瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

川端康成『雪国』の文庫本(3)

新潮文庫1(3)
 12月3日付(2)の続きで、百二十刷・百二十二刷の本体を比較して見る。
 179頁の裏(頁付なし)に「この作品は昭和十二年六月創元社より刊行された。」まで一致。
 目録、百二十刷は3頁め2点めまで「川端康成*1。百二十二刷は百二十刷の1頁め2点め「花のワルツ」2頁1点め「川のある下町の話」がなくなっており、以下がズレている。百二十刷2頁め6点めにある「眠れる美女」に、百二十二刷2頁め4点めでは左に下詰めで「毎日出版文化賞受賞」と添えてある。百二十二刷は3頁め1点めまで「川端康成」の「天授の子」、2点め「〈川端康成三島由紀夫〉著 〈川端康成三島由紀夫〉往復書簡」は百二十刷にはなかった。百二十刷3頁め3〜5点めは百二十二刷3頁め4〜6点めに同じ*2。百二十刷3頁め6点め「黒井千次 春の道標」百二十二刷3頁め4点め「伊藤左千夫 野菊の墓」。4頁め一致*3。5頁めは3点め「石川達三 蒼  氓」は同じだが、百二十刷は「そうぼう」と振仮名を付しているが、百二十二刷は「蒼(そうぼう)氓」となっている。4点めは百二十刷「石川 淳著」の「焼跡のイエス・/処女懐胎」であったのが百二十二刷は「石川達三 青春の蹉跌*4」に差替えられている。6頁め一致。7頁め3点めが「檀 一雄著 火宅の人」は同じだが、左側の添書きが百二十刷は下詰めで「日本文学大賞受賞(全二冊)」であったのが、百二十二刷は「読売文学賞・日本文学大賞受賞(上・下)」となっている。4点めは百二十刷「堀田善衞著」の「広場の孤独/芥川賞受賞」であったのが百二十二刷は「安岡章太郎」の「海辺の光景/芸術選奨野間文芸賞受賞」に差替えられている。8頁めは6点め百二十刷「池澤夏樹 南鳥島特別航路」が百二十二刷「田辺聖子 姥 勝 手」に差替えられている。9〜11頁*5新潮文庫最新刊」。
 奥付の異同はそれぞれの発行日と、百二十刷の「電話」の次にあった「振  替  〇〇一四〇―五―八〇八」が百二十二刷では空白になっていること。

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 百二十二刷・百二十五刷・百二十八刷・百二十九刷、1頁め一致。2頁め1点め、百二十二刷は「虹いくたび」であったが、百二十五刷からここに、百二十二刷では3頁め2点めにあった「〈川端康成三島由紀夫〉著 〈川端康成三島由紀夫〉往復書簡」が移動している。残りは同じ。百二十二刷は3頁め1点めまで「川端康成著」で、最後は「天授の子」であったが、百二十五刷の3頁め1〜2点めは「谷崎潤一郎著」で1点め「細 (ささめゆき) 雪/毎日出版文化賞受賞(上・中・下)」2点め「鍵・瘋癲老人日記*6毎日芸術賞受賞」に差し替えられている。百二十二刷と百二十五刷は3頁め3点め〜8頁め3点め一致。百二十八刷はこの中で1点だけ、5頁め3点め「石川達三 蒼 (そうぼう) 氓」が「小川未明 小川未明童話集」に差し替えられている。8頁めは4点め、百二十二刷「曾野綾子 聖書のなかの友情論」が百二十五刷「田辺聖子 人間ぎらい」に差替えられ、8頁めの後半3点は全て「田辺聖子著」になってしまった。百二十八刷はここが「瀬戸内寂聴 私の京都 小説の旅」に差し替えられ、8頁めは4点めまで瀬戸内氏関連の本になっている。9〜11頁「新潮文庫最新刊」。
 奥付の異同はそれぞれの発行日と、百二十二刷「© Hideko Kawabata 1971」が百二十五刷では「© Masako Kawabata 1971」になっていること、「電話」の次の2行分の空白の右側に百二十八刷からHPアドレスが入っていること、「発行所」の左に小さく入っている郵便番号や価格表示場所についての断書きが、百二十五刷までは最後の2行「乱丁・落丁本は‥‥」に比して4.5字下げであったのが、百二十八刷は約6字下げになっている。(以下続稿)

*1:8月8日追記】百九刷は3頁め3点めまで15点が「川端康成著」で、カバー裏表紙折返しの16点から「雪国」を除いたものと順序も同じ。3頁め2点め「新文章読本」が百二十刷にはなく、3点め「千羽鶴」が百二十刷では2点めになっている。

*2:8月8日追記】百九刷の3頁め4・5点めは百二十刷の3・4点めに同じ。百九刷の6点めは「宇野千代 色ざんげ」。

*3:8月8日追記】百九刷の4〜7頁めは百二十刷に同じ。

*4:ルビ「さてつ」。

*5:8月8日追記】③百九刷は8〜10頁。

*6:ルビ「ふうてん」。