瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

遠藤周作『作家の日記』(5)

・『ルーアンの丘』(2)
 9月13日付(4)に紹介した『ルーアンの丘』第1版第1刷について、帯の保存されている本を見たので、メモして置く。『作家の日記』とは別に立てるべきかと思ったのだが、留学中の日記ということで一纏めにして置く。
 長さ45.1cm、幅5.7cm、裏側は何も印刷されていない白地で、表側は朱色に地色を刷ってある。
 表紙には横組みで、まず明朝体白抜きで大きく「こんなにも瑞瑞しい*1/青春があった*2」として、2行めの左に黒の明朝体で「生きる感動と、求めてやまな/い心の旅… 青年遠藤の 」とある。さらに続けて「冒険に拍手![妹尾河童] 清冽な文章。最近読んだ、最も/新鮮なラブストーリー。[柴門ふみ] PHP研究所 定価1,300円[本体1,238円]」とある。人名は明朝体太字で[ ]の括弧は細い。最後の版元と定価はゴシック体で[ ]のところは長方形(線で囲われている)。そして最下部を長方形に白く抜いて(1.0×12.5cm)朱色のゴシック体で「未発表のエッセイと日記、遠藤文学の原点発見」とある。
 背表紙には白抜き明朝体縦組みで「こんなにも瑞瑞しい*3/   青春があった」とあり、下部に「PHP 」のロゴ。
 表紙折返しは中央に黒の双郭(3.7×3.4cm、幅0.1cm)があって、その中に黒で横組み、「PHP INTERFACEhttp://www.php/co.jp/」とある。太字にしたところは一筆書き風の曲線を主にした太線の字体。1行分空けて「PHP最新書籍情報の検索/から、著者VIDEOイン/タビューまで24時間いつで/もアクセス可能です。  」とある。
 裏表紙折返しは右下に白抜き明朝体縦組みで「ルーアンの丘」とある。
 裏表紙は黒の明朝体縦組みで、

先生の没後、私はフランス/留学時代に書かれ、単行/本にはなっていない旅行記/があるのを知らされた。/ほぼ同時に、留学時代の/日記の未発表分が見つか/ったことを聞いた。そこに/は、私の知ることのなかっ/た世界があった。若い日の/遠藤周作の、みずみずし/い情感と人生への覚悟、/信仰と懐疑、そして哀し/みと苦しみが告白されて/いた。私が知ることのな/かった、小説家をめざし/たひとつの知性の、生身/の感慨だった。
 ――――[解説・加藤宗哉]より

とあって、195〜210頁、加藤宗哉「解説」を見るに、200頁1〜6行めの段落に該当する。但し一部整理されているので、帯で省略された箇所を灰色の太字にして示そう。

 先生の没後、私はそのフランス留学時代に書かれ、しかしまだ単行本にはなっていない/旅行記があるのを知らされた。そしてほぼ同時に、留学時代の日記の未発表分が見つかっ/たことを聞いた。私は願い出て、さっそくその両方を読ませてもらった。そこには、私の/知ることのなかった世界があった。若い日の遠藤周作の、みずみずしい情感と人生への覚/悟、信仰と懐疑、そして哀しみと苦しみが告白されていた。それは私が知ることのなかっ/た、小説家をめざしたひとつの知性の、生身の感慨だった。

*1:ルビ「みずみず」。

*2:「青」は「瑞瑞」の下に位置している。

*3:ルビ「みずみず」。