瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『アラベスク』(23)

・バレエ名作ダイジェスト(2)
 『完全版Ⅲ』38〜39頁、まず38頁から見て置こう。右端上下の飾り枠の間に「――2――/ 眠れる森の美女*1」とあり、続いて、上にモダンゴシック体(ルビは明朝体)で、

 みなさんよく/ごぞんじ、ペローの/童話をバレエ化した/「眠れる森の美女」は/前回紹介した「白鳥の/湖」とともに3大バレ/エの一つです。*2
 カラボッスの魔法に/よって100年の眠りにつ/いたオーロラ姫。それ/をとりまく色とりど/りの衣裳をつけた妖/精。そして姫を眠りか/らさます王子…などが/実に美しく、はなやか/なバレエなのです。*3

とあって、下に男女のイラストがあり右側下詰めに縦組みで「「ローズ・アダージォ」」とある。
 39頁の右半分は38頁の文章の続きで上下2段組、前回と同じように藻を連ねたような飾りの線によって上下に分けられており、上段の左5行分に女性1人のイラストがあり、その右側、仕切り線の上に「「リラの精」*4」とある。このイラストの下、左4行分は下段に食い込んでいるため仕切り線はなく下段は2字下げになっている。

 その美しさは、プロローグ/のオーロラ姫と4人の王子の*5/おどりが“ローズ・アダージ/ォ”とよばれているのをみて/もおわかりとおもいます。
 そのほか、リラの精と妖精*6【上】たちのおどりや、第3幕のオ/ーロラ姫の結婚式でおどられ/るかずかずのおどり、中でも/童話からとった“赤ズキンと/狼”シンデレラ姫と王子のパ/・ド・ドゥ"長靴をはいた猫"/などたのしいみせ場がた/くさんあり、有名な“青/い鳥のグラン・パ・ド・/ドゥ”もふくまれたけん/らんたるバレエです。*7


 39頁の左半分はまずゴシック体で見出し、続いて明朝体2.5字下げで、

〔バレエ用語のミニ百科〕*8
パ・ド・ドゥ=主役級のふたりでおどるものをいいます。/そして、クラシックバレエには必ずグラン・パ・ド・/ドゥの形式があり、その作品の中心になる場面でおど/られる重要なみせ場となります。(3人のおどりは/パ・ド・トロワ。4人はパ・ド・カトル)*9

とあり、最後の2行は左端の飾り枠の間にある男性1人のイラストの、左手を避けるためにさらに3字下げ/5字下げになっている。イラストの左側下詰めに縦組みで「「青い鳥のグラン・パ・ド・ドゥ」*10」とある。
 単行本(HC版第II部第1巻)42〜43頁は明朝体太字で大きく「眠れる森の美女」とあって、以下の文章は明朝体縦組み。

カラボ/ッスの/魔法によっ/て長い眠り/についたオ/ーロラ姫が/100年の後、/王子チャー/ミングの口/づけによっ/て眠りから/目覚めると/いう、美しくはなやか/なバレエです。*11【42頁】
    プロローグのオーロラ姫と4人の/王子の"ローズ・アダージオ"をはじめ、"リ/ラの精の踊り”第3幕のオーロラ姫と王子/の結婚式で踊られる、有名な“青い鳥のグ/ラン・パ・ド・ドウ""シンデレラ姫と王子/のパ・ド・ドウ”"長靴をはいた猫”など、/童話からとった、楽しいみせ場のたくさん/ある、けんら/んたるバレエ/です。音楽は/チャイコフス/キー。


 42頁下に男女2人のイラスト、43頁右端に男性1人のイラスト、この右手を避けるために43頁の文章の1行めは4字下げになっている。43頁左下に女性1人のイラスト。
 すなわち、イラストに省略はないが、文章は書き換えられている。 
 『文庫版Ⅲ』40〜41頁、40頁の大部分(右下寄り)を男女のイラストが占めその下に横組み「「ローズ・アダージォ」」、41頁左端に女性のイラストがあってその右側下寄せ縦組み「「リラの精」」このキャプションの右、下詰めで「《眠れる森の美女 》」とある。(以下続稿)
附記1月15日付「山岸凉子『妖精王の帰還』(1)」に1箇所、そして今月投稿した『アラベスク』の記事では大量に「涼子」と誤変換していたことに気付きました。遅ればせながら全て訂正し、一々断らずにここに断って置きます。

*1:ルビ「ねむ・もり・びじょ」。

*2:ルビ「どうわ・か・ねむ・もり・びじょ・ぜんかいしょうかい・はくちょう・みずうみ・だい」。

*3:ルビ「まほう/ねん・ねむ/ひめ/いろ/いしょう・よう/せい・ひめ・ねむ/おうじ/じつ・うつく/」。

*4:ルビ「せい」。

*5:ルビ「うつく/ひめ・にん・おうじ」。

*6:ルビ「せい・ようせい」。

*7:ルビ「だい・まく/ひめ・けっこんしき/なか/どうわ・あか/おおかみ・ひめ・おうじ/ながぐつ・ねこ/ば/ゆうめい・あお/とり//」。

*8:ルビ「ようご・ひゃっか」。

*9:ルビ「しゅやくきゅう/かなら/けいしき・さくひん・ちゅうしん・ばめん/じゅうよう・ば・にん/にん」。

*10:ルビ「あお・とり」。

*11:ルビ「まほう・なが・ねむ・ひめ・ねん・のち・おうじ・くち・ねむ・めざ・うつく」。