瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

北杜夫『マンボウ恐妻記』(2)

新潮文庫7607『マンボウ恐妻記』(2)
 既に10月15日付(1)に追加して置いたように、八刷と九刷を見た。
 九刷には帯が掛かっている。長さ38.8cm、幅5.0cm、両端7.5cmずつ白地で、表・背・裏は紺地、紺地は折返しにも1.0cmずつ入り込んでいる。文字は白抜きで、背には楷書体縦組みで「追悼 北 杜夫」、表は楷書体横組みで大きく中央揃えで「追悼/北 杜夫」、裏は縦組みで、まず白い線で長方形を2つ(4.3×0.6cmと4.1×0.8cm)重ねて描き、その中に楷書体で「新潮文庫 北 杜夫の本」、次いでゴシック体で「夜と霧の隅で芥川賞受賞)/楡家の人びと 全三冊/幽 霊 或る幼年と青春の物語/木精 或る青年期と追想の物語/母の影/船乗りクプクプの冒険/さびしい王様/どくとるマンボウ航海記/どくとるマンボウ昆虫記/どくとるマンボウ青春記/マンボウ遺言状/マンボウ恐妻記/マンボウ 最後の大バクチ」の13点15冊を列挙。
 以下、八刷と九刷を比較して見る。それ以前の刷との比較は追って果たす。
 カバー表紙・カバー表紙折返し・カバー裏表紙同じ。
 カバー表紙折返し、3月28日付「北杜夫『楡家の人びと』(3)」で比較した新潮文庫9250『楡家の人びと 第一部』初刷と三刷の、八刷は前者に一致、九刷は後者に一致。八刷の時点で北氏は死去しているのだが、カバーは生前のものが掛かっている。
 カバー裏表紙折返し、最下部に小さく「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」、上部の「――――――新潮文庫――――――/北杜夫の本|」は、八刷は破線で左右2列に分けられ、左に6点7冊「夜と霧の隅で/幽 霊/―或る幼年と青春の物語―/どくとるマンボウ航海記/どくとるマンボウ昆虫記/船乗りクプクプの冒険/楡家の人びと(上・下)」右に5点5冊「木 (こだま) 精/―或る青年期と追想の物語―/さびしい王様/どくとるマンボウ青春記/マンボウ遺言状/マンボウ恐妻記」。『楡家の人びと』が上下2冊本から3冊本に改変されたのは北氏の最晩年だが、それよりも前に準備したカバーを掛けているのである。九刷は新潮文庫9250『楡家の人びと 第一部』三刷に同じで1列に「夜と霧の隅で/幽 霊/―或る幼年と青春の物語―/どくとるマンボウ航海記/どくとるマンボウ昆虫記/船乗りクプクプの冒険/木 (こだま) 精/―或る青年期と追想の物語―/さびしい王様/母の影/どくとるマンボウ青春記/マンボウ遺言状/マンボウ恐妻記/楡家の人びと(第一部〜第三部)/マンボウ 最後の大バクチ」。
 本体、目録3頁め2点めまで一致。2頁め3点めまで「北杜夫」で1頁めは「夜と霧の隅で/芥川賞受賞」「どくとるマンボウ/航海記」「どくとるマンボウ/昆虫記」「船乗りクプクプの冒険」「楡家の人びと/(第一部〜第三部)毎日出版文化賞」「母の影」、2頁めは「どくとるマンボウ/青春記」「マンボウ遺言状」「さびしい王様」。2頁め4点めから3頁め2点めまでは「斎藤由香」で「窓際OL トホホな朝/ウフフの夜」「窓際OL 会社は/いつもてんやわんや」「窓際OL 親と/上司は選べない」「窓際OL 人事考課でガケっぷち」「猛女と呼ばれた淑女/―祖母・斎藤輝子の生き方―」。3頁め3点め「〈斎藤茂太斎藤由香〉著 モタ先生と窓際OLの/心がらくになる本」が「遠藤周作 海と毒薬/毎日出版文化賞新潮社文学賞受賞」に差替えられている。残り3点は一致。4〜6頁め「新潮文庫最新刊」。
 奥付の異同はそれぞれの発行日のみ。(以下続稿)