瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

加藤秀俊・米山俊直『北上の文化』(4)

・再版の初版第1刷発行日への疑問
 ②再版(初版第4刷)のカバー裏表紙折返しは目録になっており、横組みで、

   現代教養文庫〔社会・思想〕|
中 国 の 思 想
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アフリカの部族生活
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アラスカエスキモー
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ヘロドトス「歴史」物語
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マルコポーロ東方見聞録
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未開民族を探る失われゆく世界
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太 平 洋 航 海 記
  C・クック著 荒 正人訳 ¥ 280
カバー印刷・   横山印刷株式会社
       48.7

とある。仕切線(4.5cm)は「|」で示したが実際には横線である。標題はゴシック体で大きく、著者名と定価は明朝体で小さい。上の太線の上はやや大きく、下の太線の下は明朝体で著者名と定価と同じ大きさ。
 ここで注意されるのは最後にある「48.7」の数字で、昭和48年(1973)7月現在、ということだろう。3月25日付(1)に引いたように、②再版での増補「補章あとがき」は「一九七三年六月二一日」付だったから、②再版の初版第1刷当時のものと推測されるのである。しかしここで気になるのは、②再版の初版第4刷の奥付には、初版第1刷の発行日が「昭和48年4月15日」となっていることで、本文に奥付の発行日よりも新しい日付が入っていることになる。しかも奥付は「補章あとがき」の日付のある238頁の左側、見開きの左右にこのアナクロニズムが位置していることになる。内容的に初版第1刷発行後にどこか書き改めたとか訂正があって手を入れたとか、そのようなことも別になさそうである。してみると、カバー裏表紙折返し及び「補章あとがき」よりして、奥付の「4月」は「7月」の誤りである可能性が高いのである。(以下続稿)