・バレエ名作ダイジェスト(3)
『完全版Ⅲ』72〜73頁、まず72頁から見て置こう。右端上下の飾り枠の間、上部に「――3――/ ジゼル」題はモダンゴシック体、下部に明朝体で、
「ジゼル」は/「白鳥の湖」「眠れる森/の美女」とならんで、/3大バレエのひとつです。/しかも、一番歴史が古く18/41年にパリで初演されました。*1
とある。字数が揃わないのは下にある飾り枠を避けているため。
題の左に両手を頬に当てる女性1人のイラストがあって、右側下寄せで縦組み「第1幕*2」とある。
その左から例によって藻を連ねたような飾りの線によって上下2段に分けられており、モダンゴシック体に明朝体のルビで、
この作品は、ハイネの/「ウィリー」の伝説にもと*3/づいてアンドルフ・アダ/ンがバレエにしたもので、/歴史にかがやく、最高の*4/ロマンチックバレエと、/たたえられています。
(第1幕)身分ちがいの/貴族だとしらずに、アル/ブレヒトと恋仲になって*5【上】しまった/村の娘のジ/ゼルは、意/地悪な森番/に、アルブレヒトの正体/をしらされ、絶望のあまりに死/んでしまいます。*6
(第2幕)死後、ウィリーにな/ったジゼルは、ウィリーの女王/ミルタにむかえられます。ウィ/リーとは、婚礼を前にして死ん/だ乙女の精霊たちなのです。*7
悲しみにしずむアルブレヒト/が、ジゼルの墓へやってくると、/ミルタはウィリーたちに、彼が*8
とある。なお(第1幕)及び(第2幕)は明朝体。下段の最初の5行はイラストの下にあって下揃え、字数が揃っていない。
73頁は右端に冠を戴き左手に白百合を持った女性1人のイラストがあって、右側下寄せ縦組みで「ミルタ」とある。左の飾り枠の間に男女2人のイラストがあって、左側下寄せ縦組みで「第2幕*9」とある。2つのイラストの間に藻を連ねたような飾りの線があって上下2段、やはりモダンゴシック体で、
死ぬまでおどりつづけさせるこ/とを命じます。しかし、ジゼル/は恋人をすくおうと守りとおし、/明け方の4時の鐘の音とともに/朝の光の中へ、きえていくので/した。*10【上】
このバレエのみせ場は、第1/幕の村娘と若者のグラン・パ・/ド・ドゥ、6人の娘のヴァリエ/ーション。第2幕のミルタや、/ふたりのウィリーのおどりなど/です。バレエ技術の他に演技を/必要とする*11/むずかしい/バレエです。
とある。最後の3行はイラストの下にあって字数が少ない。なお72頁よりも上段の文字数が多いのは、72頁の上部には、9月18日付(21)にも注意したようにリボン型に「バレエ名作ダイジェスト*12」とあるので、上下の仕切りの高さが73頁と揃っている分、上段の字数が少なくなっているのである。
単行本(HC版第II部第1巻)74〜75頁は明朝体太字で大きく「眠れる森の美女」とあって、以下の文章は明朝体縦組み。
「ジゼル」は「白鳥/の湖」「眠れる森/の美女」とならぶ/3大バレエのひと/つです。この作品は、ハイネの「ウィリー」/の伝説をもとに作られたバレエで、最高の/ロマンチックバレエといわれています。村/の若者に変装した貴族アルブレヒトに恋し/た村娘ジゼルは、森番に、アルブレヒトの/正体を知らされ、絶望のあまり剣で胸を貫/いて死んでしまいます。死後、ウィリーに/なったジゼルは、ウィリーの女王ミルタに/むかいいれられます。ウィリーとは、婚礼/を前にして死んだ乙女の精霊たちなのです。*13【74頁】
女王ミルタに/命じられたウ/ィリーたちが/ジゼルの墓に/やってきたア/ルブレヒトを/死ぬまで踊り/つづけさせよ/うとするのですが、恋人を救おうとするジ/ゼルによって守られます。このバレエのみ/せ場は、第1幕の村娘と若者のグラン・パ/・ド・ドウ、6人の娘のヴァリエーション、/第2幕のミルタの踊りなどです。*14
74頁右下に両手を頬に当てた女性1人のイラスト、75頁右下に男女2人のイラスト、左端に冠を戴き左手に白百合を持った女性1人のイラスト。
すなわち、イラストに省略はないが、文章は書き換えられている。
『文庫版Ⅲ』72〜73頁、72頁右端に女性1人のイラストがあってその左側下寄せ縦組み「「第1幕」」、このキャプションの左、下寄せで「《ジゼル 》」とある。73頁左端に男女のイラストがあってその右側下寄せ縦組み「「第2幕」」。
*1:ルビ「/はくちょう・みずうみ・ねむ・もり/びじょ/だい/いちばんれきし・ふる/ねん・しょえん」。
*2:ルビ「だい・まく」。
*3:ルビ「さくひん/でんせつ」。
*4:ルビ「れきし・さいこう」。
*5:ルビ「だい・まく・みぶん/きぞく/こいなか」。
*6:ルビ「/むら・むすめ/い/じわる・もりばん/しょうたい/ぜつぼう・し」。
*7:ルビ「しご/じょおう//こんれい・まえ・し/おとめ・せいれい」。
*8:ルビ「かな/はか/かれ」。
*9:ルビ「だい・まく」。
*10:ルビ「し/めい/こいびと・まも/あ・がた・じ・かね・おと/あさ・ひかり・なか/」。
*11:ルビ「ば・だい/まく・むらむすめ・わかもの/にん・むすめ/だい・まく//ぎじゅつ・ほか・えんぎ/ひつよう」。
*12:ルビ「めいさく」。
*13:ルビ「はくちよう/みずうみ・ねむ・もり/びじよ/だい/さくひん/でんせつ・つく・さいこう/むら/わかもの・へんそう・きぞく・こい/むらむすめ・もりばん/しようたい・ぜつぼう・けん・むべ・つらぬ/し・しご/じよおう/こんれい/まえ・し・おとめ・せいれい」。
*14:ルビ「じよおう/めい//はか///し・おど//こいびと・すく/まも/ば・だい・まく・むらむすめ・わかもの/にん・むすめ/だい・まく・おど」。