瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

川端康成『雪国』の文庫本(5)

新潮文庫1(5)
 昨日の続きで②九十九刷の本体について、③百二十刷と比較しつつ記述してみる。
 1頁(頁付なし)扉は組み直されているがレイアウトは同じ。
 3頁(頁付なし)中扉は上部に縦組みで標題、組み直されているが同じ字配り。
 目次はない。
 5頁から本文で頁付がある。②1頁17行、1行43字。③1頁18行、1行41字。5頁は冒頭②は4行分空白、③は2行分空白。印字面は②11.8×7.5cm、③12.2×8.1cm、横幅はルビまで含めたが、縦幅はぶら下げの句読点までは含めなかった。
 ②152頁(17行め)まで、③148頁(6行め)まで。
 ②153〜160頁「川端康成 人と作品」は、末尾160頁6行めに2字下げ「昭和四十八年六月」7行め下寄せで「竹 西 寛 子 」とある。③159〜166頁では「竹 西 寛 子 」が159頁2行めに、そして末尾166頁3行めに下寄せでやや小さく「(昭和四十八年六月、作家)  」とある。
 すなわち③149〜158頁に②になかった「注 解」が追加されている(1頁22行)。末尾158頁21行めに下寄せで「郡 司 勝 義  *1」とある。
 ②161〜166頁「『雪国』について」は、末尾166頁9行めに2字下げ「昭和二十二年七月」10行め下寄せで「伊 藤  整 」とある。③167〜172頁では「伊 藤  整 」が167頁2行めに、そして末尾172頁7行めに下寄せでやや小さく「(昭和二十二年七月、作家)  」とある。
 ②167〜172頁、③173〜179頁「年譜」は、最後(②172頁下段20行め・③179頁上段8行め)に下寄せの( )内に割書で「本年譜は「新潮 川端康成読本」/を参照して編集部で作成した。」とある。ともに1段21行・1行23字。細かい異同は別に確認することとしたい。
 頁付があるのはここまでで、②は次の頁が「文字づかいについて」で「六」項目。③は「この作品は昭和十二年六月創元社より刊行された。」とある*2
 目録、②は「新潮文庫最新刊」が2頁。③百二十刷の目録については2014年12月13日付(3)に触れた。
 奥付は最後の頁で、異同は上部の横組み部分のうち「草1=1」が「か−1−1」に、中央やや下の縦組みのうち発行日3行のうち初刷以外の2行、それから発行者が「佐藤亮一」から「佐藤隆信」に、「郵便番号」が「一六二」から「一六二―八七一一」に*3、「電話〈業務部(〇三)二六六―五一一一/編集部(〇三)二六六―五四四〇〉」が「電話〈編集部(〇三)三二六六―五四四〇/読者係(〇三)三二六六―五一一一〉」に*4、「振 替 東 京 四 ― 八 〇 八 番」が「振  替  〇〇一四〇―五―八〇八」に*5、「乱丁・落丁本」の送り先が「小社通信係宛」から「小社読者係宛」に*6、そして下部の横組み部分、最下部のISBNコードとCコードは同じ(カバー裏表紙とも同じ)だが、その上に2本の横線に挟まれたところ、②九十九刷は「○ 印刷・株式会社金羊社  製本・憲専堂製本株式会社/© Hideko Kawabata 1947  Printed in Japan」とある(○に「金」)*7が、③百二十刷は「印刷 二光印刷株式会社 製本・株式会社植木製本所/© Hideko Kawabata 1971  Printed in Japan」となっている*8。(以下続稿)

*1:ルビ「ぐん じ かつ よし」。

*2:8月8日追記】③百九刷はこの頁の次に「文字づかいについて」で「四」項目。従って目録は③百二十刷より1頁少ない10頁である。細かい比較は2014年12月13日付(3)に注記した。

*3:8月8日追記】③百九刷は上部の横組み部分は③百二十刷に同じ。下部の縦組み部分、ここまでは発行日の他は②九十九刷に同じ。【2016年11月14日追記】②九十二刷の奥付は上部に上の横線(6.7cm)の太い「工」字型があって、左に空いたスペースに「新潮」印、右に空いたスペースに横組みで上部に標題、ルビ「ゆき ぐに」、下部に「定 価180円」、縦線(2.6cm)は上下の横線との間が若干空く。この型の下すぐに横組みで「新潮文庫 草1A」とある。その下は縦組みで、右に小さく「昭和二十二年 七 月十六日 発    行/昭和四十八年 九 月三十日 六十九刷改版/昭和五十七年 三 月 十 日 九 十 二 刷」、以下の縦組み部分は九十九刷に同じのようだが、念のため要点をメモして置く。1行分空けて「著  者」ルビ「かわ ばた やす なり」、2行分空けて「発行者」は第3代社長、「発行所」郵便番号3桁、「電話〈業務部(〇三)(二六六)五一一一/編集部(〇三)(二六六)五四二一〉」、「振 替 東 京 四 ― 八 〇 八 番」、1行分空けて「乱丁・落丁本は、ご面倒ですが小社通信係宛ご送付/ください。送料小社負担にてお取替えいたします。」とある。

*4:8月8日追記】③百九刷は「電話〈営業部(〇三)三二六六―五一一一/編集部(〇三)三二六六―五四四〇〉」。

*5:8月8日追記】③百九刷は字配りが異なるが②九十九刷に同じ。

*6:8月8日追記】③百九刷は③百二十刷に同じ。

*7:2016年11月14日追記】②九十二刷は太い横線(6.7cm)の下に同じ2行がある。

*8:8月8日追記】③百九刷は1行めは③百二十刷に同じ、2行めは「© Hideko Kawabata 1937 Printed in Japan」となっている。