瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

永井荷風『濹東綺譚』の文庫本(04)

新潮文庫290(4)
 昨日の続きで①十九刷、②高校図書館用、③四十一刷の比較。
 本編に続いて「作後贅言」、冒頭は①84頁、2行取り5字下げ「作 後 贅 言」②80頁、1行空白、3行取り5字下げ「作 後 贅 言*1」③84頁、3行取り5字下げ「作 後 贅 言*2」。末尾は下寄せでやや小さく、①105頁10行め「昭和十一年丙子十一月脱稿  」、②100頁15行め「昭和十一年丙子十一月脱稿   」③105頁17行め「昭和十一年丙子*3十一月脱稿  」。
 ①には注はない。注については②③④を纏めて検討することにして、続く「解説/――濹東の変遷」を見て置こう。①106〜111頁・②105〜110頁。これは③④には引き継がれていない。執筆者は末尾に下寄せでやや大きく、①111頁7行め、半行空けて「木 村 莊 八  」②110頁8行め、前1行空けて「木 村 荘 八  」。
 新潮文庫は④に至るも木村荘八(1893.8.21〜1958.11.18)の挿画を収録していない。安岡章太郎『私の濹東綺譚』には収録してあるのだけれども。
・単行本

私の〓東綺譚

私の〓東綺譚

新潮文庫7197
私の墨東綺譚 (新潮文庫)

私の墨東綺譚 (新潮文庫)

・平成十五年七月一日発行(180頁)
・平成十五年七月二十日二刷・定価362円
 それはともかく、この「解説」には4つ素描が収録されている。
 「(一)昭和十年代/玉ノ井の構造」題は手書きで番号の括弧は左右にある。①106頁上②105頁上。この1頁めは収録されている本文の範囲も同じ。
 「(二)昭和/二十年代/構造」①108頁右上②107頁右上。
 「昭和十年代窓の女」①109頁右上②108頁右上。
 「昭和20年代風俗」①110頁右上②109頁右上。
 参考までに本文の頁移りの位置を示して置こう。①107〜108頁「あゝいふ家の女達が職/場で」②106〜107頁「ああいう家の女/達が」、①108〜109頁「「窓」/なりガラス戸の」②107〜108頁「女は家の前を只行きず/りに歩いただけでも一寸*4」、①108〜109頁「木の札の/出してあるなどは、」②108〜109頁「察しられます。思/いなしか玉の井花街の」、①110〜111頁「これ/も成りますまい。」②109〜110頁「講談雑誌。そんなものが/外から見えぬを幸い、」――①は手許にあり、青空文庫にもないらしいので気が向いたら入力しよう。(以下続稿)

*1:ルビ「ぜいげん」。

*2:ルビ「ぜいげん」。

*3:ルビ「ひのえね」。

*4:ルビ「ちよつと」。