瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『日出処の天子』(05)

・『花とゆめCOMICS』第8巻(2)
 奇数頁左側の雑誌掲載時に広告が入っていた(と思われる)余白だが、前回指摘した他にも単行本第8巻117・175頁も同様であるが、1コマめの上辺がなく標題と巻数が入っていない。
 さて、余白には下部にカットが挿入されているが、文庫版と照合するに殆ど差し替えられていて、全く同じものは1つもない。また、本編の方では身体の一部が切れているものも、カットでは全身を存していることが多い。
・15頁厩戸王子だったが文庫版第五巻173頁では刀自古(文庫版第五巻136頁5コマめ)になっている。
・25頁蘇我毛人の同じカット(39頁=文庫版第五巻197頁8コマめ)だが文庫版第五巻183頁は縮小。
・51頁厩戸王子は、文庫版第五巻209頁では別の厩戸王子(文庫版第五巻221頁2コマめ)に差替え。
・75頁の騎馬の蘇我毛人(60頁=文庫版第五巻218頁1コマめ)は、文庫版第五巻233頁は蘇我毛人(73頁=文庫版第五巻231頁3コマめ)に差替え。
・99頁厩戸王子は、文庫版第五巻257頁では蘇我毛人(92頁=文庫版第五巻250頁3コマめ)になっている。
・113頁蘇我毛人(42頁=文庫版第五巻200頁7コマめ)は、文庫版第五巻271頁では厩戸王子になっている。
・117頁の刀自古は、文庫版第五巻275頁では、単行本第8巻113頁の蘇我毛人のカットを縮小したものになっている。
・141頁厩戸王子は、文庫版第五巻299頁では別の厩戸王子(130頁=文庫版第五巻288頁6コマめ)になっている。
・155頁厩戸王子の騎馬の後ろ姿は、文庫版第六巻9頁では蘇我毛人(文庫版第五巻149頁8コマめ)になっている。
・175頁は上部に双郭の手書きの長方形があって黒で縁取った白文字の横書きで「無駄口コーナー」とあり、角切の四角い吹き出しに「め・珍しくも/少々 おしゃべり/しますね.」とあって作者の自画像、その下、右側に縦書きで「山岸プロダクションの/スタッフ紹介.」最初の2文字は黒で縁取った白文字。左側に蓮台に乗った、左手で指で円を作り、右手に「ムチ!」を持った仏像のような姿の1人。その下に猫の相手をするバニーガール、その下、金太郎のような髪型に腹掛けには○に「陽」右腕に力瘤を作り「ムチ!」の擬音、吹き出し(以下の吹き出しは一部が切れている楕円)に「自由ヶ丘の/ミホジュン」とあって、左から「自称よ」の吹き出しとともに手が突っ込まれている。その下にショートカットの癖毛でお盆にティーカップを載せたエプロン姿の黒いスカートの女性で、右側の吹き出しのみ横書きで「マ・メゾンを/よろしく」左側の吹き出しは他と同じく縦書きで「パオ〜」とある。最下部は右側に禿て光った頭のコケシがあるが「Ryo」と書き添えてあり眼も例の描き方なので作者の自画像、左に横書きで「以上」とある。文庫版第六巻29頁は厩戸王子のカット。
・183頁の刀自古(117頁=文庫版第五巻275頁3コマめ)は、文庫版第六巻37頁では厩戸王子になっている。
・187頁蘇我毛人は、文庫版第六巻41頁では厩戸王子が龍笛を吹く姿(181頁=文庫版第六巻35頁9コマめ)。
 殆ど重なっていないところからすると、単行本と文庫版それぞれの製版に際して独自に、恐らく担当者によって挿入されたのであろう。完全版はどうなっているのであろうか。まだどこから採ったか、出典を示せていないところがあるが、今後気付いたら補うこととする。(以下続稿)