瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宮澤賢治の文庫本(2)

・角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』(2)
 カバー背表紙、改版二十六版は淡い黄緑色地で、上部に明朝体で標題、中央やや下に著者名、下部にゴシック体で「角川文庫 緑 四〇 2 ― 300」。
 改版五十四版は淡い黄色地で、最上部に「み|1-2」半角分空けて横長の明朝体太字で「セロ弾きのゴーシュグスコーブドリの伝記」1字分空けて著者名、横幅は標題よりも狭いが縦幅は標題よりも長い明朝体太字。最下部に「角川文庫●430*1
 改訂新版の再版は水色地で最上部のQRコードの部分のみ白地、その下にゴシック体で「||1-2|Y500| 宮沢賢治」1字分空けてで囲われたがあって明朝体セロ弾きのゴーシュ」、最下部にゴシック体「角川文庫 |■*2
 カバー裏表紙、改版二十六版は背表紙と同じ淡い黄緑色地で、中央やや上に猫の墨絵、最下部左寄せにゴシック体で「定価300円  0193-104002-0946(4)」括弧は明朝体で1/4字分。
 改版五十四版と改訂新版(再版)は白地でレイアウトはほぼ同じ、左上のバーコード1つめと右上のISBNコードは一致。2つめのバーコード、改版五十四版「1910193004305」改訂新版(再版)「1920193005004」。ISBNコードの下、改版五十四版は1行「C0193 P430E 定価430円」定価の下にやや小さいゴシック体で「(本体417円)」と添える*3。改訂新版(再版)は2行「C0193 \500E/定価本体500円(税別)*4
 中央にゴシック体縦組みで紹介文があるのは同じだが、内容は異なる。改版五十四版は次の通り。

才能のない未熟な少年芸術家が、/必死になってセロを励んでいる/と、夜ごと動物たちが訪れ、天/啓のように芸術に開眼するとい/う感動的な童話「セロ弾きのゴ/ーシュ」以下11篇をおさめた。/「オッペルと象」「北守将軍と三/人兄弟の医者」「グスコーブドリ/の伝記」それぞれ詩であり、寓/話であり、大人の読む童話であ/る。


 改訂新版(再版)は次の通り*5。最後の山括弧は半角。

楽壇のお荷物だったセロ弾きの/少年・ゴーシュが、夜ごと訪れ/る動物たちとのふれあいを通じ/て、心の陰を癒しセロの名手と/なっていく表題作。
また「やまなし」「シグナルとシグ/ナレス」「氷河鼠の毛皮」「猫の事/務所」「雪渡り」「グスコーブドリ/の伝記」など、賢治が生前に新聞・/雑誌に発表した名作・代表作の/数々を収める。
      〈解説・別役 実〉


 ところで改版五十四版、平成6年(1994)のカバーになっている中村隆太郎(1955.4.15〜2013.6.29)監督のアニメ映画『グスコーブドリの伝記』は、権利関係の問題からDVDになっていないが、某動画サイトにて視聴出来た。元来が理詰めの人間なので詩の世界に入り込むことが苦手で、それから父が宮澤賢治嫌いだったので、あまり読んだことがなかった。その上、2014年9月28日付「浅間山の昭和22年噴火(1)」や2014年10月1日付「浅間山の昭和22年噴火(2)」にも述べたように火山小僧だった私は、火山が気象に影響を与える程の噴火をしたら、気温は上昇するのではなく低下するはずだ、との考えから毛嫌いして「グスコーブドリの伝記」は意識して遠ざけていた。しかしながらこの映画を見て、ぽろぽろ泣いてしまった*6。専門家の意見は静岡大学の小山真人教授のまとめ「(ネタバレ注意)火山学者の琴線に触れない「グスコーブドリの伝記」リメイク版2012」に述べられている。小山氏は記憶に頼って思い出し思い出しして書いているので間違っているところもあるが、そこが却って印象の強さを窺わせるのである。(以下続稿)

*1:11月26日追記】今、改訂新版を改版五十三版と並べているが、標題が「セロ弾きのゴーシュ」のみになっていること、最下部が「角川文庫 520」となっている他は改版五十三版に同じ。

*2:2016年7月26日追記】改訂八版も同じ。改訂十八版はQRコードはなく最上部はゴシック体で小さく「み/1-2」数字は横並び。ゴシック体の著者名と明朝体の標題はより太くなっている。丸と最下部は青紫色。【2016年10月26日追記】改訂十六版のカバーは改訂十八版のカバーに一致する(ようだ)。

*3:11月26日追記】改訂新版のレイアウトは改版五十三版に同じで、2つめのバーコードは「1910193005203」ISBNコードの下は「C0193 P520E 定価520円」定価の下にやや小さいゴシック体で「(本体505円)」と添える。

*4:2016年7月26日追記】改訂八版も同じ。

*5:11月26日追記】改訂新版も同じ。【2016年7月26日追記】改訂八版も同じ。

*6:Wikipediaに紹介されている高畑勲の批判は全く賢しらだと思う。