瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『ティンカー・ベル』(1)

サンコミックス朝日ソノラマ

ティンカー・ベル (サンコミックス)

ティンカー・ベル (サンコミックス)

・昭和50年5月10日初版発行(226頁)
・昭和51年6月25日3版発行 ¥350
 カバーイラストは『妖精王の帰還』24〜25頁に収録されている。『妖精王の帰還』では右下に明朝体横組み白抜きで「ティンカーベル」と入れている。
 収録範囲は『妖精王の帰還』は右側が、右端の妖精の天衣の一部が切れているが、『ティンカー・ベル』カバーは点描の背景が右にまだ続いている。一方左側は『妖精王の帰還』は左端(下部)の妖精の羽・天衣・脚を描かず、不自然に点描の背景で区切っているが、『ティンカー・ベル』カバーでは表紙折返しで、描いている部分で切っている。上部の妖精の裾や天衣の端も切れている。これは書き差しを示す『妖精王の帰還』よりも『ティンカー・ベル』の方が、正しい示し方をしているものと思う。
 5頁(頁付なし)「ティンカー・ベル」の扉は『妖精王の帰還』25頁にカラーで収録されており、文字を被せていない。『ティンカー・ベル』は上下と右が『妖精王の帰還』よりも広く、左のみ狭く、上と中の薔薇の花の一部が切れているが、『妖精王の帰還』は薔薇の花は完全である。
 『妖精王の帰還』の「●初出一覧・コメント」を抜いて置こう。102頁40〜44行め、

19. ティンカーベル(見開きトビラ)
20. ティンカーベル
p.24-25 p.26 集英社デラックスマーガレット」1973年秋の号 ボード・362×514 ボード・363×257
◇作品名や単行本名は“ティンカー・ベル”としていましたが、今回、イラストタイトルを“ティンカーベル”と少し変えてみました。一語での響きがよい気がしま/して……。


 『妖精王の帰還』にはもう1点、189頁(頁付なし)「ねむれる森の…」が、26頁にカラーで収録されている。
 『妖精王の帰還』の「●初出一覧・コメント」を抜いて置こう。101頁1〜3行め、

21. ねむれる森の…
p.27 講談社「なかよし」1974年3月号 ボード・363×256
◇原稿は、ドレスの色と空の色が若干退色していました。調整した結果、原本とは少し色合いが変わりましたが、どちらも気に入っています。


 左上に明朝体横組み白抜き「ねむれる森の…」で入れているが、イラストに掛かっているので単行本『ティンカー・ベル』のように窓の左、黒い影になっているところに縦組みで収めるべきだったのではないか*1。なお、上下は『ティンカー・ベル』の方が広く窓の上部の蔦がもう少し見えている。左右は『妖精王の帰還』の方が広く、右側の女主人公の金髪の癖毛の端が『ティンカー・ベル』では若干切れている。(以下続稿)

*1:但し単行本では題を入れるために女主人公の金髪の癖毛の端が若干消されている。