瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『妖精王』(10)

 5月29日付(09)の続きで、白泉社文庫版のカバー裏表紙折返しについて。
 第2巻の第七刷(二〇〇〇年三月十五日)は、下部の「最新刊」は1ヶ月前の第1巻第七刷に同じ。但し第1巻は下の余白が0.6cmであったのが第2刷は1.0cmになっている。しかし奇怪なのは上部の、著者名明朝体太字、「の本」はゴシック体細字の「山岸凉子の本」で、続く標題は明朝体太字で、第1巻第七刷は「|日出処の天子 7|アラベスク 4|妖精王 3|」」とあったが、第2巻第七刷はさらに1行「黒鳥 ブラック・スワン|」が追加されていることである。白泉社文庫版『黒鳥』の刊行は4月16日付「山岸凉子『黒鳥』(1)」に示したように平成11年(1999)3月であって、第1巻第七刷・第2巻第七刷の約1年前なのである。これだけなら、その頃に作ったカバーがまだ余っていたので掛けた、と考えることも出来るが、「最新刊」に出ている本が全て平成11年(1999)12月刊行であるから、やはり平成11年12月以降、この頃の白泉社文庫は3月・6月・9月・12月にまとめて刊行していたので、これが「最新刊」であったのは、平成12年(2000)3月までなのである。参考までに「最新刊」に挙がっている本の書影を貼って置こう。最初の2点は2014年12月15日付「美内すずえ『ガラスの仮面』(44)」に貼付した。

マルチェロ物語(ストーリア) (第1巻) (白泉社文庫)

マルチェロ物語(ストーリア) (第1巻) (白泉社文庫)

マルチェロ物語(ストーリア) (第2巻) (白泉社文庫)

マルチェロ物語(ストーリア) (第2巻) (白泉社文庫)

つるばらつるばら (白泉社文庫)

つるばらつるばら (白泉社文庫)

幽霊宿の主人(あるじ)―冥境青譚抄 (白泉社文庫)

幽霊宿の主人(あるじ)―冥境青譚抄 (白泉社文庫)

燕雀庵夜咄 (白泉社文庫)

燕雀庵夜咄 (白泉社文庫)

アトモスフィア―12か月のひまわり (白泉社文庫)

アトモスフィア―12か月のひまわり (白泉社文庫)

 すなわち、第2巻第七刷が「黒鳥 ブラック・スワン|」を追加したというより、第1刷第七刷がうっかり落としていた、というべきである。
 第3巻第九刷(二〇〇三年十月十五日)の上部は同じ、下部は以下の通り、下の余白は0.6cm。

|           最新刊           |
未来のうてな 3………………………………………日渡早紀|
NATURAL 1……………………………………………成田美名子|
おそろしくて言えない 1…………………………桑田乃梨子|
ライム博士の12か月…………………………………坂田靖子|
天使ですよ……………………………………………遠藤淑子|
SLIP…………………………………………………西村しのぶ|
マリイ・ルウ/ジェシカの世界……………………西谷祥子|
おかめはちもく………………………………ささやななえこ|
感じるサファイア…………………………………野間美由紀|