇小説集』第一四刷」とした。これは2013年4月27日付「「新潮社の辞典!」の広告(5)」と同じようにして、今後異版を見るごとに必要があれば番号を変えることにする。

*2:9月28日追加。詳細は別記。【10月13日追記9月29日付(2)に記述。