瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

近藤ようこ『説経 小栗判官』(5)

 昨日の続きで本体について。
 単行本及び文庫版6頁(頁付なし)、説経の語り出しが上部に14行。句読点を用いず改行を多くして11行と3行に分けているのは共通だが、単行本は秀英初号明朝で最後の3行の前の空白は1行分。文庫版は楷書体で最後の3行の前の空白は4行分。新装版4頁(頁付なし)は文庫版に同じ。下部は目鼻口の描かれない人物たちが9人、中央に大きな傘を右腋に挟み、もたれ掛かるようにして立つ、簓を摺る説経説き。8人は聴衆で子供が2人、4人は女性、男性2人のうち1人は胡座を掻き、両肘を太腿に付いて両手を頬に当てており、もう1人は朸の両端に袋に入った荷物を提げた若い男で、まさに足を止めようとしている。新装版はこれが4頁(頁付なし)で中扉が省かれ、以下本編の頁付は単行本・文庫版に比して2つ少なくなっている。
 この頁に対応するのが単行本及び文庫版194頁、単行本には頁付はないが文庫版には頁付「194」がある。しかし6頁との関係で行くとここは頁付を打ってはいけないだろう。それはともかく、上部に14行、6頁と対応する語り納めの文句があって、やはり単行本は秀英初号明朝、文庫版は楷書体である。下部に傘を畳んで左腋に抱えた説経説きが立ち、聴衆はやはり8人だが子供2人は寝ている。男性1人も左手を頬に当てて寝ている。朸を担いでいた若い男は片膝立てて座り、集中して聞いていた様子である。女性4人は皆感極まって泣いているようだ。
 新装版のこの辺りはなか見!検索では閲覧出来ないので、見る機会を得て補うこととしたい。
 単行本及び文庫版195頁(頁付なし)、四周は太い黒枠で、上部に6行、祝言の文句、やはり単行本は秀英初号明朝、文庫版は楷書体である。下部に畳まれた傘が横たえられている。
 文庫版196頁(頁付なし)は白紙、単行本については4頁のところに述べた。
 197頁(頁付なし)中央に単行本は秀英初号明朝、文庫版は楷書体で1行、

テキスト●『東洋文庫説経節』(平凡社)/『新潮日本古典集成・説経集』(新潮社)


 ●は○で囲われている。文庫版にはこの丸は空白になっている。二重鍵括弧『 』は半角。
 単行本198頁(頁付なし)秀英初号明朝縦組みで、まず5字下げで小さく「あとがき」、4行分空白があって、2〜16行め、段落の頭ごとに5字下げ、17行め、最後の行はやはり5字下げで○で囲った●があり、下詰めで小さく「近藤ようこ」、●と作者名の間は縦線で繋いでいる。
 文庫版では198〜199頁が「あとがき」で、明朝体で段落の頭は普通に1字下げ。単行本にはなかった振仮名が補われている。さらに200〜203頁、山口昌男解説 遊行寺における小栗判官」が追加されている。頁付があるのはここまで、次の見開きの右は白紙、左頁の下部中央に明朝体縦組みで小さく「本書は、白泉社より一九九〇年五月一日に刊行された。」とある。その次の見開きは目録で内容は7月26日付(3)にて確認した。(以下続稿)