瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山本禾太郎「第四の椅子」(24)

讀賣新聞社「本社五十五周年記念懸賞大衆文藝」(24)
 昨日の続きで、昭和3年(1928)12月11日付「讀賣新聞」の(二)面、発表記事に載る関田氏の受賞コメントについて見て置きましょう。11月25日付(09)の最後に引用した見出しに続いて、7〜10段め、

二等當選『河豚クラブ』*1の作者關田/一喜氏は明治四十四年三月市立高/知商業學校を卒業、大正十三年中【7段め】等教員英語科檢定試驗に合格、目/下高知市に在住してゐる、これま/でに二三の創作は試みたが『河豚【8段め】クラブ』が處女作といつてもいゝ/もので、この作は現代を背景とし/て探偵小説的なプロツトの下に奇/想天外の世界を描き出したもので/ある。氏は書を寄せて云ふ


 以下はやはり1字下げで行間が詰まっており、10段めは同じ幅の9段めより振仮名もありません。

『大衆文藝と云へば興味を中心【9段め】としたものが多いがそれだけで/は人間の性格に何等の根據をも/たないものができ上つて讀過後/あとに殘る滋味がありません、/そこで興味と同等に何等か人生/に根ざしたものを創作したらと/思つて餘暇筆を執りました』


 12月8日付(21)に引いた選評にて「甚だ煩わしい所もある」ほどの「時代批評」や「思想や社会観」が見えることを指摘されていたのは、関田氏が教師であったことと関係があるようです。(以下続稿)

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 昨日か一昨日辺りからカウンターがおかしい*2

*1:この二重鍵括弧は半角。

*2:12月17日追記】数字が戻ったり(!)殆ど進まなかったりしていた。……今見たら昨日に比べて1000以上増えていた。