瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『こゝろ』の文庫本(17)

新潮文庫315『こころ』(2)
 5月27日付(13)の続き。順番に辿るつもりだったのだが、先に最近見て今手許にある④百八十四刷と百八十七刷についてメモして置く。
 カバーは白地の布目。現在、Amazon詳細ページではこのカバーの書影が表示され、「商品の説明/内容紹介」に

・2015年8月31日まで限定カバーでの出庫になります。 ・ご注文時の在庫状況によって、表示と異なるカバーの商品が届くことがあります。予めご了承下さい。

とある。百八十四刷に増刷当初からこのカバーが掛かっていたのであれば、1年以上継続してこのカバーが掛かっていたことになるが、しばしば述べたように掛け替えがあるので断定は出来ない。
 カバー表紙の文字は全て水色の金属で、左上に明朝体縦組みで「夏 目 漱 石/こころ」、左側中央に横組みで小さく「SHINCHO BUNKO/KOKORO/NATSUME SOSEKI」とある。下部中央に横組みで「新潮文庫」とあるらしいが、2冊ともバーコードが貼付されていて見えない。
 カバー背表紙、標題「こころ」と中央やや下の著者名「夏 目 漱 石」は水色の金属、下部の[な 1 13] 新潮文庫 370」は黒。
 カバー表紙折返し、印刷は黒で、上部に明朝体横組みで「夏目漱石Natsume Soseki/(1867-1916)|」とあり、

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下/(現在の新宿区喜久井町)に生れる。/帝国大学英文科卒。松山中学、五高/等で英語を教え、英国に留学した。/留学中は極度の神経症に悩まされた/という。帰国後、一高、東大で教鞭/をとる。1905(明治38)年、『吾輩/は猫である』を発表し大評判となる。/翌年には『坊っちゃん』『草枕』など/次々と話題作を発表。'07年、東大/を辞し、新聞社に入社して創作に専/念。『三四郎』『それから』『行人』/『こころ』等、日本文学史に輝く/数々の傑作を著した。最後の大作/『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永/眠。享年50。


 二重鍵括弧は2つで1.5字分である。
 カバー裏表紙折返し、印刷は黒で、上部に明朝体横組みで「こころ/Kokoro/(1914)|」とあり、

親友を裏切って恋人を得たが、親/友が自殺したために罪悪感に苦し/み、自らも死を選ぶ孤独な明治の/知識人の内面を描いた作品。鎌倉/の海岸で出会った"先生"という主/人公の不思議な魅力にとりつかれ/た学生の眼から間接的に主人公が/描かれる前半と、後半の主人公の/告白体との対照が効果的で、"我執"/の主題を抑制された透明な文体で/展開した後期三部作の終局をなす/秀作である。

安野光雅のカバーの裏表紙右上にあったものと同文の紹介文がある。下部左寄りに明朝体横組みで小さく「カバー印刷 錦明印刷」、右上に角切三角形の新潮文庫のマーク。
 カバー裏表紙、左上にバーコード2つ、1つめは④百五十二刷に同じ、2つめは「1920193003703」、横線は亡く『左側中央に「定価本体370円(税別)」少し空けて「IBSN978-4-10-101013-7/C0193 \370E」とある。ISBNコードの数字はバーコード1つめの数字に一致。
 本体、目録は1頁め「夏目漱石著」6点「吾輩は猫である坊っちゃん/行 人/道 草/二百十日・野分/文鳥夢十夜」、2〜4頁め「新潮文庫最新刊」。奥付の異同はそれぞれの発行日のみ。(以下続稿)