瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『妖精王』(3)

 中学時代がゲームブックの全盛期だったので、かなり熱中させられたものだった。
 私はコンピュータゲームに移行しなかったので、思い出すのは30年前のゲームブックなのである。
 だから『妖精王』を読んで、これはゲームブックになるのではないか、と思ったのだった。
 ゲームブックに馴染みのない人はそうは思わないだろう。私はゲームブックにしか馴染みがないからこう思うのである。
花とゆめCOMICS『妖精王』第2巻(2)
 4月10日付(1)の続きで、本体について。
・1〜2頁(頁付なし)は白紙。
・3頁(頁付なし)は扉で98頁(文庫版第2巻18頁)に見える「アイヌの女神さま」を描いたもので、着物の模様が若干異なる。柳の枝があしらわれているのは同じ。
・4頁(頁付なし)は上部に縦組みの丸ゴシック体と方宋体で以下のような第1巻の要約がある。

〈あらすじ〉忍海爵は曾祖母をイ/ギリス人にもつ高校1年生。軽い/肺結核のため、曾祖母が住んでい/た北海道の家―河村家に療養に来/ていた。しかし、爵の周囲には不/思議な出来事が続発して療養どこ/ろではなかった。そんなある日、/爵は河村方の従兄―風野燐から、/爵にとって大切だという角笛の/ペンダントをもらう。*1
 魔府*2の女王―クイーン・マ/ブは、爵がある力に目覚める/のを恐れ魔の手をのばしてき/た。そんなとき、角笛を奪われ/た爵は、角笛を捜しに妖精達*3の住/む世界―ニンフィディアにさ迷い/出、爵はクーフーリン(風野燐)/の助けをかりて角笛をとり戻した。
 妖精達が集うある満月の夜、再/びニンフィディアを訪れた爵は、/クーフーリンから爵こそ新しい妖/精王なのだ告げられた。*4


 その下に主要登場人物(?)の顔が、時計回りに上に「忍海 爵*5」、右「風野 燐*6」下「井冰鹿*7」、左下「プック*8」、左「クイーン・マブ*9」と並ぶ。
 下部に横組みで、

■ 目 次 ======== ■*10
妖精王……………………………………………… 5
落窪物語*11………………………………………… 174

とある。174〜188頁落窪物語」は単色印刷だけれどももとはオールカラー、純然たる漫画ではなく『冒険ダン吉』のような絵物語で、1頁に3コマくらいで文章は半分弱。
 初出誌「リリカ」掲載のものは漫画だった。ふくしまゆみのブログ「巣窟日誌」の2006-03-07「サンリオの少女漫画誌「リリカ」」に最初の見開きの写真がある。左綴じ横書きだったためそのまま収録出来ず、絵物語に書き改めて収録したらしい。「山岸凉子のカテゴライズの夜は更けて…」の「パロディまんが」に拠ると『山岸凉子全集』には裏焼きで左右反転させて収録している由。(以下続稿)

*1:ルビ「おしぬ み じやつく・そう そ ぼ・かわ むら け・りよう よう・いと こ・ふう の りん・つの ぶえ」。

*2:ルビ「ダークエルフ」。

*3:ルビ「エルフイン」。

*4:ルビ「つど」。

*5:左側、縦組み。ルビ「おしぬ み じやつく」。

*6:下に横組み、ルビ「ふう の りん」。

*7:下に横組み、ルビ「いひか」。

*8:下に横組み。

*9:左に縦組み。

*10:この行は丸ゴシック体、=は繋がる。

*11:ルビ「おちくぼ」。