瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

永井荷風『濹東綺譚』の文庫本(02)

新潮文庫290(2)
 3月23日付(01)の続き。
 私の父が昭和40年(1965)2月24日に旭川で購入した①十九刷と、②高校図書館用、③四十一刷を比較して見た。
 ②高校図書館用については、新潮文庫60『武蔵野』について2013年3月17日付「國木田獨歩『武藏野』の文庫本(2)」に表紙を、2013年4月18日付「國木田獨歩『武藏野』の文庫本(3)」に本体を、詳しく紹介したことがある。
 ①にはカバーがない。帯は保存されていなかった。本体の表紙については、②高校図書館用にはカバーと同じものが本体表紙に被せてあり、③四十一刷はブックコートフィルムで包まれているため、②③と比較することが出来ない。よって①の本体表紙についての記述は後に回すことにして、ここでは②③の表紙について述べて置こう。
 ②高校図書館用の表紙は③カバー表紙に同じ。
 ②高校図書館用の裏表紙右上に紹介文、上下に横線。

小説「失踪」の構想をねりつつ私娼/街玉の井へ調査を兼ねて通っていた/大江匡は、娼婦お雪となじむ。彼女/の姿に江戸の名残りを感じながら。/――二人の交情と別離を随筆風に展/開し、その中に滅びゆく東京の風俗/への愛着と四季の推移とを、詩人と/しての資質を十分に発揮して描いた/作品。日華事変勃発直前の重苦しい/世相への批判や辛辣な諷刺も卓抜で、/荷風の復活を決定づけた名作。


 中央の横線の下・中央に葡萄マーク。③四十一刷も同じだがさらに、左下にゴシック体で小さく「0193-106906-3162」」、右下にゴシック体太字で「¥ 140」とある。
 ②高校図書館用の背表紙、明朝体で上部に標題と中央やや下に著者名があり、下部にゴシック体でやや小さく「新潮文庫」その下は分類票貼付のため見えないが、ゴシック体でやや小さい「F」が見える。③四十一刷を見るに「新潮文庫〔草〕 六九F  140」とある。〔草〕は横並びで明朝体、他はゴシック体。
 すなわち、裏表紙及び背表紙の定価に関する部分を非売品の②高校図書館用は抜いているのである。
 ②高校図書館用にはカバーはないから折返しはない。③四十一刷のカバー表紙折返しは右下に縦組みで「カバー 木村荘八」とあり、カバー裏表紙折返しには横組みで、上部はゴシック体で「〜〜新潮文庫〜〜/永井荷風の作品」少し空けて「ふらんす物語/あめりか物語/すみだ川・二人妻/つゆのあとさき・踊子/濹東綺譚/腕くらべ」とあり、左下には明朝体で小さく「カバー印刷 錦明印刷」とある。
 ②高校図書館用の見返し・遊び紙は黄みがかったクリーム色。(以下続稿)